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大統領府声明によると、バッシャール・アサド大統領は、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグア、ラテン・アメリカ左派政権6カ国(ALBA)の使節団と会談し、シリアが実行している措置は「政治改革と武装デモの掃討」という二つの基軸に力点が置かれていると述べ、「改革プロセスは継続中であり、それはいかなる外国勢力の動きとも結びついていない主権に根ざした決定に沿って行われている」と述べた。
これに対してALBA使節団は、メディアなどでのシリアに対するネガティブ・キャンペーンに反対の意思を示すとともに、シリア内政への外国の干渉を拒否するとの姿勢を示した。
またワリード・ムアッリム外務大臣は、ALBA使節団との会談後の記者会見で「反体制のシリア国民評議会を承認するいかなる国に対しても我々は厳しい措置をとる」と述べた。
またタンムー氏暗殺に関して「武装テロ集団が殉教者ミシュアル・タンムー氏を暗殺した…。この反体制活動家は外国の干渉を要求し、ハサカ県で内乱を起こそうとしていた潮流に身を置いていた」と述べた。
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イフバーリーヤ・チャンネルは共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師の演説を放送、そのなかでハッスーン師は、「シリアがひとたび爆撃を受けたら、レバノンとシリアのすべての男女は欧州とパレスチナの地で殉教者となるだろう。このことを、欧州に言いたい。このことをアメリカに言いたい。我々は今、おまえたちに立ち向かうため殉教者になる用意がある。もしシリアを爆撃したら、あるいはレバノンを爆撃したら、明日は目には目を、歯には歯をという結果が待っている」と述べた。http://www.youtube.com/watch?v=F6sJa8iiOmM
ミシュアル・タンムー氏の息子のファーリス・タンムー氏はAP(10月9日付)の取材に対して、「我々のメッセージは、父が生きていようといまいと、革命を継続せねばならない、というものである…。シリアで独裁がなくなるまで闘争は続くだろう」と述べた。
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スウェーデンで会合を続けていたシリア国民評議会のメンバー約90人は2日間の審議を終え、国際監視団のシリアへの派遣を要求することで合意した。
しかし、外国の軍事的介入には依然として反対の意思を示した。
一方、シリア国民評議会の使節団がエジプトの首都カイロに到着した。
使節団はブルハーン・ガルユーン、アディーブ・シーシャクリー、バスマ・カドマーニー、ヤースィル・ナッジャール、ワーイル・マルザ、サミール・ナッシャール、ファールーク・タイフール、ジャビル・シャウキー、イマードッディーン・ラシード、ムハンマド・サルミーニーの10人。
エジプト国内で反アサド政権の世論形成を目指す予定。
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『シャルク・アウサト』(10月9日付)は、シリア・ムスリム同胞団のリヤード・シャカファ最高監督者が、「同胞団による(マイノリティ宗派への)脅迫は(政権による)ねつ造であることを西側は気づくようになった…」と述べたと報じた。
またシャカファ最高監督者は、同胞団と米国が接触していることを否定しつつ、EUとは間接的に対話を行っていると述べた。
また「我々には組織基盤がない。単に支援しているだけだ」と述べ、シリア国内での動員力のなさを認めた。
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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると、シリア治安当局はナウワーフ・ブン・ラーギブ・バシール氏(7月31日逮捕)を釈放した。
同氏に関してはアラビーヤが死亡報道を流し、シリア・アラブ・テレビがこれを否定していた。
バシール氏はダマスカス宣言事務局メンバーでバッカーラ部族の代表と目されている。
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シリア人権監視団によると、ドゥマイル市で10月8日に殺害された青年の葬儀に対して、治安部隊が発砲し、4人を殺害した。
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シリア人権監視団によると、ハマー県のジブリーン地区で3人が軍・治安部隊、シャッビーハに殺害された。
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複数の活動家・目撃者によると、軍・治安部隊がヒムス市周辺への展開を続け、ライフラインは遮断されたままだという。
ロシアのミハイル・ボグダノフ外務次官はロシアのRIAノーヴォスチ通信の取材に答え、ロシア高官がアサド政権と反体制勢力の対話の場を準備していることを示唆した。
同副大臣は、モスクワでの両者の対話に関して、「我々は今のところこうした提案を正式にしてはいないが、こうした動きがないとは言わない。なぜか?なぜならそれが建設的なステップだと考えているからである」と述べた。
なおシリア国内の反体制勢力の使節団が10月10日にロシアを訪問することになっている。
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『ワシントン・ポスト』(10月9日付)は、イラク政府がアサド政権を政治的にも財政的にも支援している、と報じた。
同紙によると、最近、シリアの使節団が二度イラクに招聘され、通商関係強化のための合意を締結したという。
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ミシュアル・タンムー氏暗殺に抗議するかたちで、ロンドンとウィーンのシリア大使館前で反体制デモが行われた。
またベルリンのシリア大使館、ハンブルグの領事館前でも反体制シリア人によって襲撃された。
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ドイツ外務省報道官は、ミシュアル・タンムー氏暗殺を非難しつつ、ベルリンのシリア大使館へのシリア人反体制活動家の襲撃を非難した。
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トルコ外務省は声明を出し、ミシュアル・タンムー氏暗殺に関して「反体制勢力を弾圧する試みを厳しく非難する」と発表した。
AFP, October 9, 2011、Akhbar al-Sharq, October 9, 2011、AP, October 9, 2011、al-Hayat, October 9, 2011、October 10, 2011、Kull-na Shuraka’, October 9, 2010、Reuters, October 9, 2011、al-Sharq al-Awsat, October 9, 2011、SANA, October 10, 2011などをもとに作成。
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