RT(8月12日付)は、シリア軍がアレッポ県アレッポ市北部のバニー・ザイド地区を経由してアレッポ市西部地区(シリア政府支配下)に人道物資を搬送するための人道回廊を設置、ロシア国防省が10日に発表した3時間(午前10時から午後1時)までの人道停戦を利用して、同地に物資搬入を行う模様だと伝えた。
一方、ARA News(8月12日付)によると、「人道支援」団体」を名のるトルコのIHH(人道支援基金)が、アレッポ市東部(反体制武装集団支配地域)に支援物資を積載した貨物トラックの車列を2度にわたり派遣し、同地に野菜、穀物を配給した。
支援物資は、トルコおよびクウェートから寄せられ、トルコのハタイ県を経由して同地に運び込まれたという。
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同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市北部のフライターン市、ハイヤーン町、アジア地区を空爆し、女性、子供を含む9人が少なくとも死亡、多数が負傷し、またフライターン市の小児科病院が空爆で利用不能となった。
戦闘機はまた、アレッポ市南西部のアウラム・クブラー町、ダーラト・イッザ市に対しても空爆を行い、少なくとも8人が死亡、
空爆はさらに、アレッポ市カッラーサ地区、ブスターン・カスル地区、旧市街、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、ライラムーン交差点一帯、第1070集合住宅計画地区、スーク・ジャバス地区、ラーシディーン地区にも及んだほか、シリア軍ヘリコプターはアレッポ市旧市街各所を「樽爆弾」を攻撃、同地一帯ではシリア軍、外国人戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)などからなるファトフ軍と交戦した。
これに対して、SANA(8月12日付)は、シリア軍がアレッポ市南西部の士官学校(各学科)一帯、ヒクマ学校南部、第1070集合住宅計画地区、ラームーサ地区一帯、カフルナーハー村、カフルハムラ村、アーミリーヤ村、ガス工場南部で反体制武装集団(ファトフ軍)の拠点を空爆したと伝えた。
また、反体制武装集団は、アレッポ市ハムダーニーヤ地区、バロン通り地区、ハーディル村を砲撃し、子供と女性合わせて2人が死亡、7人が負傷したと伝えた。
一方、アレッポ市とハナースィル市を結ぶ街道が通るアレッポ市南東部の養畜所一帯では、シリア軍と反体制武装集団(バヤーン運動とナスル軍)が戦闘を続けた。
なお、クッルナー・シュラカー(8月12日付)によると、反体制武装集団は、養畜所一帯のシリア軍拠点複数カ所を制圧し、街道を遮断したという。
これが事実だとすると、反体制武装集団はアレッポ市西部に至るシリア軍の唯一の兵站路をアレッポ市南東部で寸断することに成功したことになる。
しかし、RT(8月12日付)は、これを否定、シリア軍が11日夜に養畜所一帯に進攻し、同地を奪還したと伝えた。
AFP, August 12, 2016、AP, August 12, 2016、ARA News, August 12, 2016、Champress, August 12, 2016、al-Hayat, August 13, 2016、Iraqi News, August 12, 2016、Kull-na Shuraka’, August 12, 2016、al-Mada Press, August 12, 2016、Naharnet, August 12, 2016、NNA, August 12, 2016、Reuters, August 12, 2016、SANA, August 12, 2016、UPI, August 12, 2016などをもとに作成。
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