シリア軍は反体制武装集団が汚染物質を流し込んだとされるアイン・フィージャ町(ダマスカス郊外県)の水道施設一帯への攻撃を激化(2016年12月24日)

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(12月25日付)などが複数の消息筋の話として伝えたところによる、アイン・フィージャ町一帯で活動する反体制武装集団が23日、同地にある水道施設で燃料(灯油)などの汚染物質を水道に流し込み、当局が首都ダマスカスの水源である同施設の稼働を停止した。

断水は、上水と水道施設の洗浄のためだという。

ARA News, December 24, 2016

しかし、クッルナー・シュラカー(12月24日付)は、シリア軍ヘリコプターによる「樽爆弾」での空爆や地上部隊による砲撃でアイン・フィージャ町の水道施設に灯油が流れ込み、稼働が停止されたと伝えた。

また、シリア人権監視団によると、反体制武装集団は、汚染物質を流し込んだとの情報を否定し、シリア軍による同地一帯への軍事作戦を正当化するための口実として当局がデマを発信していると主張しているという。

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シリア人権監視団によると、シリア軍が24日、「樽爆弾」、迫撃砲などでアイン・フィージャ町一帯を激しく攻撃、ジハード主義武装集団を含む反体制武装集団と交戦した。

クッルナー・シュラカー(12月24日付)によると、攻撃を行ったのは、共和国護衛隊とヒズブッラー戦闘員。

戦闘は、アイン・フィージャ町、バスィーマ町、カフィール・ザイト村、ダイル・ムクリン町などバラダー渓谷一帯で行われ、女性1人を含む9人が死亡したという。

ARA News(12月24日付)によると、反体制武装集団はこの戦闘でシリア軍ヘリコプター1機を撃墜したと発表した。

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一方、クッルナー・シュラカー(12月24日付)によると、ダマスカス郊外県マイダアーニー村一帯でも反体制武装集団がシリア軍と交戦した。

AFP, December 24, 2016、AP, December 24, 2016、ARA News, December 24, 2016、Champress, December 24, 2016、al-Hayat, December 25, 2016、Iraqi News, December 24, 2016、Kull-na Shuraka’, December 24, 2016、al-Mada Press, December 24, 2016、Naharnet, December 24, 2016、NNA, December 24, 2016、Reuters, December 24, 2016、SANA, December 24, 2016、UPI, December 24, 2016などをもとに作成。

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