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SANA(5月2日付)は、ハサン・ジャラーリー内務次官は声明を出し、5月7日投票予定の第10期人民議会選挙の投票所12,152カ所の設置など投票日の準備を完了したと発表したと報じた。
またジャラーリー内務次官によると、2012年5月6日時点で18歳以上の人口は14,788,644人に達する、という。
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『クッルナー・シュラカー』(5月2日付)は、第10期人民議会選挙においてダマスカス県選挙区から立候補(B部門)している無所属のビジネスマンのムハンマド・ハムシュー氏、サーミル・ダバス氏、アフマド・ナビール・クズバリー氏の3人が「ファイハー・リスト」を結成し、「祖国は高価であり…祖国は愛おしい」とのスローガンを掲げたと報じた。
このスローガンはハーフィズ・アサド前大統領の言葉だという。
アレッポ県では、シリア人権監視団によると、対トルコ国境近くのラーイー村の街道で反体制武装集団が軍・治安部隊を要撃し、士官2人を含む15人を殺害した。
同市ではこれに先立ち、軍・治安部隊と離反兵が交戦し、離反兵2人が死亡していた。
また複数の活動家によると、アレッポ市フィルドゥース地区、アアザミーヤ地区などで反体制デモが発生した、という。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市で軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦し、市民2人が殺害された。
また、カナーキル村では軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦し、軍・治安部隊兵士1人が殺害された。
さらに、ハラスター市では軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦し、軍・治安部隊兵士6人が殺害された。
このほか、ザバダーニー市、サクバー市、カフルバトナー町などで軍・治安部隊による反体制勢力の逮捕・摘発が行われた。
一方、インターネットなどでは、「ダマスカス青年変革連合」を名のるグループがダマスカス県ジャウバル区での自由シリア軍支持を訴えるデモの映像を配信した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ラジャート高原では軍・治安部隊の発砲で1人が死亡、ダーイル町などで軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦した。
一方、SANA(5月2日付)によると、ブスラー・シャーム市とムハッジャ村で治安維持部隊の曹長、軍曹が武装テロ集団に殺害された。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、クーリーヤ市、ダフラ村で軍・治安部隊による反体制勢力の逮捕・摘発が行われた。
一方、SANA(5月2日付)によると、シュハイル市で治安維持部隊の曹長が武装テロ集団に殺害された。
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ヒムス県では、SANA(5月2日付)によると、シリア民族社会党インティファーダ派のアリー・ハイダル党首の息子イスマーイール・ハイダル氏と友人のファーディー・アターウィナ氏がヒムス・ミスヤーフ街道を自動車で移動中に、武装テロ集団によって襲撃、暗殺された。
シリア民族社会党インティファーダ派は人民意思党とともに変革解放人民戦線を主導し、第10期人民議会選挙に参加している。
一方、複数の活動家によると、軍・治安部隊がヒムス市(ハーリディーヤ地区、クスール地区、カラービース地区)、カルアト・ヒスン市などで掃討作戦を行った。
またヒムス市ワアル地区、ラスタン市で反体制デモが発生したという。
アサド大統領は政令第30号を発し、兵役法(2007年)第95~100、107条、軍事刑法(1950年)第100~101、146条の違反者らを対象とした恩赦を発令した。
この恩赦は2012年5月1日以前の犯罪に対して適用されるが、兵役を逃れ国内に逃亡している者に対しては90日以内の、国外に逃亡している者に対しては120日以外の出頭を条件としている。
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ファイサル・ミクダード外務在外居住者次官は、『デイリー・テレグラフ』(5月1日付)とのインタビューで、潘基文国連事務総長がシリアの反体制勢力寄りだと批判、また反体制勢力のほとんどが犯罪者、麻薬商人だと批判した。
SANA(5月2日付)によると、国内で活動する野党の代表者がダマスカスで記者会見を開き、平和的変革諸勢力連立の結成を発表した。
平和的変革諸勢力連立に参加したのは、人民意思党、シリア民族社会党インティファーダ派、シリアのための第三潮流、平和的変革の道潮流、マルクス民主連合、国民行動潮流、ダイル・ザウル人民運動委員会、クナイニス国民平和委員会、アームーダー国民平和委員会。
記者会見には平和的変革の道潮流のファーティフ・ジャームース代表、人民意思党のカドリー・ジャミール党首らが出席、すべての当事者の対話を通じた平和的変革、軍事的介入拒否などをめざす、との立場を表明した。
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しかしアームーダー国民平和委員会は、この記者会見の直後に声明を出し、連立への参加したとの情報を否定した。
国内で反体制活動を行うシリア共産主義行動党は、党の重鎮ファーティフ・ジャームース氏が、平和的変革の道潮流を設立するなど、アサド政権に協力的な言動を繰り返しているとして、除名処分としたと発表した。
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シリア国民評議会は声明を出し、アサド政権による逮捕、収監者の拷問・殺害を非難、国連安保理に対してこれらの行為を停止させるための決議採択を求めた。
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シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー報道官は、アフバール・ムスタクバル・チャンネル(5月2日付)に対して、アナン特使の6項目和平案の完全履行と、アサド政権の崩壊が実現すれば反体制勢力は満足するだろう、と述べた。
『クッルナー・シュラカー』(5月2日付)は、ダマスカス郊外県サブーラ町にあるカタール首長宮殿前で多数の若者がデモを行い、シリア国内のハマド・ブン・ハリーファ首長の財産を没収・国有化し、反体制運動による犠牲者の遺族への補償金として支給するよう訴えた。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは声明を出し、4月のイドリブ県での軍・治安部隊による掃討作戦において、アサド政権が市民95人を殺害し、家屋数百棟を破壊するなどして、「戦争犯罪」を犯していたと非難した。
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マーティン・デンプスィー米陸軍参謀長はカーネギー平和財団での後援で、「NATOはシリアに対する軍事的な計画を準備してない」と述べた。
AFP, May 2, 2012、Akhbar al-Sharq, May 2, 2012、The Daily Telegraph, May 2, 2012、al-Hayat, May 3, 2012、Kull-na Shuraka’, May 2, 2012, May 3, 2012、Naharnet.com,
May 2, 2012、Reuters, May 2, 2012、SANA, May 2, 2012、Syria Steps, May 2,
2012、UPI, May 2, 2012などをもとに作成。
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