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ロイター通信(4月17日付)などによると、シリア独立記念日にあたる4月17日、アレッポ市、スワイダー市、ダルアー市、バーニヤース市、ドゥーマー市などで反体制デモが発生し、数千人が参加した。
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ヒムス県では、ロイター通信(4月17日付)が複数の目撃者の証言として伝えたところによると、タルビーサ市での犠牲者の葬儀後に発生したデモに対して、シリア軍が発砲し3人のデモ参加者を殺害した。
その後、同市で死亡した犠牲者の数については、7人から11人が死亡、数十人が負傷した、といった情報が錯綜した。
SANA(4月16日付)によると、16日にヒムス市で殉職した警察の葬儀に数千人が参列した。
またSANA(4月18日付)によると、ヒムス市では士官3人とその家族数名が「武装犯罪集団の発砲」により殺害された。
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ダルアー県では、ロイター通信(4月17日付)によると、フラーク市で、当局の拷問で死亡したとされるムハンマド・アリー・ラドワーン・クーマーン兵卒(20歳)の葬儀に多数の市民が参列、その後反体制デモを断行し、「シリア、自由、自由、バッシャールは出ていけ」とのシュプレヒコールを連呼したほか、アサド政権の弾圧を厳しく非難した。
クーマーン兵卒の遺族は、同兵卒がダマスカス近くの軍部隊内で偶然感電死したと告知されたが、同兵卒の脚に殴られた跡があり、地元の医師も、拷問を受けた痕跡があると述べたという。
また複数の目撃者によると、ダルアー市でも数千人が正午の礼拝のちに市内中心に位置する広場に集まり、体制打倒を求めるシュプレヒコールを連呼した。
人権活動家の一人がAFP(4月17日付)の電話取材に対して答えたところによると、デモには4,000人が参加し、そのなかの1,000人は女性だった。
デモは午後1時にウマリー・モスク前で始まり、市の中心にあるサラーヤー広場に向かった。
また「広場では演説会が行われ、元逮捕者、宗教関係者、ドゥーマー市(ダマスカス郊外県)からの支持者が参加、ダルアー救済が訴えられた」としたうえで、「要求の限度は増し、もはや(細かな)要求事項はなくなり、反体制のシュプレヒコールが叫ばれた。市内には治安部隊や軍はいなかった」という。
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アレッポ県では、人権活動家らによると、アレッポ市内にある独立運動指導者のイブラーヒーム・ハナーヌー廟で反体制デモが行われ、百人が参加、「国民は自由を求める」と連呼した。
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スワイダー県では、シリア情報表現の自由センター所長でダマスカス在住のマーズィン・ダルウィーシュ氏がAFP(4月17日付)の電話取材に答えたところによると、スワイダー市とクライヤー町で発生した反体制デモに対して、治安当局が介入し、5人のデモ参加者が負傷した。
スワイダー市シャアラ広場で行われたデモには約300人が参加、シリアでの自由を求めるシュプレヒコールを叫んだが、「50人ほどのシャッビーハがスワイダー市に入り、大統領の写真を掲げながら、治安当局の見ている前でデモ参加者を棒で殴打した。一方治安当局は傍観し、デモ参加者を守ろうとはしなかった」という。
スルターン・アトラシュの生地クライヤー町でのデモでも、シャッビーハに襲撃され、ハーニー・ハサン・アトラシュ氏(スルターン・アトラシュの孫)ら3人が負傷した。
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タルトゥース県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると、バーニヤース市でデモが行われ、女性を含む2,500人以上が参加した。
同所長によると、デモ参加者は宗派主義拒否を訴えるとともに、バーニヤース市での弾圧に対する裁判を要求した。
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SANA(4月17日付)は、シリア・イラク国境に位置するヒムス県タンフ国境通行所を経由して密輸を試みていた、イラク人が運転する自動車から、当局が大量の武器・弾薬を押収したと報じた。
押収された武器には、様々な種類の高性能機関銃、手榴弾、ライフル、短銃、暗視ゴーグル、迫撃砲、様々な種類の大量の弾薬、機関銃用断層が含まれていた、という。
『ナハール』(4月17日付)は、シリア軍がレバノン国境付近に展開し、レバノン側からの反体制デモ支援を阻止しようとしている、と報じた。
これに伴い、シリア税関当局が国境の検問も強化し、トラックの往来を規制している、という。
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シャファーフ・シャルク・アウサト(4月17日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、マーヒル・アサド大佐が自身に近いビジネスマンの一人にポンプアクション式ショットガン10,000丁を調達し、シャッビーハに配給するよう依頼していたと報じた。
また、同サイトによると、レバノンのムスタクバル潮流のムハンマド・ジャッラーフ議員とシリア・ムスリム同胞団の指示・支援によりシリアで破壊工作を行ったとシリア・アラブ・テレビで証言したシリア人テロリスト3人もポンプアクション式ショットガンで武装していたと指摘し、実はシャッビーハであると断じた。
リヤード・サイフ氏はフェイスブック(4月17日付)で、アサド大統領がアーディル・サファル内閣第1回閣議で示した方針を「形式的」、「時間稼ぎ」と批判した。
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ハイサム・マーリフ弁護士は、アサド大統領がアーディル・サファル内閣第1回閣議で示した方針を「不充分であり、腐敗した司法の改革を伴わねばならない」と述べた。
また非常事態令の解除、憲法第8条の改正、すべての政治犯・言論犯の釈放を改めて要求した。
AFP, April 17, 2011、Akhbar al-Sharq, April 17, 2011、al-Hayat, April 18, 201 April 19, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 17, 2011、Reuters, April 17, 2011、SANA, April 17, 2011, April 18, 2011などをもとに作成。
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