アサド大統領は、シリアを訪問したロシアと欧州諸国の合同議員使節団(ロシア連邦議会下院のヴラジミール・ワスィーリエフ副議長が団長)と首都ダマスカスで会談した。
会談では、シリア情勢の進捗について意見を交わし、アサド大統領は、現下の紛争に関して、国際法を遵守するロシア、中国などと、テロ組織支援と内政干渉を通じて国際法に違反する諸外国の紛争だとしたうえで、「テロとの戦い」と政治的対話を通じて事態収拾をめざすとの意思を示した。
また、ロシアと欧州諸国の合同議員使節団のシリア訪問が、欧州諸国の対シリア政策の見直しの機会になることに期待を寄せた。
使節団はまた、ハディヤ・アッバース人民議会議長とも個別に会談した。
SANA(3月20日付)が伝えた。
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アサド大統領は、ロシア・欧州諸国議員合同使節団との会談後、同行した記者団のインタビューに応じた。
インタビューは英語で行われ、その映像は大統領府がSANA(3月20日付)を通じて配信した(https://www.youtube.com/watch?v=ed5xaOePux0&feature=youtu.be)。
またインタビューの英語全文(http://sana.sy/en/?p=102574)はSANAが配信した。
インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:
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「国連シリア代表のジャアファリー氏が発表した通り、我々はロシアの(新憲法起草に向けた)イニシアチブを支持するし、それ以外のイニシアチブも支持しており、現在ロシア側と詳細について議論している。問題は…武装集団の代表団がその会合(アスタナ3会議)に出席しなかったことだ。我々みなが、トルコの消極的な影響力行使があったと信じている。相手がいないでどのように具体的なことを始めることができるというのか?」
「シリア国内でシリア政府の同意を得ていないいかなる軍事作戦も…侵略だ。ラッカを解放するためのものであれ、他の場所を解放するためのものであってもだ。また、我々はみな(米主導の)有志連合がダーイシュやテロリストと真剣に戦ってこなかったことを知っている。だから、ラッカ解放の計画があるという場合において、我々はその意図を考えなければならない。誰から解放して…誰にそれを与えるか、ということをだ。それはシリア政府を助けるためでもなければ、シリアの統一、主権をめざすものでもなく、何か別の要因に基づいているはずだ」。
「テロリストを打ち負かすために、ロシア・シリア両国の高官・軍幹部がさらなる支援を必要としていると感じているはずだ」。
「我々は(再解放された)パルミラ遺跡群の破壊状況を再評価し、何ができるかを把握しなければならない。しかし、私は、それはシリアとロシアだけでなく、UNESCOなどの機関、国々の問題でもあると思う」。
(イスラエル軍による度重なる越境空爆に関して)「国境防衛は我々の権利であり、義務だ。それができるのにしなければ、我々はシリア国民によって非難されるべきだ…。私はこの点に関してロシアが重要な役割を果たすことができると考えている。ロシアの政策は国際法、国連憲章、安保理決議に基づいている。それゆえにロシアはイスラエル側とこの基準に基づいて協議でき、イスラエルが今後再びシリアを攻撃しないようにするために役割を果たすことができると考えている」。
「米国の政策はさまざまな基準に基づいていて、ダウル・スタンダードどころではない。米国の政策は価値観や国際法ではなく…、自分たちの見解、利害、そして米国内のさまざまなロビーや勢力のバランスに基づいている…。ホワイト・ヘルメットはアル=カーイダだ」。
AFP, March 20, 2017、AP, March 20, 2017、ARA News, March 20, 2017、Champress, March 20, 2017、al-Hayat, March 21, 2017、Iraqi News, March 20, 2017、Kull-na Shuraka’, March 20, 2017、al-Mada Press, March 20, 2017、Naharnet, March 20, 2017、NNA, March 20, 2017、Reuters, March 20, 2017、SANA, March 20, 2017、UPI, March 20, 2017などをもとに作成。
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