アカデミー賞受賞式への出席を計画していたホワイト・ヘルメット幹部が「不名誉情報」を理由に米国への入国を拒否される(2017年2月25日)

AP(2月25日付)は、米国土安全保障省が、ホワイト・ヘルメット(民間防衛隊)幹部の一人で映画カメラマンのハーリド・ハティーブ氏の米国への入国を禁止する決定を下したと伝えた。

トルコのイスタンブールを拠点に活動しているハティーブ氏は、Netflixが制作したドキュメンタリー「ホワイト・ヘルメット:シリアの民間防衛隊」(https://www.netflix.com/jp/title/80101827)はアカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされたことを受け、ホワイト・ヘルメットの代表を務めるラーイド・サーリフ氏とともに、ロサンジェルスで26日に開幕する米アカデミー賞授賞式に出席するために訪米を計画、すでに入国ビザを取得し、トルコ航空を利用し、イスタンブールを発とうとしていた。

だが、ハティーブ氏によると、「不名誉情報」(derogatory information)を米高官が見つけ、渡航は中止となった。

「不名誉情報」とは、テロ関与からパスポート不正にいたるさまざま不備を意味する言葉で、米国土安全保障省の報道官は、ハティーブ氏の渡航中止に関して「渡米には有効な渡航文書が必要」と述べた。

その後、ハティーブ氏はツイッターの自身のアカウントを通じて、「仕事が集中しており、オスカーに出席するために渡航はしない。我々のプライオリティは国民を助けることだ」と綴り、米国当局による入国拒否が訪米中止の理由ではないと主張した。

ハティーブ氏はまた、AFP(2月25日付)の電話取材に対して、「火曜日(28日)に出発する予定だったが、爆撃によって仕事が山積している…。ホワイト・ヘルメットを題材とした新たな映画を制作するために働いている。2週間でその準備はできるだろう」と述べた。

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一方、ホワイト・ヘルメットの代表を務めるラーイド・サーリフ氏もAFP(2月25日付)の電話取材に応じ、そのなかで米アカデミー賞授賞式に出席するために予定していた訪米を中止したと述べた。

中止の理由に関して、サーリフ氏は「ダマスカス、ダルアー、ヒムスの街区に対する政権の攻撃が強化され、我々の仕事量が増えているため行かない…。救出活動のやりくり、救急車輌の手配など、現地ではやらねばならないことが多くある」と述べた。

Newsweek

 

AFP, February 25, 2017、AP, February 25, 2017、ARA News, February 25, 2017、Champress, February 25, 2017、al-Hayat, February 26, 2017、Iraqi News, February 25, 2017、Kull-na Shuraka’, February 25, 2017、al-Mada Press, February 25, 2017、Naharnet, February 25, 2017、NNA, February 25, 2017、Reuters, February 25, 2017、SANA, February 25, 2017、UPI, February 25, 2017などをもとに作成。

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