サマンサ・パワー米国連代表大使は、報告書受領後に声明を出し、シリア政府による塩素ガスを含む「化学兵器の使用が国連安保理決議第2118号と化学兵器禁止条約に違反」していると指摘、「違反は化学兵器禁止条約の正統性への挑戦」と非難した。
そのうえで、「シリアでの違反者が国家であれ、非国家勢力であれ…、安保理諸国はともに、そして迅速に対処する必要がある」と強調した。
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フランスのジャン=マルク・エロー外務大臣は、国連・OPCW合同査察機構の報告書に関して、シリア軍による化学兵器使用を「残虐行為」と非難、国連安保理で責任追及すべきだと述べた。
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なお、国連の潘基文事務総長は24日、シリア国内での化学兵器(塩素ガスを含む)の使用実態に関する国連および化学兵器禁止機関(OPCW)の合同査察機構が作成した報告書を受け取った。
90ページに及ぶ報告書の内容は、国連安保理で審議されたのちに、公開されるという。
報告書を提出した合同査察機構は2014年5月のイドリブ県、ハマー県各所でのシリア軍による塩素ガス使用疑惑を受けて、2015年8月に採択された国連安保理決議第2235号に基づき設置され、サリン・ガスなどの化学兵器や塩素ガスの使用への責任追求をめざしている。
ロイター通信(8月25日付)などが入手した報告書コピーによると、合同査察機構は、2014年から2015年にかけてシリア国内で発生した化学兵器・有毒ガス使用疑惑事件9件に関して調査、うち2件(2014年4月21日のイドリブ県タッル・マナス村と2015年3月16日のサルミーン市での事件)に関して、シリア軍ヘリコプターから塩素ガスと思われる有毒化学物質を収めた「機器」の投下によって、住民が中毒症状を訴えたと指摘しているという。
また1件(2015年8月のアレッポ県マーリア市での事件)に関しては、ダーイシュがマスタード・ガスを使用した可能性があるとしているという。
のこりの6県(2014年4月と2015年8月のハマー県カフルズィーター市での事件など)に関して、化学兵器・有毒ガスが誰によって使用されたかは特定できていないという。
AFP, August 25, 2016、AP, August 25, 2016、ARA News, August 25, 2016、Champress, August 25, 2016、al-Hayat, August 26, 2016、Iraqi News, August 25, 2016、Kull-na Shuraka’, August 25, 2016、al-Mada Press, August 25, 2016、Naharnet, August 25, 2016、NNA, August 25, 2016、Reuters, August 25, 2016、SANA, August 25, 2016、UPI, August 25, 2016などをもとに作成。
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