シリア国民評議会が会合を開き事務局メンバーを決定、また同評議会の使節団がトルコ外相と初会談(2011年10月17日)

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反体制勢力の動き

『ワタン』(10月17日付)は、国民民主諸勢力国民調整委員会がファーイズ・サーラ氏とミシェル・キールー氏の離反を否定したと報じた。

同報道によると、同委員会渉外局長のアブドゥルアズィーズ・ハイイル氏が「サーラは執行部の退任を申し出たが、依然として委員会メンバーである…。委員会を標的とした噂」と述べ、否定したという。

Kull-na Shuraka’, October 17, 2011

両氏の離反に関しては、『ザマーン・ワスル』(10月16日付)がハーズィム・ナハール氏、ファーイズ・サーラ氏、ミシェル・キールー氏が委員会を脱退したと報じていた。

国民民主諸勢力国民調整委員会がホームページを立ち上げた。

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アラブ連盟本部でのバッシャール・アサド政権と反体制勢力との対話を呼びかけたアラブ外相会議の決定に関して、シリア国民評議会は、政権による民間人殺戮という事態を受け「原則」拒否し、当事者間の対話のための連盟閣僚委員会の設置を「死んだ決定」と評した。

これにより、アラブ外相会議の決定は、アサド政権と反体制勢力双方から拒否されたこととなった。

 

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シリア国民評議会使節団はトルコのイスタンブールでアフメト・ダウトオール外務大臣と会談した。

同評議会が外国政府外相と会談するのはこれが初めて。

ダウトオール外務大臣は「残念ながら、我々の呼びかけにもかかわらず殺戮は止んでいない。だから我々がすべての当事者と会合を持つことは自然だ」と述べた。

会談では、平和的に民主化運動を行うよう評議会に求めるとともに、シリアの現状は長くは続かないだろうと強調した。

シリア国民評議会のメンバーでトルコ在住のハーリド・ハウジャ氏はAFP(10月18日付)に対して、評議会執行部を発足するための会合がイスタンブールで開催され、代表者たちが出席したと述べた。

シリア国民評議会は10月16、17日の両日、イスタンブールで事務局会合を開催、閉会後に声明を出し、事務局メンバー、事務局長、執行部メンバーを選出したと発表した。

同声明によると、事務局メンバーは以下の通り:

ブルハーン・ガルユーン(事務局長)
サミール・ナッシャール
ムハンマド・ファールーキウ・タイフール(シリア・ムスリム同胞団)
バスマ・カドマーニー(報道官)
アブドゥルバースイト・スィーダー(クルド人活動家)
アフマドゥルアハド・イスティーフー(アッシリア教徒活動家)
アフマド・ラマダーン
アフマド・サイイド・ユースフ
アブドゥルハミード・アタースィー
アブドゥルイラーフ・ターミル・トゥラード・ムルヒム
イマードッディーン・ラシード
ジャブル・シューフィー
ワーイル・ミルザー
ムハンマド・バッサーム・ユースフ
アナス・アブダ
カーティリーン・タッリー
ムティーウ・バティーン
ナジーブ・カドバーン
ナズィール・ハキーム

また執行部メンバーは以下の通り:

ブルハーン・ガルユーン議長(任期は3ヵ月)
サミール・ナッシャール
ムハンマド・ファールーク・タイフール
アブドゥルアハド・イスティーフー

http://www.levantnews.com/index.php?option=com_content&view=article&id=9482:-19-5-&catid=81:syria-politics-headlines&Itemid=55

在米反体制活動家のラドワーン・ズィヤーダ氏はRT(10月17日付)に対して、シリア国民評議会がロシア上院(連邦会議)国際問題委員会のミハイル・マルゲロフ委員長との会談を呼びかけていると述べた。

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『クッルナー・シュラカー』(10月17日)は、先週末、ダマスカス県旧市街のハリーカ地区で、自転車に乗った男が密閉された箱をハリーカ広場に放置して立ち去り、その5分後に箱のなかから、録音された革命を鼓舞する歌やシュプレヒコールが再生された、と報じた。

その後近くの商店主が警察に通報、爆発物処理班などが駆けつけ、同地区は一時閉鎖された。

箱のなかにはカセットデッキとリモコン装置が入っていただけだったという。

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ムハンマド・マフルーフ氏(ラーミー・マフルーフ氏の父)とブトルス・ハッラーク氏は、10月9日にオリエント・チャンネルで発足が宣言された反体制組織、シリア民主主義のための連立に関して、連名で声明を出し、同組織に参加していないと発表した。

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シリア人権侵害文書センターは、3月以来約250人の医師、薬剤師が逮捕されたと発表した。また先週だけで25人の医師、薬剤師が身柄拘束されたと付言した。

地元調整諸委員会によると、軍・治安部隊は最近、「負傷者の治療を行っている疑いのある民間の病院やクリニックを標的にしている」という。

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ルワイユ・フサイン氏が率いるシリア国家建設潮流は「アラブ連盟がシリア情勢に関心を示すことを歓迎する」としたうえで、外相会議の声明への支持を表明し、「シリアの反体制勢力がアラブ連盟の呼びかけに応じることを希望する」との声明を出した。

アサド政権の動き

『クッルナー・シュラカー』(10月17日付)は、学校校長の一人の話として、全国の学校にバアス党の「統一、自由、社会主義」という基本原則を学生に連呼させないよう口頭で通達があり、数日前から朝礼などでは「単一のアラブ民族、永遠の使命を担う」という党のスローガンのみが連呼されるようになったと報じた。

なお、バアス党に関しては、「統一、自由、社会主義」がスローガンだと広く誤解されているが、正式なスローガンは「単一のアラブ民族、永遠の使命を担う」で、「統一、自由、社会主義」は実現目標、基本原則である。

反体制運動掃討

ヒムス県、ハマー県、イドリブ県、ダイル・ザウル県で学生らによる反体制デモが発生したと報道されたが、情報源はそのほとんどがロンドンを拠点とする在外反体制組織のシリア人権監視団であった。

同監視団はまた離反兵が軍・治安部隊を要撃したとも発表しており、反体制運動が一般市民による平和的デモから散発的な武装闘争にシフトしている事実を暗に認めた。

SANA, October 18, 2011

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ヒムス県クサイル市と軍・治安部隊と離反兵が衝突し、シリア人権監視団などによると、この戦闘で7人が殺害された。

クサイル市での衝突に関して、約20人の正規軍兵士が離反し、その後25輌の戦車が同地に進入した、という。

シリア人権監視団によると、ヒムス市で治安部隊が発砲し、3人が死亡した。また治安部隊は大規模な逮捕・捜索活動を行っており、少なくとも25人を逮捕した。

SANA(10月18日付)は、信頼できる消息筋の話として、ヒムス市ハーリディーヤ地区での治安維持部隊と武装テロ集団との戦闘により、武装テロ集団メンバーのジャースィム・アッファーラ氏ら6人を殺害、15人の指名手配者を逮捕したと報じた。またバーブ・スィバーア地区では大量の武器弾薬を応酬し、武装テロ集団のリーダー1人を逮捕したと報じた。

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イドリブ県ザーウィヤ山一帯で軍・治安部隊と離反兵が衝突し、シリア人権監視団などによると、この戦闘で士官を含む4人が殺害された。

シリア人権監視団によると、離反兵はイフスィム村近くで爆発装置を用いて軍の車輌を爆破した、という。また戦闘はマアッラト・ヌウマーン市近くでも発生し、17人が負傷した。

シリア人権監視団によると、カフル・アイン村で治安部隊が発砲し、2人が死亡した。またヒムス県ラスタン市郊外で今月初めに逮捕された青年の遺体がハマー県ハマー市の家族に引き渡された。

また同監視団によると、ハース、ジューバース、マアッラト・ハルマ、イフスィム、カフルニブルで学生が反体制デモを行った。

SANA(10月18日付)は、武装テロ集団がサラーキブ市郊外の石油パイプラインを襲撃したと報じる。同報道によると、その後、パイプラインに石油を盗むための穴数十カ所があけられていたことが発見されたという。

『クッルナー・シュラカー』(10月17日付)は、イドリブ県になるシャッビーハがジャーナリスト・ビジネスマンのガッサーン・アッブード氏の自宅を襲撃し、家財道具を破壊、庭園のオリーブの実を強奪したのち、木を切り倒した、と報じた。

同報道によると、アッブード氏は自らが経営するオリエント・チャンネルにたびたび出演し、反体制抗議運動を鼓舞していた。

アッブード氏はこれまでにもオリエント・チャンネルの買収を試みていたラーミー・マフルーフ氏と対立した際も、さまざまな嫌がらせを受け、同チャンネルのダマスカスの事務所が閉鎖処分を受けていた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市に軍・治安部隊の戦車、装甲車、四輪駆動車が進入し、11人を逮捕した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で治安当局がフラート大学の学生6人を逮捕した。ダイル・ザウル市では、中高生も参加した反体制デモが発生した。

諸外国の動き

フランス外務省のベルナール・ヴァレロ報道官は記者会見で、アサド大統領による憲法草案準備委員会に関して、「体制が毎日殺戮、投獄、拷問を続けているなか、信頼を欠くものである」と非難するとともに、GCCのイニシアチブのもとにアラブ連盟がシリア内政に干渉することを歓迎した。

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国連潘基文事務総長は、「アサド大統領は手遅れになる前に暴力を停止する」としたうえで、「3,000人を殺害するなど受け入れられない」と改めて非難の意を表した。

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英国の石油企業ガルフサンズ社は、8月以降に石油生産(241,112バレル/日)にかかる代金をシリア側から受け取っていないと発表した。

同社は石油生産の90%以上をシリア国内で行っている。

AFP, October 17, 2011, October 18, 2011、Akhbar al-Sharq, October 18, 2011, October 19, 2011、AP, October 18, 2011、al-Hayat, October 18, 2011, October 19, 2011、Kull-na Shuraka’, October 17, 2011,
October 18, 2011、Reuters, October 18, 2011、SANA, October 18, 2011、al-Watan, October 17, 2011、Zaman al-Wasl, October 16, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

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