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『ハヤート』(7月22日付)など各紙によると、アレッポ市のサーフール地区、ハイダリーヤ地区、バーブ街道地区、サラーフッディーン地区などで、前日に始まった軍・治安部隊と反体制武装集団の戦闘が激化した。
軍・治安部隊が戦車、兵員輸送車を多数投入し、掃討にあたっているという。
地元調整諸委員会によると、「政権の砲撃と突入を恐れ、多くの市民が避難した」という。
『ハヤート』(7月22日付)によると、反体制武装集団はアレッポ市東部を20日に制圧した、という。
『サウラ』(7月22日付)は、マイダーン地区、カーブーン区の戦闘で、軍・治安部隊が多数の外国人戦闘員を殺害した、と報じた。
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一方、シリア人権監視団によると、カフルスーサ区、マッザ区、バルザ区で4人が射殺された。
またマッザ区で銃声が聞こえたという。
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シリア・アラブ・テレビ(7月21日付)やマヤーディーン(7月21日付)などによると、ミサイル開発の専門家であるナビール・ズガイブ少将と家族が乗った車がダマスカス県旧市街バーブ・トゥーマで反体制武装集団に狙撃され、家族全員が死亡した。
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アブー・マフナド・マッズィーを名のる反体制活動家はAFP(7月21日付)に対して、マッザ区には軍の検問所ではなく、自由シリア軍の検問所がある、と述べ、以前から反体制武装集団が占拠していると述べた。
AFP(7月21日付)は、対トルコ国境のバーブ・ハワー国境通行所(イドリブ県)にアラブ・イスラーム諸国、アフリカ諸国出身の戦闘員約150人が集結している、と報じた。
同報道によると、戦闘員の国籍は、アルジェリア人、サウジ人、UAE人、エジプト人、フランス人、チェチェン人、チュニジア人などで、その多くが「シューラー・ターリバーン」や「イスラーム・マグレブ諸国アル=カーイダ」のメンバーを名のっている、という。
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トルコ当局は、バーブ・ハワー国境通行所を封鎖した。これによりトルコ側からの出国はシリアのパスポート保有者に制限されるという。
一方、イスマーイールを名のる反体制活動家はロイター通信(7月21日付)に対して、制圧した対トルコ国境のバーブ・ハワー国境通行所に隣接する免税店での村人らによる物品の略奪を禁じない、と述べた。
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トルコ治安筋によると、トルコ南東部のマルディン市郊外のミディヤト市で何者かがイラクからの石油パイプラインを破壊し、火災が発生し、21日に消火作業が完了した。
ユーフラテス通信社(7月21日付)によると、この破壊工作にはPKKが関与しているという。
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ニネベ県のアスィール・ヌジャイフィー県知事は、AFP(7月21日付)に対して「ルバイア国境通行所は依然として正規軍が掌握しているが、私が得た複数の情報によると、事態は最近深刻だ。なぜならこの検問所にいたるシリア国内の街道が自由シリア軍の手に落ちたからだ」と述べた。
しかしその後、ヌジャイフー県知事は、AFP(7月21日付)に対して、ヤアルビーヤ国境通行所(ルバイア国境通行所)がシリアの反体制武装集団に早朝制圧されたことを確認したと述べた。
また「明日から、同通行所はイラク人の帰国者の通行を認めるのみとする」と付言した。
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イラクのアドナーン・アサド内務次官は、AFP(7月21日付)に対して「反体制武装集団はまだブーカマール国境通行所を制圧しているが…、シリアの当局は国境地帯の前哨基地に増援部隊を派遣した」と述べた。
一方、自由シリア軍のハーリド・アブー・ズィヤードなる活動家は、反体制武装集団のブーカマール国境通行所(ダイル・ザウル県)制圧直後から、シリア軍・治安部隊がブーカマール市への砲撃を開始したと述べた。
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ヨルダンの治安筋はAFP(7月21日付)に対して、シリアの反体制武装集団が対ヨルダン国境のナスィーブ国境通行所の制圧を試みたが、シリア軍が応戦し、敗走したことを明らかにした。
ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シャブアー町、ザバダーニー市、フーシュ・アラブ市に対して軍・治安部隊が砲撃を加え、カタナー市では戦闘があった、という。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区に対して軍・治安部隊が砲撃を加え、クサイル市、ラスタン市では反体制武装集団との間で戦闘が発生した、という。
また対レバノン国境のジュースィーヤ村、ニザーリーヤ村では、軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団の戦闘員4人が殺害された。
一方、シリア革命総合委員会のハーディー・アブドゥッラーなる活動家は、ヒムス中央病院で囚人が離反、離反した多数の守衛とともに同刑務所を掌握したと発表した。
しかしSANA(7月21日付)は、ヒムス中央刑務所筋の話として、同刑務所が囚人らに制圧されたとの反体制勢力の発表を否定した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団の戦闘員2人が殺害された。
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イドリブ県では、『サウラ』(7月22日付)によると、軍・治安部隊が、サルキーン市、ハーリム市などで反体制武装集団の「浄化」を完了した。
ダマスカス県では、18日の爆破テロで重傷を負い、死亡したヒシャーム・ビフティヤール・バアス党シリア地域指導部メンバーの葬儀が行われた。
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アースィフ・シャウカトの葬儀が生地であるタルトゥース県マドハラ村で行われた。
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「アフバール・シャルク」(7月21日付)は、トルコ外交筋の話として、シリア軍の士官3人(うち准将2人)が離反し、トルコ領内に避難したと報じた。
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シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長はドイツのテレビ局に対して、キリスト教徒やアラウィー派ら「住民の恐怖は、アサド政権のプロパガンダを踏まえると理解できる…。ムスリム同胞団はシリアの反体制勢力において重要な地位を占めているが、シリア国民評議会はマイノリティの権利を保護する…。未来のシリアは多元的・民主的で、イデオロギー的、民族主義的、宗教的な過激派がいる余地はない」と述べた。
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シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長はイスタンブールで記者会見を開き、シリア国民を救済するための国際基金の設立を求めた。
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シリア国民評議会渉外局長のアブドゥッラフマーン・ハーッジ氏はAKI(7月21日付)に対して、「評議会は条件が整い次第国内に戻ることを当初から計画していた…。指導部が現地に戻れば、革命運動家の大きな精神的支えになることは疑いない」と述べ、国内に潜入する意思を示した。
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トルコで避難生活を送る自由シリア軍事評議会議長のムスタファー・シャイフ准将は、ロイター通信(7月21日付)に対して、アサド政権が化学兵器を武器庫から各地に移動させ、弾圧のために使用していると述べた。根拠はない。
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カーミシュリー・クルド青年連合、ハサカ統一調整、シリア・クルド青年調整連合などシリア北東部で反体制運動を行うクルド人組織は共同声明を出し、クルド人がシリア北東部の分離を画策しているとの一部報道・情報を否定した。
イスラエルのエフド・バラク国防大臣は、イスラエルのテレビ局とのインタビュー(7月21日付)で、アサド政権がレバノンのヒズブッラーに高性能の地対空ミサイル、地対地ミサイル、化学兵器を供与する場合、イスラエルはシリアに軍事介入すると述べた。
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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリア社会を多様に代表するような暫定政府を早急に発足するため一致団結するようシリアの反体制勢力に呼びかけた。
AFP, July 21, 2012、Akhbar al-Sharq, July 21, 2012、al-Hayat, July 22, 2012、Kull-na Shurakaʼ, July 24, 2012、Naharnet.com, July 21, 2012、Reuters, July 21, 2012、SANA, July 21, 2012、SyriaSteps, July 22, 2012、al-Thawra, July 22, 2012などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
イドリブ県では、テレグラムの「…
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