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複数の目撃者によると、タルトゥース県バーニヤース市東南に位置するバイダー町で、治安部隊と武装集団が「無差別発砲」を行った。
『ハヤート』(4月13日付)によると、バイダー町の目撃者の一人は、「村は治安部隊と犯罪組織(シャッビーハ)による無差別銃撃を受けた」と述べた。
また別の目撃者によると、「バイダー町に対する銃撃は雨のように降り注ぎ、現在までに少なくとも1人が負傷した」と述べた。
活動家の一人によると、バイダー町民のなかには武器を持っている者がおり、武力衝突が発生したようだ、と述べた。
また「救急車両がバイダー町に入ろうとしている。負傷者がいる」と語った。
別の活動家によると、村の携帯電話回線は遮断され、装甲車両がバイダー町に入り、兵士が「無差別に」発砲、家から出てきた若者たちを逮捕していった。
人権活動家の一人は、「攻撃は当局がおそらくバイダー町出身のアナス・シャフリー氏を支持者とともに逮捕しようとしたためだ」との見方を示した。
シャフリー氏はバーニヤース市での抗議行動を指導する代表人物の一人。
バーニヤース市で複数の目撃者が述べたところによると、「シリア軍は海岸にある同都市の包囲を強め、停電によるパン工場の停止で食糧危機が始まっている」。
抗議運動の指導者の一人、アナス・シャフリー氏は「治安部隊と軍は依然として町を包囲している。封鎖により異常なまでの締付状態に陥っており、我々は彼らが我々に何をしようとしているのか、理解できない」と述べた。
また「バーニヤース市でのパンの材料不足、停電、電話の普通がほぼ恒常的に起きている」と指摘した。
アブドゥルバスィート氏(電気技師)を名乗る目撃者の一人はAFP(4月12日付)に対して「事態はきわめて困難で、軍は市内から撤退し、市の出口に結集した。また治安部隊と体制側のシャッビーハが逮捕を繰り返している」と述べた。
また「市は死んでしまったかのように静まっており、商店は閉鎖されている」と付言した。
さらに「軍が殺害した者のなかには、治安要員もいる。なぜなら彼らは市への攻撃命令実行を拒否したからだ」と述べた。
ヤースィル氏を名乗る商人の一人は、「バーニヤース市は戦車で包囲され、誰も出入りできない。刑務所のようになっている」と述べた。
また「もはやバーニヤース市にはパンがない。タルトゥースから若干のパンが届いているが、それでは不十分だ」と付け加え、「ガソリン・スタンドも閉鎖されている」と語った。
市内のあるモスクの説教師、シャイフ・ムハンマド師は「多くの家で女子供を隣接する村に避難させた」と述べ、これらの家族が「クーズ地区からの発砲があったラアス・ナブア地区に住んでいる」と指摘した。
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「アフバール・シャルク」(4月12日付)によると、ハサカ県アイン・アラブ市、ラタキア県ジャブラ市、ダマスカス郊外県キスワ市、ダルアー県ダルアー市でバーニヤース市と連帯を求める1,000人から2,000人規模のデモが発生した。
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シリア・アラブ・テレビ(4月12日付)は、「テロ細胞」メンバー3人が、シリア・ムスリム同胞団とレバノンのジャマール・ジャッラーフ国民議会議員(ムスタクバル潮流)と関係があり、「破壊工作」を行おうとしていたと自供した映像を放映した。
証言したのは、アナス・カンジュ、ムハンマド・バドル・カラム、ムハンマド・アフマド・スフナを名のる3人。
証言によると、アサド政権を支持するデモや行進の参加者に発砲せよとの指示が、ジャマール・ジャッラーフ議員からアフマド・アウダという友人を経由して下された、という。
アフマド・アウダはシリア・ムスリム同胞団のメンバーで、3人に高性能の電話を提供、治安当局の車に似せた車で警護すると約束、3人は当初、ダマスカス県旧市街にあるウマイヤ・モスクで人々を集めてデモを行ったが、混乱を発生させることができず、次第に破壊工作を行う必要があると考えるようになり、アウダから武器を受け取った、という。
ダマスカス民主変革宣言は、3月以降の弾圧で約200人が死亡、数百人が逮捕されたと発表した。
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シリア言論の自由擁護センター所長のハリール・マアトゥーク弁護士はAFP(4月12日付)に対して、シリアの複数の都市で署名な活動家ら複数名が逮捕されたことを明らかにした。
逮捕されたのは、シリア民主人民党のギヤース・ウユーン・スード第一書記(4月12日、ダマスカス郊外県サフナーヤー市で逮捕)、同党幹部のジョルジュ・サブラ氏(4月10日、ダマスカス郊外県カタナー市で失踪)、アラブ社会主義連合民主党幹部のアフマド・マアトゥーク氏、ダマスカス民主変革宣言のナジャーティー・タイヤーラ弁護士(ヒムス)、同宣言のファーイズ・サーラ氏(ダマスカス郊外県ガズラーニーヤ町)。
彼らはジャズィーラなどに出演し、政権によるデモ弾圧を批判していた。
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シリア民族社会党インティファーダ派のアリー・ハイダル党首、民主統一改革党のムハンマド・サウワーン党首、シリア共産主義者統一国民委員会のカドリー・ジャミール代表がダマスカスで共同声明を出し、市民による改革要求デモに対して武器を使用しないよう当局に求めるとともに、デモ参加者に破壊行為を行わないよう呼びかけた。
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シリアの6つの人権団体は、バーニヤース市近郊での「シリアの軍部隊を標的とした悪質な攻撃をきわめて強く非難」し、「発砲した武装集団の身元を調査」と処罰を求めた。
『サフィール』(4月13日付)は、ファールーク・シャルア副大統領がダルアー市民使節団と会談し、事態正常化に向けた協議を行ったと報じた。
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『クドス・アラビー』(4月12日付)は、軍事情報局南部地区長のスハイル・ラマダーン准将が地区長職を解任され異動となったと報じた。
軍事情報局南部地区はダルアー県、スワイダー県での治安を担当している。
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『クッルナー・シュラカー』(4月12日付)はダマスカス大学構内での学生の活動に対する「人民諸委員会」による監視がムハンマド・イーサー大佐の指導のもとで強化された、と報じた。
ベイルート県中心部のハムラー地区にあるシリア大使館前で、シリア人活動家3人が民主化を求めるデモを行った。
しかしまもなく、アサド政権を支持する若者訳100人がハムラー地区に大挙し、対抗した。
ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、シリア情勢に関して、「政府の手によって負傷したシリア人が治療を受けられないとの情報に我々は懸念を感じている」としたうえで、「合衆国は平和的デモ参加者弾圧の試みを厳しく非難する」と述べた。
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英国外務省は英国民に対して、シリアの治安情勢悪化を理由に、不要不急のシリアへの渡航を控えるよう勧告した。
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イランのラーミーン・メフマーン・バラスト外務省報道官は、シリアでの抗議行動が中東のレジスタンスを支持する政府に揺さぶりをかけようとする西欧の陰謀の一環としてなされていると断じた。
報道官は昨日、シリアの抗議行動が自発的に発生した事件ではなく、外国の介入の産物だとの見解を示したうえで、「シリアで起きていることは西欧人たち、とりわけ米国人とシオニストが行う忌まわしい行為だ」と述べた。
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ヒューマン・ライツ・ウォッチは、4月8日(金曜日)のダルアー市での反体制デモに対する治安当局の弾圧に際して、当局は救急車両による医療活動を阻止していたと発表・非難した。
AFP, April 12, 2011、Akhbar al-Sharq, April 12, 2011、al-Hayat, April 13, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 12, 2011、Reuters, April 12, 2011、al-Quds al-ʻArabi, April 12, 2011、SANA, April 12, 2011、al-Safir, April 13, 2011などをもとに作成。
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