『ハヤート』(10月29日付)は、駐英心臓外科医でアスマー・アフラス大統領夫人の父親ファウワーズ・アフラル氏やシリア人ビジネスマンらがシリアの首都ダマスカスでのワーク・ショップ開催を呼びかけ、これにより英シリア協会(BSS)内での意見対立が表面化していると伝えた。
BSS(http://www.britishsyriansociety.org/)は2003年に英国で発足し、英国人およびシリア人などから構成され、両国関係強化などをめざしてきた団体。
『ハヤート』によると、10月30、31日の2日の予定でダマスカスで「シリアの現状」について意見を交換するためのワークショップ開催の招待状が数週間前にBSSのメンバーに送付されてきたという。
招待状には、「すべての戦争にはさまざまな視点を持つ当事者がおり、真実こそが戦争のなかでの第1の被害者である」としたうえで、「人道危機、経済状況、将来の安定の可能性…、シリアとの外交関係、外交的対話の可能性、シリア紛争解決の可能性」について検討すると記されているという。
また、トルコ、中国のイニシアチブのもとに和解プロセスについて議論を行い、シリアの高官、宗教関係者、ビジネスマン、軍人らとの面談の機会を設け、「複雑な危機へのよりよい理解」をめざすとされているという。
しかし、このワークショップをめぐって、一部の英国人およびシリア人メンバーは、「シリア政府が政治的対話を拒否し、民間人数十万人を包囲している」なか、開催は不適切と拒否する一方、別のメンバーは、英国がロシアに対して「過激」な姿勢をとる国の一つで、「英国による軍事的挑発」がシリアをはじめとする世界各地で行っているとして、消極的な姿勢を示しているという。
しかし、アフラス氏、技師のウマル・タクラー氏、ビジネスマンのナージー・シャーウィー氏らは「シリアの現体制がいかなる行為や違反を行っていようが、同体制とのやりとりする形式について検討することが現実的」と考え、ワークショップ開催に積極的だという。
AFP, October 28, 2016、AP, October 28, 2016、ARA News, October 28, 2016、Champress, October 28, 2016、al-Hayat, October 29, 2016、Iraqi News, October 28, 2016、Kull-na Shuraka’, October 28, 2016、al-Mada Press, October 28, 2016、Naharnet, October 28, 2016、NNA, October 28, 2016、Reuters, October 28, 2016、SANA, October 28, 2016、UPI, October 28, 2016などをもとに作成。
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