シリア人権ネットワークは、2016年の1年間で、シリア軍とロシア軍による攻撃で死亡した民間人の数が1万6,913人にのぼったとする統計データ(http://sn4hr.org/blog/2017/01/01/30737/)を発表した。
同データによると、内訳は以下の通り:
シリア軍の攻撃・拷問により死亡した民間人:8,736人、うち子供は1,984人、女性は1,237人。た拷問で殺害された民間人は447人(うち子供2人、女性7人)。
ロシア軍と思われる空爆で犠牲となった民間人:3,967人、うち子供は1,042人、女性は684人。
西クルディスタン移行期民政局の攻撃・拷問で死亡した民間人:146人、うち子供は24人、女性は23人。また拷問で死亡した民間人は6人。
ダーイシュ(イスラーム国)の攻撃・拷問で死亡した民間人:1,510人、うち子供は258人、女性は213人。また拷問で死亡した民間人は8人。
シャーム・ファトフ戦線の攻撃・拷問で死亡した民間人:18人、うち女性1人。また拷問で死亡した民間人は4人。
反体制武装集団の攻撃・拷問で死亡した民間人:1,048人、うち子供289人、女性210人。また拷問で死亡した民間人は10人。
有志連合の空爆で死亡した民間人:951人、うち子供168人、女性96人。
シリア人権ネットワークは「反体制武装集団の犠牲者は、その多くが市街地ではなく戦場で死亡したために集計が困難である。また、氏名、写真などの詳細は反体制武装集団がこうした情報の公開を好まないゆえに入手できなかった」と記載し、反体制派側の犠牲者の数が正確ではないことを認めている。
また、「シリア政府軍、ダーイシュ側の犠牲者についての情報へのアクセスはほとんど不可能である」と述べ、死者数から、シリア軍およびシリア政府支配地域での犠牲者を除外していることも明言している。
なお、シリア人権ネットワークとは別に死者数の推移を随時発表しているシリア人権監視団のデータでは、2016年2月23日の死者総数は27万1,138人、同年9月12日は30万1,781人で、その差は3万643人。
このうち7,586人が民間人、3,964人がシリア軍兵士、3,598人が親政権民兵。
AFP, January 2, 2017、AP, January 2, 2017、ARA News, January 2, 2017、Champress, January 2, 2017、al-Hayat, January 3, 2017、Iraqi News, January 2, 2017、Kull-na Shuraka’, January 2, 2017、al-Mada Press, January 2, 2017、Naharnet, January 2, 2017、NNA, January 2, 2017、Reuters, January 2, 2017、SANA, January 2, 2017、UPI, January 2, 2017などをもとに作成。
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