『ハヤート』(4月1日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、米CIAが統括する「軍事作戦司令室」(通称MOC)は、国内で活動するすべての「穏健な反体制派」に対して、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)との戦闘に向けて完全統合するよう指示を下したと伝えた。
それ以外の反体制武装集団(イスラーム過激派のこと)も、トルコ政府からトルコでの憲法改正にかかる国民投票後に、「ユーフラテスの盾」作戦に推した作戦に向けた準備を行うよう指示があったという。
CIAが統括する作戦司令室「MOC」は、トルコ南部を拠点としており、その司令官が『ハヤート』に明らかにしたところによると、米国の軍事兵站資金援助の対象組織の各司令官に対して、シリア・ムスリム同胞団系のイスラーム過激派武装組織シャーム軍団のファドルッラー・ハーッジー大佐の指揮の下、完全統合するよう指示があり、またその見返りとして、戦闘員への給与支払い、そしてTOW対戦車ミサイルなどの武器供与を行う旨伝えたという。
統合要請を受けたのは、アレッポ県、ハマー県、ラタキア県、イドリブ県一帯で活動するナスル軍、イッザ軍、イドリブ自由軍、ムジャーヒィーン軍、「命じられるまま正しく進め」連合を含む7組織で、兵力は3万人から3万5,000人に達しているという。
しかし、このうちナスル軍、イッザ軍、イドリブ自由軍は、ハマー県北部でシャーム解放機構と共闘している。
アル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線(現シャーム解放機構)とシャーム自由人イスラーム運動が反体制武装集団の糾合を主導するなか、ドナルド・トランプ政権は、反体制武装集団が完全統合、ないしは合同作戦司令室を設置するまえで支援を凍結する方針をとってきた。
米国の方針の成否は、シャーム解放機構に対抗するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動の対応にかかっているとされ、米国は同組織にも「穏健な反体制派」と完全統合するよう求め、シャーム解放機構とシャーム自由人イスラーム運動を軸とするイスラーム過激派の軍事連合組織のファトフ軍の解体を促すものと見られる。
AFP, March 31, 2017、AP, March 31, 2017、ARA News, March 31, 2017、Champress, March 31, 2017、al-Hayat, April 1, 2017、Iraqi News, March 31, 2017、Kull-na Shuraka’, March 31, 2017、al-Mada Press, March 31, 2017、Naharnet, March 31, 2017、NNA, March 31, 2017、Reuters, March 31, 2017、SANA, March 31, 2017、UPI, March 31, 2017などをもとに作成。
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