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地元調整諸委員会などによると、反体制風刺画家のアリー・ファルザート氏が、早朝(朝2時)、治安機関とシャッビーハによって誘拐され、暴行を受けた。
地元調整諸委員会のウマル・イドリビー報道官によると、事務所から自宅に帰宅途中のファルザート氏は、ダマスカス県内ウマウィーイーン広場を車で移動中、治安機関とシャッビーハによって襲撃・誘拐され、暴行を加えられたうえ、空港への街道に放置された。ファルザート氏は左指骨折、左目重傷、頭、胸、右手などに傷を負った。また襲撃した「犯罪集団」はファルザート氏のカバンなどを持ち去った、という。
ファルザート氏はバッシャール・アサド政権発足後のシリア国内の改革機運のなかで、政権批判を行う風刺画家として注目を集めた。だが同氏の自家用車(メルセデス)はアサド政権から与えられたといった噂もある。
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シリア軍・治安部隊はダイル・ザウル市郊外に戦車などを増強。シリア人権監視団によると、同郊外のシュハイル、ブサイラ、そしてマヤーディーン郊外の村々に大規模な軍・治安部隊が展開し、シュハイルには戦車数十両が早朝進入し、無差別に砲撃しており、すでに女性1人が殺害された。
また治安部隊はダマスカス県内で大規模逮捕を行った。シリア人権監視団によると、治安要員約300人が早朝、ルクンッディーン区に完全武装して突入し、家宅捜索と逮捕を行った。また一昨日晩から昨日朝にかけての捜索活動で、マイダーン地区で1人が逮捕された。
ダマスカス郊外県のドゥーマー市では夜の礼拝後にデモが発生し、昨日未明まで続いた。また早朝、ザマルカー町、ムウダミーヤト・シャームに治安部隊が突入した。さらにマウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、サフナーヤー市間の街道には軍・治安部隊が検問所を設置し、移動を制限した。
シリア人権監視団によると、ジャブラ市でも軍・治安部隊が大規模な捜索活動を敢行し、9人を逮捕。これに関して、SANAは関係当局の話として、ジャブラ市で大量の武器弾薬が押収されたと報じた。
一昨日晩から昨日未明までにヒムス市で1人が軍・治安部隊に撃たれ死亡し、1人が重傷を負った。またバーブ・ドゥライブ地区で激しい銃声が聞こえた。しかしSANAは、ヒムス県のラスタン市に軍が設置した検問所が武装テロ集団に襲撃され、3人の兵士が殺害されたと報じた。またタルビーサ市の検問所でも同様の襲撃があり、複数の兵士が負傷したと報じた。
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イスタンブールの反体制勢力指導者の一人アディーブ・シーシャクリー氏(1940年代末から1950年代前半にかけてシリアの軍事クーデタを首謀し、実権を握ったアディーブ・シーシャクリーの孫)は、「シリア国内の反体制勢力との調整にはさらに2週間が必要だが、すべての潮流が代表されねばならない」と述べた。
同氏によれば、会合の主要なメンバーはイスタンブールにとどまり、国内の反体制活動家との接触を継続しているという。
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シリア国民民主変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム総合調整役は、拡大会合を9月半ばに開催する予定であると発表。拡大会合には約300人の政党・政治組織代表、無所属活動家が出席する予定で、「民主主義への移行の方法、市民国家建設のしくみに関する行動計画案を審議し…、委員会の活動と組織を確立する」。また「新たな青年大衆社会諸集団も、政治諸勢力、愛国的書道名、文化的諸集団に完全に加わる」という。
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ユーチューブで26日の「忍耐と貫徹の金曜日」のデモで武装集団が破壊行為を行っている映像が、その前日の25日に公開される(資料映像)。
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SANAは、トルコに避難していたジスル・シュグール市およびその郊外の住民113人がシリアに帰国したと報じた。
シリア中央銀行のアディーブ・マイヤーラ総裁は、シリアが23日から米ドルの取引を停止し、外貨取引をユーロに完全に切り替えたとAFPに述べる。
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ムハンマド・マフルーフ氏(ラーミー・マフルーフ氏の父)はパリで声明を出し、イスタンブールの会合で発足準備がなされたシリア国民評議会メンバー候補者に自身が含まれていることを何ら認知していなかったことを明らかにする。
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サミール・カフターン・ハワーシュ氏が「帰属開発党」の公認申請を行った。同党は国民統合、国民としての帰属意識の強化、祖国と市民の能力開発などを目的とする、という。
B.リン・パスコー国連事務次長は潘基本事務総長が「シリアでの弾圧行為の継続は、改革への約束への信頼を損ねる」と述べ、「国民に対する暴力の停止と、軍事作戦停止という誓約遵守」を求めるとともに、シリアでの人権侵害調査のために人権理事会が発足を決定した国際調査委員会への完全なる協力を求めたと伝えた。
国連の人権調査チームはシリアでの任務を終えた。同チームはダマスカス、ヒムス、バーニヤース、ラタキア、ハマー、アレッポ、イドリブを視察した。
こうしたなか、ロシアと中国は、英国が呼びかけた国連安保理の非公式会合をボイコットした。この非公式会合ではアサド大統領を含むシリア政府高官らへの制裁を定める決議案が審議された。
これに関して、西側外交筋は、ロシア、中国のボイコットを「国際の平和と安全を担う責任をもつ常任理事国として受け入れられない行為」と非難。
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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣はトルコのNTVとのインタビューで、「我々はシリアにおいて選択せねばならないなら、国民の側につくだろう」と述べる。
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イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領は、ヒズブッラーが運営するテレビ局マナールとのインタビューで、「一つの国のなかで、国民と政府高官との間に問題が発生したら、互いに席につき、暴力を遠ざけ、妥協策に至らねばならない」と述べた。
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デンマークの運輸・石油会社The A.P. Moller – Maersk Groupのスポークスマンは、西側諸国の制裁発動に呼応し、バーニヤースの石油精製所からの請求輸送に関する合意を破棄すると発表。
AFP, August 25, 2011、AKI, August 25, 2011、AP, August 25, 2011、Akhbar al-Sharq, August 26, 2011、al-Hayat, August 26, 2011, August 27, 2011、Kull-na Shuraka’, August 25, 2011, August
26, 2011、August 27, 2011、al-Manar, August 25, 2011、Reuters, August 26,
2011、SANA, August 26, 2011などをもとに作成。
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