ロシア軍参謀本部機動総局のセルゲイ・ルドスコイ局長はモスクワで記者会見を開き、シリア国内での戦闘停止および緊張緩和地帯設置に関する進捗状況を詳しく説明した。
同局長の記者会見の骨子は以下の通り:
- 7月4~5日にカザフスタンで開催されたアスタナ5会議では、ヒムス市北部、東グータ地方(ダマスカス郊外県)を「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」の対象地域に加えることが合意される一方、イドリブ県での緊張緩和地帯については継続審議とすることが確認された。
- 7月7日、ロシア、米国、ヨルダンがシリア南西部での停戦実施に関する覚書に署名した。米・ロシア両大統領の合意に基づくこの覚書では、ダルアー県、クナイトラ県、スワイダー県に緊張緩和地帯を設置することが定められた。
- 7月21~22日、ロシア軍憲兵隊が南西部の緊張緩和地帯の検問所2カ所、監視ポスト10カ所に兵力引き離し部隊として駐留。
- 7月24日、東グータ地方での戦闘停止合意(22日)を受け、ロシア軍が同地に検問所2カ所、監視ポスト4カ所を設置し駐留。
- 2017年7月24日までに2,043の地方自治体、228組織がシリア政府との和解。
- 2017年7月24日までに、ロシアは159トンの食糧物資を人道支援として緊張緩和地帯に供与。
- 過去2ヶ月間で、ロシア軍はダーイシュ(イスラーム国)の包囲を受けるダイル・ザウル市に475トンの食糧物資を投下。
- 2015年9月にロシアが空爆を開始した時点のシリア政府支配地域(1万2,000平方キロ強)は、その4倍の7万4,200平方キロにまで回復。うち、2万平方キロは「テロリスト」から奪還。
- ロシア軍のシリア領内での爆撃の出撃回数は2,010回、空爆回数は5,850回に達する。
AFP, July 24, 2017、AP, July 24, 2017、ARA News, July 24, 2017、Champress, July 24, 2017、al-Hayat, July 25, 2017、Kull-na Shuraka’, July 24, 2017、al-Mada Press, July 24, 2017、Naharnet, July 24, 2017、NNA, July 24, 2017、Reuters, July 24, 2017、SANA, July 24, 2017、UPI, July 24, 2017などをもとに作成。
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