ロシア国防省による3時間の人道休戦にもかかわらず、アレッポ市一帯では戦闘が続くも、シリア政府支配地域に食糧物資を積んだ車輌40輌が到着(2016年8月11日)

アレッポ県では、AFP(8月11日付)によると、ロシア国防省による3時間(午前10時から午後1時)までの人道停戦実施宣言を受け、アレッポ市での戦闘は緩和したが、完全には停止せず、アレッポ市(東部)への人道支援物資は行われなかった。

しかし、アブドゥッラー・ガルビー国内通商消費者保護大臣は、アレッポ市(西部)に食糧物資を積んだ車輌40輌が入ったと発表した。

『ハヤート』(8月13日付)によると、物資はアレッポ市西部地区、ハンダラート・キャンプ一帯、シャイフ・ナッジャール市一帯に配給されたという。

SANA, August 11, 2016

『ハヤート』(8月12日付)によると、シリア軍は、アレッポ市南西部のラームーサ地区に進軍、ロシア軍による同地への空爆が激化した。

シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市南西部で前日夜から朝にかけて反体制武装集団と激しく交戦した。

一方、ARA News(8月11日付)によると、バヤーン運動とナスル軍がアレッポ市南部のガズラーン養豚所を攻撃し、同地のシリア軍拠点複数カ所を制圧し、アレッポ市西部への包囲を強化した。

他方、SANA(8月11日付)によると、シリア軍・ロシア軍の航空支援を受けたシリア軍が「同盟部隊」とともに、アレッポ市南部郊外で反体制武装集団と交戦、士官学校(各学科)周辺と第1070集合住宅計画地区の複数拠点を制圧した。

シリア軍はまたイドリブ県のマアッラト・ヌウマーン市、サラーキブ市とダマスカス・アレッポ街道(国際幹線道路)を結ぶ回廊一帯、アレッポ市ラームーサ地区、アーミリーヤ村、ハーン・トゥーマーン村を空爆した。

これに対して、反体制武装集団はアレッポ市ハムダーニーヤ地区を砲撃し、住民4人が死亡した。

AFP, August 11, 2016、AP, August 11, 2016、ARA News, August 11, 2016、Champress, August 11, 2016、al-Hayat, August 12, 2016, August 13, 2016、Iraqi News, August 11, 2016、Kull-na Shuraka’, August 11, 2016、al-Mada Press, August 11, 2016、Naharnet, August 11, 2016、NNA, August 11, 2016、Reuters, August 11, 2016、SANA, August 11, 2016、UPI, August 11, 2016などをもとに作成。

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