シリア人権監視団は「アレッポ大血戦」の戦い開始以降、反体制派側が殺害した民間人の数がシリア・ロシア軍側を上回っていると発表(2016年8月5日)

シリア人権監視団は、新生ファトフ軍による「アレッポ大血戦」の戦い開始(7月31日)以降、アレッポ市内で子供33人を含む民間人112人が死亡したと発表した。

このうち42人(子供11人を含む)はシリア軍、ロシア軍によるアレッポ市東部地区への空爆などにより死亡、65人(うち子供22人)はシリア政府支配地域(アレッポ市西部)への反体制武装集団の砲撃で死亡、5人が西クルディスタン移行期民政局支配地域(シャイフ・マクスード地区)への反体制武装集団の砲撃で死亡したという。

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ただし集計は、シリア政府支配地域と西クルディスタン移行期民政局支配地域での民間人死者をそのまま反体制武装集団の攻撃による被害者とカウントし、反体制派武装集団支配地域での民家人死者をそのままシリア軍、ロシア軍の攻撃による被害者とカウントしており、「実際に誰が殺したのか」は断定できない。

 

なお、シリア人権監視団とともに引用されることが多いシリア人権ネットワークによる被害者集計は、反体制派支配地域に事実上限定されているとともに、加害者別、すなわち「誰が殺したのか」を基準に内訳を発表することが多く、中立性、信頼性を欠く。

AFP, August 5, 2016、AP, August 5, 2016、ARA News, August 5, 2016、Champress, August 5, 2016、al-Hayat, August 6, 2016、Iraqi News, August 5, 2016、Kull-na Shuraka’, August 5, 2016、al-Mada Press, August 5, 2016、Naharnet, August 5, 2016、NNA, August 5, 2016、Reuters, August 5, 2016、SANA, August 5, 2016、UPI, August 5, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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