ロシア国防省は、ロシア空軍のTu-22M3長距離爆撃機複数機がイランのハマダーン航空基地を離陸し、シリア領内のアレッポ県、ダイル・ザウル県、イドリブ県でダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)の拠点複数カ所に対する空爆を集中的に実施したと発表した。
この空爆で、サラーキブ市(イドリブ県)、バーブ市(アレッポ県)、アレッポ市、ダイル・ザウル市、ジャフラ村(ダイル・ザウル県)にある武器弾薬庫5カ所、指令拠点3カ所を破壊、テロリスト多数を殲滅したという。
またこの空爆では、ラタキア県フマイミーム航空基地に配備されているロシア空軍のSu-30戦闘機およびSu-35戦闘機複数機がTu-22M3長距離爆撃機を援護するために作戦に参加したという。
なお、シリア領内での作戦に参加するロシア空軍の長距離爆撃機は、これまでは北オセチア共和国の航空基地を発着していたが、イランのハマダーン航空基地を使用することで、シリアまでの到達時間を60%短縮できるようになったという。
またこれによって、爆弾搭載量も倍増するという。
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イランのアリー・シャムハーニー国家安全保障最高評議会事務局長は、ロシア空軍長距離爆撃機のハマダーン航空基地への使用に関して「イランとロシアは、シリアでの「テロとの戦い」を行うための戦略的に協力しており、このためにさまざまな能力を交わしている」と述べた。
イランが外国軍に国内の航空基地の使用を許可するのは1979年のイラン・イスラーム革命以降初めて。
またロシア軍がシリア領内での作戦において、シリアおよびロシア以外の第三国の航空基地を使用するのもこれが初めて。
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米軍高官がAP(8月16日付)に述べたところによると、この作戦の数時間前に、ロシア空軍のTu-22長距離爆撃機6機が装備などを積載した貨物機1機とともにイランのハマダーン航空基地に配備されていたという。
また米国の複数の高官は、「米国はロシアが去年からイランに航空機を移送する可能性があると承知していたが、火曜日(16日)の決定は突然のことだった」と述べたという。
AFP, August 16, 2016、AP, August 16, 2016、ARA News, August 16, 2016、Champress, August 16, 2016、al-Hayat, August 17, 2016、Iraqi News, August 16, 2016、Kull-na Shuraka’, August 16, 2016、al-Mada Press, August 16, 2016、Naharnet, August 16, 2016、NNA, August 16, 2016、Reuters, August 16, 2016、SANA, August 16, 2016、UPI, August 16, 2016などをもとに作成。
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