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9月18日、シリアの学校の新学期(新年度)が始まった。
フェイスブックの「シリア革命2011」ページでシリア革命調整連合が「バアスの教育を打倒する金曜日」と銘打って、学生・生徒に抗議行動を呼びかけるなか、各地で小規模(100人規模)ながらも学生・生徒がデモを行った。
またアラビーヤ(9月18日付)によると、デモが行われた各地では約半数の学生が欠席した。
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ダマスカス郊外県では、シリア革命調整連合によると、キスワ市で多数の小学生が街頭に出て「体制打倒まで授業はない」と連呼した。これに対して、治安部隊が空砲を発射し、排除した。犠牲者はでなかった。
またオガレット・ニュース・ネットワークによると、カナーキル村、ダーライヤー市でも学生がデモを行った。
シリア革命調整連合によると複数の学生・生徒が逮捕され、オガレット・ニュース・ネットワークによると、ダマスカス県ドゥンマル区でゼネストを呼びかけた12歳以下の生徒8人が逮捕された。
国内の反体制勢力は大会を閉幕。大会はダマスカス郊外県のハルブーン村で17日、18日に行われた。
国民民主変革諸勢力国民調整委員会の呼びかけのもと、アラブ民族主義勢力、社会主義勢力、マルクス主義勢力、クルド民族主義勢力、無所属活動家(ミシェル・キールー氏、アーリフ・ダリーラ氏ら)ら、300人が出席した。
閉幕声明では、「三つのいいえ」と題して、「外国の干渉に反対、暴力に反対、宗派主義に反対」との立場を掲げ、「専制治安体制」打倒ために活動を行うことを確認、「政治活動に際して外国の軍事介入と暴力行使を拒否」するとともに、「宗派主義的な煽動」を拒否した。
声明ではまた「政府が軍事的・治安的選択肢をとり続け、治安部隊、軍、シャッビーハが平和的デモ弾圧を行うことが、武力による復讐というリアクションをもたらす主な要因である」として、政権を批判しつつも、「革命の平和的性格」を維持する必要を強調し、抗議行動の「軍事化」を拒否した。
その一方、「政治的行動は原則として無視することはできない。しかし政治的解決は、軍事的・治安的解決が停止され、過渡期への道が開かれ、歴史的和解が実現し、民主的・代議制的・多元的市民国家建設の条件が満たされて初めて可能である」と条件付きながらも政治的解決の可能性を認めた。
また政治的解決への条件として、政権側による暴力の停止とともに、市民への殺戮・脅迫行為に関与した者の処罰を求めた。
閉幕声明全文はhttp://all4syria.info/web/archives/28591を参照。
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『クッルナー・シュラカー』(9月18日付)は、ダーライヤーの地元調整委員会がフェイスブックで、ギヤース・マタル氏の家族が「米大使を出迎えたマタル家は滅びる」などと家の壁に落書きされたことを明らかにし、治安当局に嫌がらせをやめるよう求めたと報じた。
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イスラーム民主無所属潮流が声明を出し、ダマスカスで開催された国民民主変革諸勢力国民調整委員会の大会を非難。
声明によると、「政府の目と耳が届くシリアの首都で青信号が出された後に開催された大会は、政府がこうした方法に満足しており、そのことが、殉教者の流血に引き続き奉仕するだけ」であるという。
イスラーム民主無所属潮流はシリア・ムスリム同胞団とともにイスタンブールでのシリア国民評議会に参加しており、この非難声明により、アラブ民族主義、社会主義諸政党からなる反体制政党連合のシリア国民民主連合との間で反体制の主導権争いが生じている実態が改めて明らかになる。
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シリア・アラブ人権機構は声明を出し、軍・治安部隊がダマスカス郊外県のタッル市でウマル・ムニールバスラくん(12歳)が逮捕されたと発表。
アサド大統領はロシア国会使節団と会談。ロシアの「バランスがとれた建設的な姿勢」を評価するとともに、「外国の干渉は地域諸国を分断と分裂の脅威にさらし、過激化を助長する」と述べた。
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ダルアー県刑事保安局の処理班はダルアー市の商業地区(ハーナーヌー通り)に市かけられた時限爆弾(6キロ)を撤去。
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SANA(9月20日付)は、ハマー市のダーヒリーヤ交差点で武装テロ集団が治安維持部隊を要撃し、4人が殉職、18人が負傷したと報じた。
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ヒムス市で「市民性・帰属意識会合」と題した会合が同市のキリスト教徒らによって開催され、外国の内政干渉、外国メディアによる情報操作に反対。
AFP, September 18, 2011、Akhbar al-Sharq, September 18, 2011、September 21, 2011、Alarabia.net, September 18, 2011、AP, September 18, 2011、al-Hayat, September 19, 2011、Kull-na Shuraka’, September 18, 2011、Reuters AFP,
September 18, 2011、SANA, September 19, 2011, September 20, 2011などをもとに作成。
(C)青山弘之All rights reserved.
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