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反体制活動家によると、各地で金曜礼拝後に反体制デモが発生した。
インターネット上では、地元調整諸委員会、シャーム・ニューズ・ネットワークなどが「ダマスカスよ我々の約束のときは近い」金曜日と銘打ってデモが呼びかけられていた。
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ハマー県では、シリア革命総合委員会によると、17人が早朝、軍・治安部隊の発砲で死亡した、という。
シリア人権監視団によると、ハマー市のサーブーニーヤ地区で治安部隊が未明、市民1人を殺害した。
またシャイザル町では青年2人を含む4人が殺害された。
さらにガーブ平原では軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦した。
UPI(5月25日付)によると、武装集団がハマー市校外の学校の校長を誘拐した。
一方、SANA(5月25日付)によると、ハマー市スーク・タウィールで、武装テロ集団によって殺害された一家3人の遺体が発見された。
またムハルダ市郊外のシャイザル町でも武装テロ集団が殺害した市民4人の遺体が発見された。
さらにサラミーヤ地方カッブ・ハート村では武装テロ集団の発砲で市民7人が殺害された。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市マルアブ地区で金曜礼拝後に反体制デモが発生したが、治安部隊が発砲し、強制排除した。
またヒムス市郊外のハウラ地方でも金曜礼拝後に反体制デモが発生した。
一方、地元調整諸委員会によると、クサイル市周辺の村々に軍・治安部隊が砲撃を加え、1人が死亡した。
他方、SANA(5月25日付)によると、クサイル地方ラブラ市で武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民6人が死亡した。
またヒムス市ハミーディーヤ地区では武装テロ集団の発砲で女性1人が死亡した。
さらにハウラ地方のタッルドゥー市では武装テロ集団と治安維持部隊が交戦し、テロリストと治安維持部隊兵士双方が死傷した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のサラーフッディーン地区、ブスターン・カスル地区などで発生したデモに対して治安部隊が発砲し、複数が負傷した。
またマアッル・シューリーン村では、軍・治安部隊と離反兵が交戦した。
一方、SANA(5月25日付)によると、アレッポ市で武装テロ集団がブスターン・カスル地区で無差別に発砲し、子供2人が殺害された。
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ダマスカス県では、地元調整諸委員会によると、ナフル・イーシャ地区で人々がタイヤなどを燃やし、反体制デモを行った。
またシリア人権監視団によると、県内各所で反体制デモが発生した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サビーナ市など各地で反体制デモが発生した。
UPI(5月25日付)によると、武装集団がザバダーニー市やハーンマ市の学校を襲撃し、13歳の子供を負傷させた。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、各地で金曜礼拝後に反体制デモが発生した。
UPI(5月25日付)によると、武装集団がサフワ村の中学校を襲撃、焼き討ちにし、またラジャート村の教師を誘拐した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市クルド人地区の武装集団に対して、軍・治安部隊がヘリコプターで攻撃し、多数の負傷者が出た、という。
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シリア人権ネットワークによると、シリア人2人がダルアー県とクナイトラ県で治安部隊の発砲により死亡した。
シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、米国の制裁によって米国内にある国連シリア政府代表部(のスタッフ)の銀行口座が閉鎖され、新口座を開設できない、と国連の関係部局に対して抗議した。
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『ハアレツ』(5月25日付)は、アースィフ・シャウカト副参謀長(中将)らシリア政府・軍高官複数が毒殺未遂にあっていたと報じた。
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『クドス・アラビー』(5月25日付)によると、バアス党シリア地域指導部のムハンマド・サイード・バヒーターン副書記長は、自身が暗殺されたとの一部報道を否定した。
「自由シリア軍国内合同司令部」を名のる組織が発足声明、規則および組織を発表、「現状を踏まえ、民間人殺戮と都市を包囲する治安部隊に対して、シリア各地で例外なく、合法的手段で自らの目的を追求する」と武装闘争放棄とも思われる方針を発表した。
また同声明には、「シリア国民が選ぶであろう政府による文民国家建設、国民統合と領土保全の維持を支援する」との目標が示されている。
しかしこれらの文書の日付は3月29日になっている。
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シリア・ムスリム同胞団のファールーク・タイフール副監督者は『シャルク・アウワト』(5月25日付)に対して、シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長の辞任に関して、「ガルユーン氏は世界の指導者との広範なネットワークを保障する存在であり、その交代は現状において好ましくない」と述べた。
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『クッルナー・シュラカー』(5月25日付)は、シリア国民評議会元メンバーのジュワーン・ユースフ氏の話として、シリア・ムスリム同胞団の支配が評議会が抱える問題の根本にあると報じた。
同氏によると、シリア・ムスリム同胞団は世俗主義やリベラリズムの潮流を利用し自らの政治目標を実現しようとしており、評議会の失敗をブルハーン・ガルユーン事務局長に押しつけた、という。
またシリア・ムスリム同胞団は民主主義の原則を拒否しているという。
首相府は声明を出し、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣から午後、「シリア(アレッポ)で誘拐されたレバノン人(シーア派11人)が無事で、ベイルートへの帰路にある」との電話連絡を受けたと発表、彼らが釈放され、トルコ経由で帰国することを明らかにした。
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シリア解放党を名のる反体制組織のイブラーヒーム・ズウビー書記長は、アラビーヤ(5月25日付)に対して、レバノン人誘拐犯は「組織ではなく、いかなる勢力にも属していない」と述べ、自由シリア軍やイスラーム主義者の関与を否定した。
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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は解放記念日に合わせてテレビ演説を行い、そのなかでシリア国内の危機打開のために政治対話を支持すると改めて述べた。
国連の潘基文事務総長は国連安保理決議第2043号の実施状況に関する報告書で、「紛争の軍事化」を回避するため、すべての当事者、とりわけアサド政権に対してアナン特使の停戦案の履行を求めた。
また「シリアのすべての当事者への武器供与、軍事教練、ないしは軍事的支援を行う者は、暴力を恒久的に停止させるため、こうした選択肢を再検討しなければならない」と指摘した。
そのうえでアサド政権に対しては、「大多数の住民の人権が侵害されるなかで信頼できる政治的プロセスは始められない」とし、暴力停止を求めた。
UNSMISの展開に関しては、「監視団が展開する一部地域では暴力のレベルが低下しつつある」としながらも、現地では依然として暴力、混乱、人権侵害が続いており、「一部地域は反体制勢力の支配下」に置かれ、UNSMISはシリア政府と反体制勢力の双方から日々、停戦違反に関する報告を受けていることを明らかにした。
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国連の潘基文事務総長はCNN(5月25日付)に対して、シリア国内の紛争がレバノンに波及することに関して「この種の波及効果を非常に懸念している」と述べた。
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UAEのアブダビでシリアの友連絡グループ会合の政府高官レベル会議が24~25日に開かれ、会議を開催・主導したUAEとドイツは、シリア再建のために約60万ドルを供与することで合意した。
会議には約60カ国の高官と、シリア国民評議会執行委員会メンバーが出席した。
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AFP(5月25日付)によると、ドイツ外務省は駐シリア大使を本国に帰国させた。
AFP, May 25, 2012、Akhbar al-Sharq, May 25, 2012、Alarabia.net, May 25, 2012、CNN, May 25, 2012、Haaretz, May 25, 2012、al-Hayat, May 25, 2012、May 26, 2012、Kull-na Shuraka’, May 25, 2012、Naharnet.com,
May 25, 2012、al-Quds al-ʻArabi, May 25, 2012、Reuters, May 25, 2012、SANA, May 25, 2012、UPI, May 25, 2012などをもとに作成。
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