米主導の有志連合の爆撃にもかかわらず親政権武装勢力とシリア軍はヒムス県南東部の米英の軍事拠点タンフ国境通行所に向けて進軍を続ける(2017年5月20日)

ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(5月20日付)によると、親政権民兵組織が、県南東部の砂漠地帯に位置するザルカ地区に進軍し、同地を掌握した。

ザルカ地区は、ダマスカス県とイラクの首都バグダードを結ぶ幹線道路沿いに位置し、タンフ国境通行所北西に位置する。

また、シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県サブア・ビヤール区東部のザーザー三角地帯に展開するシリア軍および親政権武装勢力がシリア砂漠を南東に向かった数十キロ進軍、ヒムス県南東部のイラクとの国境に位置するタンフ国境通行所から約55キロの地点に位置するザルカ地区に到達した。

これに関して、米英軍の地上部隊の支援を受ける革命特殊任務軍のバラー・ファーリス報道官は、「我々は当初、シリア砂漠の民兵が進軍し、ザルカ地区を制圧したことを否定していた…。しかし同地の作戦司令室との通信が回復すると、同司令室からザルカ地区が民兵の進軍を受けたとの報告を受けた」と述べた。

そのうえで、ファーリス報道官は、革命特殊任務軍が民兵組織と交戦し、戦車2輌を破壊したものの、民兵組織には増援部隊が合流、ザルカ地区に展開したという。

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一方、SNN(5月20日付)によると、シーア派民兵部隊がスワイダー県からダマスカス郊外県東部砂漠地帯、ヒムス県南東部タンフ国境通行所に向けて進軍を開始したという。

Kull-na Shuraka’, May 20, 2017

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タンフ国境地帯には、米軍および英軍がシリア国内での対ダーイシュ(イスラーム国)掃討戦のために拠点化し、革命特殊任務軍も同地に拠点を構えている。

AFP, May 20, 2017、AP, May 20, 2017、ARA News, May 20, 2017、Champress, May 20, 2017、al-Hayat, May 21, 2017、Kull-na Shuraka’, May 20, 2017、al-Mada Press, May 20, 2017、Naharnet, May 20, 2017、NNA, May 20, 2017、Reuters, May 20, 2017、SANA, May 20, 2017、SNN, May 20, 2017、UPI, May 20, 2017などをもとに作成。

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