アレッポ県では、AFP(12月20日付)によると、反体制武装集団とその家族の退去作業が最終段階に入ったアレッポ市東部で、シリア軍が拡声器で、退去を希望する戦闘員と市民に退去を呼びかけた。
赤十字国際委員会の推計によると、12月15日以降、アレッポ市東部から約2万5,000人が、シリア政府の用意した旅客バスで同地から退去し、アル=カーイダ系組織シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の支配地域(アレッポ県西部、イドリブ県)に移送されたという。
また、同委員会がAFP(12月20日付)に明らかにしたところによると、アレッポ市東部には、数千人が退去を希望し、待機しているという。
一方、『ハヤート』(12月22日付)によると、アレッポ市東部からの反体制武装集団戦闘員とその家族の退去作業が悪天候により中止された。
アレッポ市一帯を襲った寒波と降雪で、予定されていた旅客バス60輌の東部への進入が見送られたのが中断の理由。
しかし、SANA(12月20日付)は、反体制武装集団内の対立や旅客バスの受け入れ阻止などで、アレッポ市東部(ザバディーヤ地区、マシュハド地区、サラーフッディーン地区、アンサーリー地区)からの反体制武装集団戦闘員およびその家族の退去作業の最終段階に遅れが生じていると報じた。
20日は、イドリブ県フーア市、カファルヤー町から旅客バス8輌が負傷者・重篤患者らを搬送するとともに、アレッポ市東部から62輌のバスが戦闘員とその家族を移送する予定だったが、フーア市、カファルヤー町からの搬送が妨害を受け、アレッポ市東部の退去プロセスにも遅れが出たという。
また19日に引き続き、アレッポ市東部から反体制武装集団戦闘員とともに旅客バスでアレッポ県西部・イドリブ県方面に移送されようとしていた住民数十人(複数世帯)が、アレッポ市南西部のラームーサ橋(ラームーサ地区)一帯に展開するシリア軍拠点の近くで、バスから脱出し、シリア軍に保護された。
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一方、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ツイッターの自身のアカウントで、3万7,500人が退去したと発表、20日中に退去作業が完了するとの見通しを示した。
また、アナトリア通信(12月20日付)によると、トルコ政府は声明で、これまでにアレッポ市東部を退去した負傷者148人(うち子供58人)のハタイ県内に移送され、64人が県内の病院に入院、また13人が治療を終え退院、8人が治療の甲斐もなく死亡したと発表した。
AFP, December 20, 2016、AP, December 20, 2016、ARA News, December 20, 2016、Champress, December 20, 2016、al-Hayat, December 21, 2016、December 22, 2016、Iraqi News, December 20, 2016、Kull-na Shuraka’, December 20, 2016、al-Mada Press, December 20, 2016、Naharnet, December 20, 2016、NNA, December 20, 2016、Reuters, December 20, 2016、SANA, December 20, 2016、UPI, December 20, 2016などをもとに作成。
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