「アラブの春」の中心地の一つダマスカス郊外県ザバダーニー市から反体制武装集団が完全退去し、シリア政府支配下に復帰(2017年4月19日)

SANA(4月19日付)がシリア赤新月社の複数の消息筋の話として伝えたによると、カタールの仲介によるファトフ軍とイラン・イスラーム革命防衛隊・ヒズブッラーの停戦合意に従い、フーア市およびカファルヤー町で包囲を受けてきた住民約3,000人を載せた旅客バス45台が、同地を出発し、シリア政府支配下のアレッポ市ラーシディーン地区に到着した。

停戦合意に基づくフーア市、カファルヤー町からの住民の退去はこれが2回目。

シリア人権監視団によると、この3,000人のなかには親政権武装集団の戦闘員約700人も含まれていたという(ドゥラル・シャーミーヤ(4月19日付)によると、700人はヒズブッラー・メンバー、国防隊隊員だという)。

SANA, April 19, 2017

また、SANAによると、14日にフーア市、カファルヤー町の住民を乗せていた旅客バスの車列を狙って行われた自爆テロによって、シリア政府支配下のアレッポ市内に退去できずにいた住民131人(うち負傷者37人)の移送作業も完了、アレッポ市ラーシディーン地区に到着した。

SANA, April 19, 2017

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フーア市、カファルヤー町の住民移送作業と並行して、ダマスカス郊外県ザバダーニー市で籠城を続けてきた反体制武装集団は旅客バス11台に分乗し、イドリブ県に向かった。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月19日付)によると、ザバダーニー市から退去したのは約700人。

これに関して、シリア人権監視団は、移送されたのはザバダーニー市出身者158人、ザバダーニー市東部の山岳地帯出身者60人、スィルガーヤー町出身者100人の約300人で、このうちザバダーニー市出身者はほとんどが民間人だと発表した。

しかし、クッルナー・シュラカー(4月19日付)は、ザバダーニー市出身者のうち約100人が戦闘員、家族は約60人だと伝えた。

またザバダーニー市で籠城を続けてきた戦闘員はまた、同地から退去するにあたって、拠点や武器庫として利用していた施設に火を放ち、破壊した。

なお、ザバダーニー市からの戦闘員およびその家族の退去に先だって、マダーヤー町の戦闘員のうち退去希望者は14日、停戦合意に従って家族とともに同地を退去し、アレッポ市方面に移動、退去を希望しない戦闘員は武器を棄て当局に投降している。

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ザバダーニー市からの戦闘員およびその家族の退去を受け、シリア軍が市内に進駐した。

Kull-na Shuraka’, April 19, 2017

Kull-na Shuraka’, April 19, 2017

Kull-na Shuraka’, April 19, 2017

また、ダマスカス郊外県のアラー・イブラーヒーム県知事はマダーヤー町、ブカイン市、ブルダーン村を視察訪問した。

SANA, April 19, 2017

AFP, April 19, 2017、AP, April 19, 2017、ARA News, April 19, 2017、Champress, April 19, 2017、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2017、al-Hayat, April 20, 2017、Iraqi News, April 19, 2017、Kull-na Shuraka’, April 19, 2017、al-Mada Press, April 19, 2017、Naharnet, April 19, 2017、NNA, April 19, 2017、Reuters, April 19, 2017、SANA, April 19, 2017、UPI, April 19, 2017などをもとに作成。

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