シリア民主軍が支配するマンビジュ市郊外の村(アレッポ県)への政権側有力議員の訪問に合わせて、ダーイシュが自爆テロ(2016年10月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マンビジュ市近郊のマーシー村で大きな爆発が発生し、女性2人を含む10人が死亡、20人が負傷した。

クッルナー・シュラカー(10月11日付)によると、自爆ベルトを着用した男性が犯行に及んだという。

シリア人権監視団によると、マーシー村は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊主導が主導するシリア民主軍(とりわけマンビジュ軍事評議会)の支配下にある。

この爆発事件に関して、ダーイシュ(イスラーム国)の戦果を喧伝するアアマーク通信は、マーシー村にあるクルディスタン労働者党(PKK)の拠点複数カ所に対して、特攻戦闘員(インギマースィー)4人が自爆攻撃を行い、そのうちの一人の攻撃でPKKメンバー15人を殺害、多数を負傷させたと発表した。

犠牲者は、55年にわたりシリアで国会議員を務めたムハンマド・ズィヤーブ・マーシー元議員の家族。

事件発生の数日前、アレッポ県選出の有力人民議会議員ムハンマド・ハイイル・マーシー氏が現地入りしていた。

マーシー議員は、シリア軍の「サムアーン」を名のる大佐を随行、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がその警護にあたっていた。

クッルナー・シュラカー(10月11日付)によると、マーシー人民議会議員、サムアーン大佐が、シリア民主軍の協力のもとに、マンビジュ市一帯の部族を動員し、人民防衛隊に準じる准武装部隊を設立することが現地訪問の目的だったという。

ARA News, October 11, 2016

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一方、シリア人権監視団によると、マンビジュ市近郊のダンダニーヤ村一帯では、ダーイシュ(イスラーム国)とシリア民主軍が交戦した。

AFP, October 11, 2016、AP, October 11, 2016、ARA News, October 11, 2016、Champress, October 11, 2016、al-Hayat, October 12, 2016、Iraqi News, October 11, 2016、Kull-na Shuraka’, October 11, 2016、al-Mada Press, October 11, 2016、Naharnet, October 11, 2016、NNA, October 11, 2016、Reuters, October 11, 2016、SANA, October 11, 2016、UPI, October 11, 2016などをもとに作成。

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