イタリア中部のルッカで10日夜に開幕したG7外相会合は、北朝鮮情勢、シリア情勢などについて協議し、11日に共同声明して閉会した。
共同声明では、北朝鮮に関して、核実験やミサイル発射実験を「もっとも強い表現」で非難し、挑発行為の自制と国連安全保障理事会決議の完全な順守を求めた。
また、シリア情勢に関しては、化学兵器使用に対して深刻な懸念を表明するとともに、「米軍の軍事行動は注意深く計算され、対象が限定されていた」として米国への支持を表明、ロシアに対しては、イランとともに化学兵器真摯条約の義務を順守させるとともに、紛争を終結させるため、シリア政府に影響力を行使するよう求めた。
その一方、「ロシアとの協力なくしては解決できない諸課題がある」と付言、ロシアとの関係悪化を回避しようとする意図が見え隠れした。
会合では、英国のボリス・ジョンソン外務大臣が、シリアのアサド政権への軍事支援を停止させるため、ロシアに追加制裁を科すことを提案したが、三カ国が合意にいたることはなかった。
一方、『ハヤート』(4月12日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)によると、レックス・ティラーソン米国務長官は会合で、12日のモスクワ訪問でロシア側に提示する「提案」を示し、各国に理解を求めたという。
この「提案」は、①対ロシア制裁の軽減とロシアのG7(G8)への復帰、②シリアでの完全な停戦を条件とする「テロとの戦い」での協力、③国家機関を維持したかたちで、アサド大統領の排除をもたらすような政治移行プロセスの立ち上げ、を骨子としているという。
三カ国との協議は、①ウクライナ情勢、クリミア情勢といかに連動させること、②ロシアが「提案」に応じない場合の追加制裁を科すこと、③アサド大統領の処遇、について意見が交わされたという。
このうち、アサド大統領の処遇については、移行プロセス開始前の退陣を条件づけず、「国家機関の衰退をもたらさないかたちでアサド大統領を排除する信頼できる移行プロセスを受け入れる」ことをロシア政府に求めようとしているという。
AFP, April 11, 2017、AP, April 11, 2017、ARA News, April 11, 2017、Champress, April 11, 2017、al-Hayat, April 12, 2017、Iraqi News, April 11, 2017、Kull-na Shuraka’, April 11, 2017、al-Mada Press, April 11, 2017、Naharnet, April 11, 2017、NNA, April 11, 2017、Reuters, April 11, 2017、SANA, April 11, 2017、UPI, April 11, 2017などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ナハールネット(11月21日付…
イドリブ県では、テレグラムの「…