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ダルアー県では、複数の目撃者によると、治安部隊がダルアー市内のウマリー・モスク近くで、8日のデモ弾圧の犠牲者の葬儀に参列した市民数千人に向けて実弾や催涙弾を発射し、強制排除を試みた。
これらの市民は「自由」を求めるシュプレヒコールを連呼していた、という。
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ラタキア県では、住民らによると、ラタキア市で8日未明に市民数百人が「自由」を求めるデモを断行、これに対して治安部隊が実弾を使用し、数十人が負傷、複数が死亡した。
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ヒムス県では、シリア人権委員会によると、ヒムス市西方のタッルドゥー市で市民11人が治安部隊の攻撃で死亡した。
SANA(4月9日付)によると、ワリード・ムアッリム外務大臣はダマスカスに駐在する各国大使と会談し、そのなかで改革を求める国民の要求を「合法的」としたうえで、「平和的デモを尊重する」と述べ、政治・経済改革プログラムに沿って国民の要求に応えるとの意思を示した。
また「破壊分子」がデモ参加者のなかに「潜入」し、彼らや治安部隊に発砲することで「暴力を誘発し、無秩序を作り出そうとした」と非難、「国の経済、国民の安全と治安に大きな被害をもたらした…破壊行為に…もはや沈黙することはできない」と述べた。
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シリア内務省は声明を出し、暴動を徹底弾圧する決意を示した。
同声明は「多くの国民がとりわけ金曜日に複数の地域でデモを行うため街頭に出て、幾つかの要求を行い、それに対して指導部が直ちに応えた。またこれらの要求に応えるべく一連の措置や法律が発表され、また法律発令や必要な措置実施が続いている」として、国民の改革志向に一定の理解を示した。
しかし以下のように続け、破壊分子や扇動が混乱を助長していると主張した。
「復讐を認められてない部外者、我々国民にとって無縁な者たち、外国勢力に守られた者たち、そして衛星放送やインターネットでの扇動が…、国民の正当な要求に応えることはない…。彼らは改革を望んでおらず、彼らは国民の要求に何の関心もなく、武器使用を禁じることもない。彼らは武器を駆使して、デモ参加者や犠牲者の葬儀に参列する会葬者のなかに紛れ込み、無差別に発砲し、国民と治安部隊の亀裂を生み出そうとした。そして公的機関や福祉機関に放火し、そのうちの何人かは、発砲を控えていた軍・治安部隊と衝突し、多くを死傷させた」。
そのうえで、「法執行と祖国・国民の安全確保に関して、もはや怠慢や寛容の余地はない」としたうえで、「我々は、平和的デモと、破壊、混乱の助長、国民統合への揺さぶりとの混同を許さない」と強調し、暴動を徹底弾圧する決意を示した。
一方内務省は、ダルアー市民に対して、「市民や警察官に発砲した武装集団をかくまわない」よう呼びかけ、「関係当局に素早い情報提供を行う」よう求めた。
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SANA(4月9日付)は、金曜日(8日)未明から土曜日(9日)にかけて各地で発生した流血事件に関して、「複数の武装集団がダルアー市で(金曜日に)群衆と警察・治安部隊に発砲し、9人の治安警察要員が死亡し、多くの市民が犠牲となった」と報じた。
同報道によると、武装集団がダルアー市で「屋上や樹上から市民や警察治安部隊に発砲し、またタイヤを燃やし、ウマリー・モスク広場のデモ参加者に向かって投石した。また武装集団はオートバイに乗って市民に発砲した」という。
さらにヒムス県タッルドゥー市やヒムス市バーブ・アムル地区などでのデモに関しては、一部の集団が「警察の車両に放火し、警察治安部隊に発砲した。またオートバイに乗った集団が市民に無差別に発砲し、治安警察部隊20人と多くの市民が負傷した」と解説した。
またタッルカラフ市でも「破壊分子の集団が公共財産に放火し、鉄道を封鎖し、列車の往来を妨げる一方、武装集団が市内をオートバイで徘徊していた」と断じた。
一方、ダマスカス県ドゥーマー市でのデモに関しては、「自由と殉教を求める数千人の市民が集まったが、数時間後にそのほとんどは解散した」と主張し、「数百人の市民」がラタキア市、バーニヤース市、そして東部のカーミシュリー市で集会を行い、「改革の加速、自由の拡大、腐敗撲滅、さらには地元の福祉に関する要求を行ったが、これらの集会には衝突や破壊行為は見られなかった」と付言した。
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シリア情報省は、ダルアー市での流血事件に関してジャズィーラ・チャンネルのインタビューに応じた『ティシュリーン』紙編集長のサミーラ・ムサーラマ女史を解任した。
後任にはムニール・ワーディー氏が就任した。
AFP(4月9日付)によると、ムサーラマ女史は解任に関して、「治安当局高官の一人が、私に解任を告知した…。私がジャズィーラ・チャンネルのインタビューに応じたため」と述べた。
ムサーラマ氏は金曜日晩(4月8日)の放送で「発砲がなされた際に命令違反があった」と指摘、「もし発砲が治安機関から始まっていたのなら、我々は同機関を処罰し、なぜ違反したのかを調査せねばならない…。発砲しないよう大統領から指示が出されていた」と述べていた。
また、デモ参加者や治安部隊に発砲したとされる「武装集団」に関しては、「もし第三者がいるのなら…、私はいると思うが…、治安機関は人々の前に第三者が誰なのかを示さねばならない。それは国民の命に関わっており、そのことをめぐって寛容ではあり得ない…。治安部隊に責任がある。もし悪党がいるのであれば、治安部隊が彼らを捕らえ、処罰のためにつき出さねばならない」と付言した。
ハサカ県およびダイル・ザウル県の名家(部族)の有力者の一人で「ダマスカス民主変革宣言」運動の指導者の一人であるナウワーフ・バシール氏はAFP(4月9日付)の電話取材に対して、「アサド政権はシリア国民の流血に没頭する」ことを止め、「明確な行程表を示し、国民、とりわけ革命を主導する若者との国民対話を行わねばならない」と述べた。
バシール氏は「我々は平和的民主的変革を信じている」と述べ、自身が提唱する国民対話を通じて、政党法制定や憲法改正(とりわけ第8条の廃止)を実現すべきだと付言した。
さらに、ダルアー市などで「武装集団」がデモ参加者や治安部隊に発砲し犠牲者が出たとのシリア政府の主張を嘲笑し、「革命を主導する青年は平和的で実力を行使しない。体制の刺客や子飼いこそがデモ参加者に発砲した輩である…。もし悪党がいるとすれば、体制こそが悪党だ。この悪党は法によって護られている悪党だ…。彼らは我々を奴隷のように扱い、我々は屈辱、侮辱、無差別殺戮、投獄のもとで40年暮らしてきた。しかし今日、我々はもはやこの体制を恐れない…。シリア国民がこれまで禁じられてきた自由、尊厳、構成を取り戻すまで続けられ、後退はしない」と述べた。
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シリア人権国民機構のアンマール・クルビー所長は『ハヤート』(4月10日付)の電話取材に対して、「金曜日(8日)の抗議デモで37人が殺害された。うち30人がダルアーで、3人がヒムスで、1人がドゥーマーで、3人がハラスターで殺害された」と述べた。
またクルビー所長は、「(シリアは)50年間、監視下に置かれ、非常事態令のもとにある…。1ヶ月にわたり包囲されている都市で武装集団が存在し、数時間で治安要員19人を殺害し、それに国家が何もできない、という状態がどのように生じ得るのか」と付言し、武装集団の存在や暴徒化はなかったと断じた。
バラク・オバマ米大統領は声明を出し、「今日(9日)と先週、シリア政府が平和的デモに参加する人々に対して行った忌まわしい暴力行使を厳しく非難する。私はまた、デモ参加者によるあらゆる暴力の使用も非難する」と述べた。
大統領はまた「私はシリア当局に平和的デモに参加する人々にこれ以上の暴力を行使しないよう求める。また報じられているような恣意的逮捕、身柄拘束、拘留者への拷問は停止されねばならない。また現地での事件の調査実施のためいかなる障害も設けずに、情報公開が許されねばならない」と付言した。
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キャサリン・アシュトン欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は声明を出し、「私は、シリアでの自由と民主主義を求めるデモでの暴力と死者発生を厳しく非難する」と述べた。
そのうえでシリア当局に「暴力に対する規制の即時設置を決断する」よう求め、「すべての国民を保護し、平和的デモと表現の自由を保障することが国家の責任」と強調したうえで、「シリア政府の改革宣言は信頼性のある措置によって支えられねばならない…。シリア国民が、脅迫、抑圧、逮捕を恐れず、自らの要求を表現することを認めねばならない。表現の自由、基本的人権、法治国家を保障するため、今、重要な政治的改革を開始すべきである」と付け加えた。
AFP, April 9, 2011、Akhbar al-Sharq, April 9, 2011, April 10, 2011、al-Hayat, April 10, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 9, 2011、Reuters, April 9, 2011、SANA, April 9, 2011などをもとに筆者作成。
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