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『クッルナー・シュラカー』(5月4日付)は、アサド大統領が第10期人民議会選挙で無所属議員が争う議席数を65議席(全体の25%)に減らすよう指示を出したと報じた。
同報道によると、第9期以前の人民議会選挙では約84議席(全体の33%)が無所属議員のために確保されていた。
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ダマスカス選挙区から立候補している実業家のワーイル・ガブラ氏、アディーブ・アシュカル氏、技師のアクラム・アジュラーニー氏、ウマル・ウースィー氏の4人が「シャーム・リスト」の結成を宣言した。
またリスト結成に合わせて、4人は、司法の独立、人民議会による監視・処罰機能の強化、社会的公正などの実現などを掲げた選挙綱領を発表した。
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労働者総連合のシャアバーン・アズーズ総裁が、ダマスカス県選挙区からの立候補辞退を発表した。
『クッルナー・シュラカー』(5月4日付)が報じた。
出馬辞退の理由は「個人的な理由」によるという。
労働総同盟はバアス党政権を支える人民諸組織の一つで、その総裁は常に人民議会議員に選出されていた。
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『クッルナー・シュラカー』(5月4日付)によると、人民議会前議員でビジネスマンのバハーッディーン・ハサン氏は、ダマスカス県選挙区からの立候補の辞退を発表した。
ハサン氏は2007年の第9期人民議会では他の無所属のビジネスマンとファイハー・リストを結成しB部門で当選したが、今期は他の無所属候補とのリスト結成に失敗した。
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人民議会前議員でアレッポ市選挙区から立候補していたアブドゥルカリーム・サイイド氏が声明を出し、アレッポ大学学生寮での学生デモ弾圧に抗議して、立候補をとり止めると発表した。
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『クッルナー・シュラカー』(5月4日付)はフェイスブックの情報として、ダルアー県選挙区から立候補している反体制活動家のアーイシャ・アブドゥッラフマーン女史が暗殺された、と報じた。
反体制活動家らによると、アレッポ大学学生寮でのデモ弾圧に抗議するかたちで、アレッポ県、ヒムス県、ハマー県、ダルアー県、ダマスカス県、ダマスカス郊外県などで「数千人」(『ハヤート』5月5日付)が反体制デモを行った。
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アレッポ県では、活動家らによると、アレッポ市サラーフッディーン地区などで金曜礼拝後に反体制デモが発生し、治安部隊が強制排除した。
またシリア人権監視団によると、アレッポ市スッカリー地区で治安部隊の発砲により家族3人が、またサラーフッディーン地区で女性1人が死亡した。
一方、SANA(5月4日付)によると、アレッポ市旧市街で武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、治安維持部隊兵士1人が死亡した。
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ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、活動家らによると、カフルスーサ区、マイダーン地区、アサーリー地区、ジャウバル区、ハジャル・アスワド市、バイト・サフム市、アルバイン市などで金曜礼拝後にデモが発生し、治安部隊の介入により5人が死亡した。
シリア人権監視団によると、ムライハ市で治安部隊の発砲により1人が、タダームン区での反体制デモに治安部隊が介入し、市民1人が死亡した、という。
一方、RT(5月4日付)によると、ティジャーラ地区でロシア人技術者が居住するビルが武装集団の襲撃を受け、警備に当たっていた治安維持部隊兵士1人が負傷した。
治安維持部隊は武装集団の2人を逮捕した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で治安部隊の発砲などにより3人が死亡した。
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ハマー県では、ハマー市、カルアト・マディーク町などで反体制デモが発生した。
またシリア人権監視団によると、ハマー市内の検問所で治安部隊の発砲により3人が殺害された。
またムーリク市では軍・治安部隊と離反兵の交戦で前者の兵士1人が死亡した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ムーハサン市で治安部隊の発砲により1人が死亡した。
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イドリブ県では、カフルルーマー村、ハーッス村、マアッラト・ハルマ村、ビンニシュ市などで反体制デモが発生した。
またシリア人権監視団によると、ザーウィヤ山で治安部隊に逮捕されていた市民3人の遺体が発見された。
一方、SANA(5月4日付)によると、マアッラト・ニウマーン市で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、下士官1人が殺害された。また治安維持部隊の応戦により、テロリスト1人が死亡した。
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ダルアー県では、インヒル市などで反体制デモが発生した。
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シリア革命調整諸連合など反体制活動家らはフェイスブックなどを通じて「我々の誠意が我々の救済である」金曜日と銘打って反体制デモを呼びかけていた。
アーディル・サファル首相は、食品産業機構の総裁にブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官の夫ハリール・ジャワード氏を任命した。
『クッルナー・シュラカー』(5月4日付)が報じた。
反体制活動家で社会学者のタイイブ・ティーズィーニー氏はモスクワ通信(アンバー・モースコー、5月4日付)に対して、「賢者の評議会」を発足し、今後の政情に対応することを検討していると語った。
ミシェル・スライマーン大統領は大統領宮殿で記者団に対して、「レバノンはシリアへの武器密輸の基地とはならない」と述べた。
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レバノン海上で拿捕された密輸船ルトフッラー2号に関する事件で、軍事裁判所のサクル・サクル判事は21人を起訴した。
NNA(5月4日付)が伝えた。
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『アフバール』(5月4日付)は、レバノン領内のパレスチナ難民キャンプで爆弾製造の句連を受けた専門家5人が、数ヶ月前にシリア領内に潜入していた、と報じた。
また密輸船ルトフッラー2に関して、イスラーム主義者の武器密輸人の証言として、ヒムスの反体制勢力に供与される武器だったと報じた。
アナン特使付報道官のアフマド・ファウズィー氏はジュネーブで記者団に対して、シリア国内で停戦合意が尊重されている「わずかな兆候」を見出すことができると述べた。
ファウズィー特使は、「一部の重火器は(都市部から)撤収されたが、一部は残っている。暴力行為は減退したが、依然として続いている…。満足がいくとは言えないが…、停戦遵守へのわずかな兆候はある」と述べた。
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ヒラリー・クリントン米国務長官は、訪問先の北京で、シリア政府がアナンの停戦案を履行しない場合、国際社会は新たな決議を採択せねばらなない、と述べた。
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サウジアラビアのアリー・アウダ・アスィーリー在レバノン大使は『ナハール』(2012年5月4日付)に対して、「カタールとサウジがシリアの反体制勢力に武器を供与している」とのシリアのアリー・アブドゥルカリーム在レバノン大使の発言を、「何の証拠もなくGCC諸国を非難している」と反論した。
AFP, May 4, 2012、al-Akhbar, May 4, 2012、Akhbar al-Sharq, May 4, 2012、al-Hayat, May 5, 2012、Kull-na Shuraka’, May 4, 2012、al-Nahār, May 4, 2012、Naharnet.com, May 4, 2012、NNA, May 4, 2012、Reuters, May 4,
2012、SANA, May 4, 2012などをもとに作成。
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