サウジアラビアで反体制派拡大会合「リヤド2会合」が開幕、アサド政権退陣を交渉と政治移行の前提条件とする閉幕声明案を準備(2017年11月22日)

サウジアラビアの首都リヤドで、シリアの反体制派拡大会合(「リヤド2会合」)が開幕した。

会合はサウジアラビア外務省の主催で、24日までの2日間の予定で開催され、リヤド・プラットフォーム、カイロ・プラットフォーム、モスクワ・プラットフォーム、そして無所属活動家や反体制武装集団幹部ら合わせて約140人が参加した。

もっとも多くの代表者を送り込んだのはリヤド・プラットフォームに属するシリア革命反体制勢力国民連立で23人が参加、また反体制武装集団も、イスラーム軍のムハンマド・アッルーシュ政治局長(シリア革命軍事諸勢力代表団)、バッシャール・ズウビー氏(最高交渉委員会、ヤルムーク旅団)ら21人が参加した。

なお無所属活動家の数は70人以上に達し、そのなかにはアーリフ・ダリーラ氏、ヤフヤー・カドマーニー氏らが含まれていた。

会合には、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表もオブザーバーとして出席した。

だが、20日に最高交渉委員会(リヤド・プラットフォーム)の代表(総合調整役)職からの辞意を表明したリヤード・ヒジャーブ元首相、そしてスハイル・アタースィー女史ら幹部は会合には参加しなかった。

al-Durar al-Shamiya, November 22, 2017

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サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣は会合の冒頭、「王国はシリア国民に寄り添うとともに、常に公正な解決に向けて彼らの意思を実現しようとしてきた…。あなた方は今日、危機を終わらせ…、問題を解決し、新たな未来に向けて移行するという歴史的な責任の前にその身を置いている」と述べるとともに、「我々は彼らが必要なすべてを支援し、彼らが一つになってこの会議を終えることができるよう願っている」と強調、ジュネーブ8会議開催に先立ってシリアの反体制派が統合できるよう支援する意思を表明した。

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会合では、23日に発表される予定の閉幕声明案の内容、具体的には、新憲法起草、アサド大統領や政権幹部の処遇などに関する反体制派の統一ヴィジョン、ジュネーブ8会議(11月28日開幕予定)に参加する反体制派の統一代表団の結成の是非が審議された。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月22日付)が独自に入手した声明案には、以下のような文言が盛り込まれているという。

1. 出席者の領土の一体性と保全に専心し、いかなる割譲・放棄も許さず、シリアが多民族・多文化国家であるべきと強く表明する。
2. シリアは、民族、宗教、宗派が多様な分権的民主政体を有する国家であるべき。
3. 国際社会における取り決め、人権を尊重する。
4. 市民権の平等、代議制の原則に依拠する。
5. シリアの国家機関の維持を制約し、軍・治安機関を再編する。
6. あらゆる形態の過激派、テロを拒否する。
7. 地域の治安と安定を揺るがし、その人口動態を改編し、国家テロ、宗派主義的外国人民兵などのテロを育むイランなどの地域諸国、諸外国の干渉を拒否する。
8. 国際社会の合意に基づくシリア危機の政治的解決。
9. あらゆる問題に対する無条件の直接交渉。
10. 交渉に際しての「限度」としての、バッシャール・アサドと政権幹部の退陣を起点とする移行期開始」。
11. シリア政府代表団との交渉に際して共通の姿勢、原則、統合的な組織を有する交渉代表団の設置・
12. 反体制派の交渉代表団メンバーの移行期統治機関(移行政府)およびそれに関連する機関への参加の禁止。

『ハヤート』(11月22日付、11月23日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(11月22日付)などが伝えた。

AFP, November 22, 2017、ANHA, November 22, 2017、AP, November 22, 2017、ARA News, November 22, 2017、Champress, November 22, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 22, 2017、al-Hayat, November 22, 2017、November 23, 2017、al-Mada Press, November 22, 2017、Naharnet, November 22, 2017、NNA, November 22, 2017、Reuters, November 22, 2017、SANA, November 22, 2017、UPI, November 22, 2017などをもとに作成。

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