シリア軍は反体制武装集団支配下のアレッポ市旧市街を完全制圧(2016年12月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南東部で籠城を続ける反体制武装集団がアレッポ城南部に拡がる旧市街から撤退し、シリア軍が同地を制圧した。

シリア軍と親政権武装勢力はアレッポ城南西部に位置するバーブ・ナイラブ地区一帯、サーリヒーン地区一帯、マルジャ地区一帯、マアーディー地区一帯で反体制武装集団と激しく交戦し、バーブ・ナイラブ地区、マアーディー地区のほとんどを制圧した。

SANA(12月7日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに新たに制圧したのは、バーブ・ナイラブ地、ジュッブ・クッバ地区、ジャディーダ地区、ファラーフィラ地区、アクユール地区、カスタル・ハラーミー地区、バイト・カンナース地区、サーリヒーン地区、バーブ・ハディード地区、ジャーッダト・ハダンク地区、ハミーディーヤ地区、カーディー・アスカル地区、マシャーティーヤ地区、カルム・ジャバル地区、ヌールッディーン・ザンキー通り、バーブ・ナスル通り、裁判所一帯。

Southfront.org, December 7, 2016

またSANA(12月7日付)によると、アレッポ市南東部で籠城を続ける反体制武装集団が、シリア政府支配下のアレッポ市マイサルーン地区、マシャーリカ地区、マールティーニー地区、アアザミーヤ地区、イザーア地区を砲撃し、12人が死亡、数十人が負傷したという。

SANA, December 7, 2016

シリア人権監視団によると、シリア軍はこのほかにも、アレッポ市南東部の北側のブスターン・カスル地区、ザバディーヤ地区に進軍し、反体制武装集団と交戦を続けた。

またARA News(12月7日付)によると、反体制武装集団支配下のアレッポ市南東部のカッラーサ地区、マアーディー地区、ザバディーヤ地区、マシュハド地区、カフル・カルミーン村に対して、シリア・ロシア軍が空爆・砲撃を加えた。

さらに、SANA(12月7日付)によると、シリア軍は、フィルドゥース地区、シャイフ・サイード地区に進軍を続け、反体制武装集団と交戦、同地一帯での戦闘を受け、反体制武装集団の支配地域にとどまっていた住民多数が避難し、シリア軍がこれを保護した。

なお、同監視団によると、11月半ばにシリア軍がアレッポ市東部への攻勢を強めて以降、反体制武装集団の支配地域にとどまっていた民間人(推計25万人)のうち8万人がシリア政府支配下に脱出したという。

SANA, December 7, 2016

またこの間の戦闘で、子供45人を含む369人がアレッポ市東部に対する空爆・砲撃で死亡、子供34人を含む92人がシリア政府支配下のアレッポ市西部で死亡したという。

一方、ロシア国防省は、反体制武装集団による数日前の砲撃で重傷を負っていたロシア軍士官(大佐)が死亡したと発表した。

AFP, December 7, 2016、AP, December 7, 2016、ARA News, December 7, 2016、Champress, December 7, 2016、al-Hayat, December 8, 2016、Iraqi News, December 7, 2016、Kull-na Shuraka’, December 7, 2016、al-Mada Press, December 7, 2016、Naharnet, December 7, 2016、NNA, December 7, 2016、Reuters, December 7, 2016、SANA, December 7, 2016、UPI, December 7, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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