パリで「シリアの友連絡グループ」会合:リヤド最高交渉委員会は「前提条件なし」でシリア政府との交渉再開に応じる(2016年12月10日)

「シリアの友連絡グループ」がフランスの首都パリで外相級会合を開催した。

会合に参加したのは、米国、フランス、ドイツ、英国、イタリア、サウジアラビア、カタール、UAE、ヨルダン、トルコ、EU。

会合には、リヤド最高交渉委員会代表のリヤード・ヒジャーブ元首相も出席した。

会合後のジョン・ケリー米国務長官、フランスのジャン=マルク・エロー外務大臣、ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー外務大臣、カタールのムハンマド・ビン・アブドゥッラフマーン・ビン・ジャースィム・アール・サーニー外務大臣が共同記者会見を行った。

このなかで、ケリー国務長官は、ジュネーブでの米国・ロシア専門家の会合で、ロシア側の善意が見られたものの結論を得なかったことを明らかにした。

またシリアの反体制派に対して、アレッポ市を救うためにはどうしたらよいのかを考えるべきだと呼びかける一方、シリア軍による無差別空爆を非難した。

フランスのエロー外務大臣は、国連安保理決議第2254号に従ったシリア政府と反体制派の交渉再開を主唱、リヤド最高交渉委員会が「前提条件なし」での対話再開の用意ができていることを確認したと述べ、これを支持した。

その一方、アレッポ市での戦闘については「テロ根絶ではなく、反体制派の殲滅を狙っており…、独裁支配を強化する」と非難した。

シュタインマイヤー外務大臣とムハンマド外務大臣は、アレッポ市東部住民に避難の余地を与えるようシリア政府、ロシア、イランに求める一方、「シャーム・ファトフ戦線戦闘員の存在はアレッポ市全土を荒廃させることを正当化し得ない」と述べた。

Kull-na Shuraka’, December 10, 2016

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米国とロシアの専門家が、アレッポ市東部からの反体制武装集団の退去などについて協議するためスイスの首都ジュネーブで会合を開いた。

AFP, December 10, 2016、AP, December 10, 2016、ARA News, December 10, 2016、Champress, December 10, 2016、al-Hayat, December 11, 2016、Iraqi News, December 10, 2016、Kull-na Shuraka’, December 10, 2016、al-Mada Press, December 10, 2016、Naharnet, December 10, 2016、NNA, December 10, 2016、Reuters, December 10, 2016、SANA, December 10, 2016、Sky News Arabic, December 10, 2016、TRT, December 10, 2016、UPI, December 10, 2016などをもとに作成。

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