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国連安保理で米・露外相がシリア情勢をめぐって非難の応酬(2016年9月21日)

国連安保理で、シリア情勢への対応を協議するための会合が開かれ、ジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が激しい非難の応酬を行った。

ケリー米国務長官は現下の情勢に関して、「反体制派を含むすべての当事者にとって正念場」にあると述べ、米国がロシアとの停戦合意を遵守していると主張、「停戦合意に署名したのに、それに従わないのか。ロシア側をどうやって信頼したらいいのか」とロシアを追及した。

また「シリア軍航空機のシリア北部の飛行を禁止する必要がある」と強調、そのうえで「人道支援物資を搬入し、7日の停戦を経て、米国とロシアがダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線に対する合同作戦を開始する」べきだと表明した。

ケリー国務長官は、シリア軍による空爆停止によって「我々はダーイシュ、ヌスラ戦線への空爆か可能となる」との条件をロシア側に突きつけた。

一方、反体制武装集団に関して、ケリー国務長官は「一部の反体制派がヌスラ戦線と同盟している。ヌスラはアル=カーイダであり、この事実を無視することはできない。彼らは常に政治的解決を拒否しており、我々皆にとっての適だ」と述べた。

これに対して、ラブロフ外務大臣は、米国との停戦合意の最優先事項が「反体制派とダーイシュ、ヌスラ戦線と言ったテロ組織を峻別すること」にあったと述べるとともに、反体制武装集団がシリア軍の同様にアレッポ市カースティールー地区一帯から撤退するとの合意を履行せず、19 日には人道支援物資を搬送するシリア赤新月社と国連の車列を攻撃したと批判した。

また、米国・ロシアの新停戦合意が発効した12日以降、米国が「穏健な反体制派」だとして示した組織が300回にわたり停戦違反を犯し、そのなかにはヌスラ戦線と共闘するシャーム自由人イスラーム運動も含まれてたと明かした。

そのうえで、「(穏健な)反体制派」と米国の側が人道支援物資の搬入の安全を確保することが求められていると反論、テロのブラックリスト(アル=カーイダ制裁委員会のリスト)に新たな組織を追記する必要があると付言した。

AFP, September 21, 2016、AP, September 21, 2016、ARA News, September 21, 2016、Champress, September 21, 2016、al-Hayat, September 22, 2016、Iraqi News, September 21, 2016、Kull-na Shuraka’, September 21, 2016、al-Mada Press, September 21, 2016、Naharnet, September 21, 2016、NNA, September 21, 2016、Reuters, September 21, 2016、SANA, September 21, 2016、UPI, September 21, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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