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シリア国民評議会など反体制組織がハウラでの虐殺に抗議するためのゼネストを呼びかけなかったが、国内で大規模なデモが発生したとの発表、情報は(今のところ)ない。
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ダイル・ザウル県では、ロバート・ムードUNSMIS司令官が発表したところによると、ダイル・ザウル市郊外のスッカル地方で29日に13体の遺体を発見した、と発表した。
発表によると、遺体は後ろ手で縛られ、一部の遺体は頭を近距離から銃で撃たれた跡があった。
ムード司令官は「大いなる憤りを感じる」と述べ、「すべての当事者にシリアとシリア国民のために自制し、暴力継続を停止するよう」呼びかけ、アナン特使がアサド政権に暴力停止のための「大胆な措置」をとることを求めるよう訴えるとともに、「影響力のある国々に、政府とそのほかのすべての当事者にあらゆる暴力を停止する必要があることを説得するよう」求めた。
一方、SANA(5月30日付)によると、武装テロ集団がアブー・フマーム地方・ガラーニージュ地方間でユーフラテス石油社のパイプラインへの破壊工作を行った。
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ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サイイダ・ザイナブ町、クタイファ市で軍・治安部隊と反体制武装集団が激しく交戦した。
またドゥーマー市では激しい爆発音が聞こえ、5人が死亡したという。このほか、カダム区、ハジャル・アスワド市でも激しい爆発音・銃声が聞こえたという。
一方、ダーライヤー市でも、治安部隊の発砲で1人が死亡したという。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市で軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦し、前者の兵士多数、後者の戦闘員2人が死亡した。
またカルナーズ町ではカフルズィーター市での戦闘での犠牲者を悼むゼネストが行われたという。
一方、『アフバール』(5月30日付)は、ハマー県の治安当局がレバノンのアイン・フルワ・パレスチナ難民キャンプから脱走し、シリアに潜入したパレスチナ人イスラーム主義者2人を拘束した、と報じた。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で反体制武装集団の兵士1人が殺害された。
またハーリディーヤ地区で大きな爆発音や銃声が聞こえた。
クサイル市郊外の対レバノン国境近くにあるサカルジャ村とブルハーニーヤ村では、軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦した。
また同監視団は、ハウラ地方のタッルドゥー市に対して迫撃砲が撃ち込まれ、複数の黒煙が上がったと発表した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マガーラ村周辺で軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦し、双方に多数の死者がでた。また軍・治安部隊はファルキヤー村、ダイル・サンバル村などを砲撃した。
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レバノンの『ビナー』(5月30日付)は、ハウラでの虐殺に対する初動調査で判明したとされる容疑者複数名の名前をリークした。
同報道によると、容疑者(テロリスト)は以下の通り:ラドワーン・ファルハーン・サイード、マシュフール・マスウード、アブドゥルカリーム・ラヒール、アクラム・ラッシャーシュ・アーミル、ムフイーッディーン・マフムード・シハーブ、およびアクシュ家のテロリスト。
シリア外務省はオランダの常駐代表に対して72時間以内に国外に退去するよう伝えた。
ただしオランダは2月7日に駐シリア大使を本国に召還し、大使館も3月20日に閉鎖している。
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『バアス』(5月30日付)は、社説で、西側諸国によるシリア大使、外交官の国外退去処分に関して、アナン特使のイニシアチブを挫折させようとする動きと非難した。
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ヨルダンの週刊誌『マジド』(5月30日付)は、アースィフ・シャウカト副参謀長(中将)暗殺に関する反体制勢力の主張や一部メディアの報道が事実無根だと報じた。
自由シリア軍国内合同司令部報道官のカースィム・サアドッディーン大佐はユーチューブ(3月30日付)を通じて声明を出し、アサド政権に対して国連決議遵守までに48時間の猶予(シリア人間6月1日12:00)を与える、との最後通告を行い、この呼びかけに応じなければ、「アナン特使の停戦案を自らに課すことなく、民間人…防衛のための道徳的義務を行使する」と発表した。
またサアドッディーン大佐はAFP(5月30日付)に対して、アサド政権にはもはや「力以外に利用できるものがない」としたうえで、「政府が行う虐殺と過剰な暴力の行使は、政権が終わりに近づいていることを示している」と述べた。
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シリア国民評議会は声明を出し、シリア軍・治安部隊によるレバノン領内への越境攻撃を非難するとともに、国連に対してシリア人避難民の保護を求めた。
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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、西側諸国によるシリア大使、外交官の国外退去処分に関して、「正しい方向への重要なステップ」と支持を表明した。
「レバノンの声」ラジオ(5月30日付)によると、シリア軍は北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方でレバノン人2人を捕捉した。
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在レバノン・トルコ大使はナビーフ・ビッリー国民議会議長、ナジーブ・ミーカーティー首相、ヒズブッラーのムハンマド・ラアド議員と相次いで会談し、アレッポで誘拐されたレバノン人巡礼者釈放にトルコが全力を尽くしているとのアフメト・ダウトオール外務大臣のメッセージを伝えた。
国連安保理ではシリア情勢に関する会合が行われた。
スーザン・ライス米国連大使は会合後、「我々には三つの選択肢しかない。ダマスカスがただちに停戦案を遵守し、同停戦案、国連安保理決議第2042、2043号を実施するか。安保理が責任を負い、シリア政府に追加の圧力や制裁を科すか。安保理やアナン特使の和平案の枠組みの外で行動するか、である」と述べた。
ただし、ライス米国連大使は、第3の選択肢に関して、地域全体で暴力が拡散・エスカレートし、他の国々を巻き込み、シリアを含む地域全体で宗派的暴力が激化することを受けて行われるべきものだ、との慎重な姿勢も示した。
しかし、「反体制勢力は政府が暴力を止めない限り、そしてそのことに関してウソをつくことをやめない限り、(交渉の)テーブルにつくことができない」と述べ、シリア政府によるアナン特使の停戦案の遵守を「政治プロセスに向かって路線を戻す最短の方法だ。しかしそれは今のところ存在しないかのようである」と述べた。
そのうえで、安保理各国に対して、シリア政府への圧力を強めるよう主張、ロシア、中国の同調を暗に求めた。
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SANA(5月30日付)によると、シリアのバッシャール・ジャアファリー国連大使は国連安保理の会合で、アナン特使の停戦案の実施には「暴力を助長し、武装テロ集団に武器を密輸し、資金とシリア国外での拠点を提供するすべての当事者の政治的意思が必要」だと述べた。
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ジャン・マリー・ゲエノ(Jean-Marie Guehenno)シリア危機担当国連・アラブ連盟合同副特使は、安保理会合にジュネーブから参加し、アナン特使のメッセージを伝えた。
同メッセージは「シリアの危機は政治的解決と政治プロセスへの参加なしには終わらない」としたうえで、「安保理はアナン特使の停戦案を、支援宣言だけでなく、それを実行可能とするような完全な戦略を通じて支持することができる」と強調、「平和的な未来を実現する方法をめぐるイニシアチブ発揮、行動、政治的ビジョンの提示」を求めた。
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アナン特使はヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣と会談した。
ヨルダン外務省が発表した声明によると、アナン特使は会談で、暴力を停止させる方法を案出するため、関係する国や当事者とのさらなる協力や努力を行うとの意思を示した。
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国連人権理事会報道官は声明を出し、カタール、トルコ、サウジアラビア、クウェート、デンマーク、米国、EUがシリア情勢に関する会合の開催の提案(21カ国が支持)を受け、31日に会合を開催すると発表した。
ロシアと中国はこの提案に参加していない。
日本の外務省は、ムハンマド・ガッサーン・ハバシュ在東京シリア大使に対して「できるだけ早い時期に」国外に退去するよう伝えた。
しかし、玄葉光一郎外務大臣は、シリアとの外交関係を継続すると述べた。
またムハンマド・ガッサーン・ハバシュ在東京シリア大使は5月23日に2012年政令第156号(5月23日)にて大使職を解かれ、出向元である経済通商省に異動となっていた。
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トルコ外務省は、常駐代表を含む外交官に72時間以内に国外退去するよう伝えた。
ただし追放される外交官のなかにはイスタンブールのシリア領事館のスタッフは含まれていない。
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ロシアの大統領報道官は、6月1日のウラジーミル・プーチン大統領の訪仏・独によって、ロシアの対シリア政策が変化することはないだろう、と述べた。
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中国外交部報道官は、シリア情勢に関して、中国が軍事介入に反対する意思を改めて表明した。
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イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領はフランス24(5月30日付)に対して、ハウラでの虐殺への非難の意を示し、責任者の処罰を求める一方、アサド政権が関与しているとは思えないと述べた。
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スペイン外務省報道官は、シリアへの軍事介入を示唆した仏大統領の発言に関して、「安保理でのコンセンサスを必要とする」との慎重な見方を示した。
また「反体制勢力への武器供与が実質的に困難で…、そのことが、アサド政権に反体制勢力への新た虐殺の青信号となってしまう」との懸念を示した。
さらに反体制勢力への武器供与や飛行禁止空域の設定に関しては、アサド政権がリビア軍より「数段協力」な軍と防衛システムを持っているため、困難だとの見方を示した。
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ドイツ外務省報道官は、「ドイツ政府にとって、シリア情勢に関する軍事的選択肢に言及する理由はない…。国連とアラブ連盟の仲介が最善の選択肢だ」と述べ、軍事介入を否定した。
しかしギド・ウェスターウェレ外務大臣は、「アサドがいてはシリアに未来はない。平和的変革をもたらすために彼は去らねばならない」と述べた。
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ルクセンブルグの外務大臣は、『シュピーゲル』(5月30日付)で、シリアへの軍事干渉に関して、「数万人がさらに死亡するだろう」と述べ、消極的な姿勢を示した。
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オーストリアの外務大臣は、シリア情勢をめぐる「軍事的選択肢への参加には反対する」と述べた。
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米財務省は声明を出し、米国がカタールとともにシリア・イスラーム国際銀行の資産を凍結すると発表した。
同銀行は、ラーミー・マフルーフ氏やカタールの投資家が株を保有している。
一方、デニス・マクドノー米国家安全保障会議(NSC)首席補佐官は訪問先のカタールで、アサド政権の崩壊は「イランの戦略に大きな障害をもたらすだろう…。アサド政権は信頼を失った…。ロシアにとって同政権と関係を保つことは国益にならない」と述べた。
AFP, May 30, 2012、al-Akhbar, May 30, 2012、Akhbar al-Sharq, May 30, 2012、al-Binaʼ, May 30, 2012、al-Ba’th, May 30, 2012、al-Hayat, May 30, 2012、May 31, 2012、Kull-na Shuraka’, May 30, 2012, May 31, 2012、al-Majid, May 30, 2012、Naharnet.com, May 30, 2012、Reuters, May 30, 2012、SANA, May
30, 2012などをもとに作成。
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