アレッポ県南部および南西部一帯でシリア軍とファトフ軍の戦闘が続くなか、シリア・ロシア両軍が86回にわたり爆撃(2016年8月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南西部の士官学校各学部一帯で、シリア軍とファトフ軍(シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、シャーム自由人イスラーム運動などからなる武装連合体)が交戦、戦闘機(所属明示せず)による空爆が散発的に行われた。

同監視団およびARA News(8月7日付)によると、空爆は前日にファトフ軍によって制圧された士官学校の砲兵科、武器科一帯のほか、アレッポ市スッカリー地区、ブアイディーン地区に対して行われたという。

一方、SANA(8月7日付)によると、シリア軍地上部隊が、予備部隊の支援とシリア・ロシア両空軍航空部隊との連携のもと、アレッポ市南西部の士官学校各学科一帯に陣地を確保し、反体制武装集団(ファトフ軍)に対して集中砲火を浴びせ、その攻撃を封じた。

このうち航空部隊は、過去12時間で21回の出撃を行い、アレッポ市南部および南西部の郊外一帯に対して86回の空爆を実施したという。

またシリア・ロシア両空軍は、ハーン・トゥーマーン村、ハーン・アサル村、アターリブ市、カフルナーハー村、アウラム・クブラー町、ズィルバ村、ハルサ村、サラーキブ市(イドリブ県)・アレッポ市間回廊、タフタナーズ市(イドリブ県)・アレッポ市間回廊でファトフ軍の拠点、車輌を激しく空爆したという。

これに対して、反体制武装集団は、アレッポ市ルーワード協会地区を砲撃し、女児1人、女性2人の合わせて3人が死亡、4人が負傷した。

しかし、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(8月7日付)に対して、戦闘・空爆は「比較的小規模」だったと述べた。

このほか、クッルナー・シュラカー(8月7日付)は、ファトフ軍を主導するシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)がSNSを通じて、アレッポ市南西部の士官学校航空技術科制圧時にシリア軍准将を捕捉したと発表したと伝えた。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、8月6日に8件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、ラタキア県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は944件。

AFP, August 7, 2016、AP, August 7, 2016、ARA News, August 7, 2016、Champress, August 7, 2016、al-Hayat, August 8, 2016、Iraqi News, August 7, 2016、Kull-na Shuraka’, August 7, 2016、al-Mada Press, August 7, 2016、Naharnet, August 7, 2016、NNA, August 7, 2016、Reuters, August 7, 2016、SANA, August 7, 2016、UPI, August 7, 2016などをもとに作成。

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