米CIAは「穏健な反体制派」に統合しなければ軍事・資金援助を停止すると最後通告、一部武装集団は米国を見限り、トルコ軍が支援するハワール・キリス作戦司令室に合流(2017年2月27日)

『ハヤート』(2月27日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、シリア北部で活動する「穏健な反体制派」諸派が、トルコ軍の全面支援を受けて「ユーフラテスの盾」作戦を続行する反体制武装集団(ハワール・キリス作戦司令室)に合流することを決断したと伝えた。

この決断は、米CIAが、反体制武装集団が統合しない限りは軍事・資金援助を停止することを決定したのを受けた動きだという。

反体制武装集団の司令官2人が『ハヤート』に明らかにしたところによると、トルコ南部で先週、CIAなど反対西部祖集団を支援する各国諜報機関の代表が参加するかたちで「軍事作戦司令室」幹部会合が開催された。

この会合には、CIAが軍事・資金援助してきた武装集団の司令官が出席していたが、彼らは、反体制派が統合しない限り、支援は中断される旨通告され、2週間の猶予を与えられたという。

会合に参加したのは、ハマー県で活動するナスル軍、イッザ軍、中部師団、ラタキア県の沿岸地方で活動する二個師団、イドリブ県で活動するイドリブ自由軍、自由旅団、そしてシャーム軍団、ムジャーヒディーン軍、「命じられるまま正しく進め」連合、シャーム戦線で、その兵力は2万5,000人に達するという。

CIAからの支援中止の通達を受け、一部の武装集団は会場をあとにし、残った武装集団は統合に向けた協議を継続したが、今のところ協議に具体的な進展は見られていないという。

またCIAの支援通達と前後して、米国製のTOW対戦車ミサイルの供与も停止したという。

会合に参加した武装集団のうち、「命じられるまま正しく進め」連合、イスラーム軍、シャームの鷹旅団、イドリブ自由軍は、米国を見限って、「ユーフラテスの盾」作戦を続行するハワール・キリス作戦司令室への合流を決定したという。

al-Hayat, February 27, 2017をもとに作成。

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