シリア軍は有志連合の進軍を阻むかたちで米軍が不法占拠するタンフ国境通行所(ヒムス県)北西部のイラク国境地帯を制圧(2017年6月9日)

ヒムス県では、SANA(6月9日付)によると、シリア軍が「同盟者」とともに県北東部の砂漠地帯をタンフ国境通行所北東部に向けて進軍し、イラク国境に到達した。

シリア軍消息筋によると、イラク国境に到達した部隊は、ダーイシュ(イスラーム国)を排除し、同地に拠点を築いたという。

シリア軍がイラク国境地帯を制圧するのは、2011年に「アラブの春」がシリアに波及し、反体制派が国境地帯を掌握して以降、これが初めて。

シリア軍によるタンフ国境通行所北東部の国境地帯では、米軍の支援を受ける「ハワール・キリス作戦司令室」(自由シリア軍砂漠諸派、「土地は我らのものだ」作戦司令室)がザクフ地区にダーイシュ(イスラーム国)との戦いに向けた前哨基地を設置したと発表していた。

だが、シリア軍によるイラク国境地帯掌握により、タンフ国境通行所を不法に占拠し、同地からダイル・ザウル県方面に進軍を計画していた米軍主導の有志連合は、進路を阻まれたことになる。

syria.liveuamap.com, June 9, 2017

Wikipedia, June 9, 2017

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月9日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部のパノラマ交差点一帯、第137旅団基地一帯、ブガイリーヤ村、ワーディー・サルダ一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

AFP, June 9, 2017、AP, June 9, 2017、ARA News, June 9, 2017、Champress, June 9, 2017、al-Hayat, June 10, 2017、Kull-na Shuraka’, June 9, 2017、al-Mada Press, June 9, 2017、Naharnet, June 9, 2017、NNA, June 9, 2017、Reuters, June 9, 2017、SANA, June 9, 2017、UPI, June 9, 2017などをもとに作成。

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