国連安保理事会では、シリアでの化学兵器使用疑惑への対応を協議するための会合が開かれた。
『ハヤート』(2月6日付)によると、会合では、ロシアが、2017年11月に任期終了となった国連とOPCWの合同査察機構(JIM)に代わる新たな調査委員会の設置を提案した。
しかし、ニッキー・ヘイリー国連米大使は、「信頼できる調査の基礎を完全に無視している…。提案は調査の信頼性をなくすために策定されている…。これにより、ロシアは調査員を選別し、安保理に報告書が提出される前に、その内容に制限を加えようとしている」と非難、シリアのアサド政権がサリン・ガスを使用した「明白な証拠がある」と主張、ロシアに対してこうした攻撃を非難するために「正しい決定」を行うよう迫った。
また、英国、フランス、オランダ、ポーランドも米国に同調した。
これに対して、ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使は、「米国と英国は、ソチでのシリア国民対話大会の成功に懸念し、ロシアを非難するための口実として(化学兵器の問題を)利用している」と反論した。
また、ムンズィル・ムンズィル国連シリア副代表は、「自らが支援してきたテロリストが座礁に乗り上げ、シリア軍を前に後退する度に、米英は嘘を流している…。テロ集団にこそ化学兵器使用の責任がある」と発言した。
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一方、『ハヤート』(2月8日付)によると、米国は、2月1日にダマスカス郊外県東グータ地方のドゥーマー市でシリア軍が塩素ガスを使用したとの情報に基づき、この攻撃を国連が「もっとも厳しい表現で非難」し、「塩素ガスを含む化学兵器使用に責任を負う者への制裁」を科すとした声明の採択をめざした。
これに対して、ロシア側が「グータ地方」の削除を求めたが、米国はこれを拒否したという。
AFP, February 5, 2018、ANHA, February 5, 2018、AP, February 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 5, 2018、al-Hayat, February 6, 2018、February 7, 2018、Reuters, February 5, 2018、SANA, February 5, 2018、UPI, February 5, 2018などをもとに作成。
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