アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室からなる反体制武装集団との戦闘の末、アレッポ市北部のライラムーン地区を完全制圧し、反体制武装集団の支配下にとどまるバニー・ザイド地区を射程圏内に収め、アレッポ市東部地区への封鎖をさらに強化した。
ARA News(7月25日付)によると、これにより、アレッポ市北部とアレッポ市北東部のシリア軍支配地域は面でつながったという。
またSANA(7月26日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにアレッポ市北部のカースティールー街道一帯で反体制武装集団に対する攻勢を続け、カースティールー製造所などの同地の工場施設複数棟(33施設)と、ライラムーン交差点に近いライラムーン車庫などを制圧し、アレッポ市東部の反体制武装集団支配地域への包囲を強化した。
シリア人権監視団によると、ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、ハーリディーヤ地区では依然として戦闘は続いており、シリア軍はダフラト・アブドゥラッブフ地区、カースティールー街道一帯、カフルハムラ村に対しても空爆を続けているという。
シリア軍はまた、アレッポ市マシュハド地区を「樽爆弾」で空爆し、反体制武装集団司令官1人とその家族4人、女性2人、子供1人を含む22人が死亡した。
これに対して、反体制武装集団はアレッポ市ザフラー協会地区各所を砲撃した。
一方、クッルナー・シュラカー(7月27日付)によると、アレッポ市シャッアール地区では、シリア軍による同市東部の全面包囲に反対するデモが組織され、数百人が参加した。
他方、ARA News(7月27日付)によると、イドリブ県北部のアティマ村に展開する反体制武装集団が、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアフリーン市郊外のジャルマ村、ディーワーン村を砲撃した。
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ヒムス県では、SANA(7月26日付)によると、シリア軍がラスタン市でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃した。
一方、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区に潜伏していた反体制武装集団戦闘員15人が武器を棄て、当局に投降した。
このほか、ARA News(7月26日付)によると、国連とシリア赤新月社の支援チームがタルビーサ市に人道支援物資(トレーラー49輌分)を搬入した。
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ダルアー県では、SANA(7月26日付)によると、シリア軍がヤードゥーダ村北東部、ジャムリーン村、ダルアー市アルバイーン地区、カラク地区、ブスラー広場一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。
シリア軍はまた、サイダー町で人質救出作戦を敢行し、シャームの民のヌスラ戦線が拘束していた14人を解放した。
シリア人権監視団によると、14人はいずれもシリア軍兵士。
一方、SANA(7月26日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線がダルアー市内各所を砲撃し、女性2人と子供1人が負傷した。
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ハマー県では、SANA(7月26日付)によると、シリア軍がザーラ村でシャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。
しかし、シャーム自由人イスラーム運動とシャームの民のヌスラ戦線からなる反体制武装集団は、ザーラ村郊外の火力発電所を砲撃し、利用不能になった。
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スワイダー県では、SANA(7月26日付)によると、シリア軍がジャラム・ダウラ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。
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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(7月26日付)によると、戦闘機(所属明示せず)がドゥーマー市、ダーライヤー市を空爆した。
一方、SANA(7月26日付)によると、24日に反体制武装集団によって破壊されたアイン・フィージャ町近郊のフィージャ水源にある水利施設が一部復旧した。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月25日に6件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
停戦違反はダマスカス郊外県、ラタキア県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。
米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は825件。
AFP, July 26, 2016、AP, July 26, 2016、ARA News, July 26, 2016、July 27, 2016、Champress, July 26, 2016、al-Hayat, July 27, 2016、Iraqi News, July 26, 2016、Kull-na Shuraka’, July 26, 2016、July 27, 2016、al-Mada Press, July 26, 2016、Naharnet, July 26, 2016、NNA, July 26, 2016、Reuters, July 26, 2016、SANA, July 26, 2016、UPI, July 26, 2016などをもとに作成。
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