アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市東部に進攻したシリア軍が、同地を支配する反体制武装集団(アレッポ・ファトフ軍)と激しい市街戦を行った。
この戦闘でシリア軍は、複数の高層ビルを制圧したという。
同監視団によると、アレッポ市東部は現在、中心部に位置するブスターン・バーシャー地区一帯、南部のシャイフ・サイード地区、北部のジャンドゥール交差点一帯の三方面からシリア軍地上部隊の攻勢に晒されており、戦闘機(所属明示せず)が、シャイフ・サイード地区および同地区に隣接する地区一帯、ブスターン・カスル地区、フィルドゥース地区、バーブ街道地区、スッカリー地区を夜間から爆撃しているという。
また、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊もアレッポ市東部での戦闘激化を受け、シャイム・マクスード地区からシュカイイフ地区方面へと進軍したという。
一方、アレッポ市郊外ではロシア・シリア両軍戦闘機がダーラト・イッザ市、ズルバ村を焼夷兵器で爆撃、クッルナー・シュラカー(10月4日付)によると、この空爆で4人が死亡したという。
他方、SANA(10月4日付)によると、アレッポ市内のアレッポ大学敷地、旧メリディアン・ホテル一帯、サラーフッディーン地区、サビール地区、ジャービリーヤ地区、スライマーン・ハラビー地区、アアザミーヤ地区などを反体制武装集団が砲撃し、7人が死亡、71人が負傷した。
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なお、WHO(世界保健機関)報道官によると、9月23日から10月2日にかけてのアレッポ市東部での死者は342人(うち子供106人)、負傷者は1,129人(うち子供261人)にのぼるという。
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ロイター通信(10月4日付)によると、国連のザイド・フサイン人権高等弁務官は、アレッポ市東部に対するロシア・シリア両軍の空爆に関して、焼夷兵器を使用しないよう警鐘を鳴らした。
AFP, October 4, 2016、AP, October 4, 2016、ARA News, October 4, 2016、Champress, October 4, 2016、al-Hayat, October 5, 2016、Iraqi News, October 4, 2016、Kull-na Shuraka’, October 4, 2016、al-Mada Press, October 4, 2016、Naharnet, October 4, 2016、NNA, October 4, 2016、Reuters, October 4, 2016、SANA, October 4, 2016、UPI, October 4, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
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