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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市では離反兵が市内の治安本部2カ所を襲撃し、28日晩から29日にかけて軍・治安部隊兵士17人を死亡した。
またシリア人権監視団によると、軍は、ヒムス市バーブ・アムル地区のデモに対して対空砲で砲撃し、同市ダイル・バアルバ地区などで市民2人が治安部隊に射殺された。
このほか、シリア人権監視団によると、またタルビーサ市でも女性1人が治安部隊に射殺された。
これに対して、SANA(10月30日付)は、ヒムス市で治安維持部隊が武装テロ集団と交戦し、テロリスト6人を殺害、20人を逮捕したと報じた。同報道によると治安維持部隊側にも4人の犠牲者が出た。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊と離反兵が交戦し、前者の兵士10人と離反兵1人が死亡した。
これに対して、SANA(10月30日付)は、ザーウィヤ山に近いマルイヤーン村で武装テロ集団が協力を拒んだ村人1人を殺害したと報じた。またバシーリーヤ村では、同じく武装テロ集団が村人2人を誘拐したと報じた。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊と離反兵が交戦した。
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なおシリア人権監視団は29日晩に声明を出し、ヒムス県、イドリブ県での軍と離反兵との衝突で、シリア軍兵士が少なくとも20人殺害され、50人が負傷してヒムス軍事病院に搬送されたと発表した。
またヒムス市では、軍・治安部隊の砲撃や発砲で市民12人が殺害されたと発表した。
ドイツのドイッチェ・ヴェーレ・チャンネル(10月29日付)、シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン議長が、将来のシリアにおいてクルド人が自らを排除しないよう求めていることをどう捉えているかとの問いに対して「シリアの国家としてのアイデンティティは、住民の大多数がアラブ人であるために、アラブ的である」と述べ、それ以外の民族集団がフランスのイスラーム教徒はアジア系移民の存在に似ているとしたと報じた。
これに対して、ガルユーン氏はフェイスブックで「訂正とお詫び」のメッセージを掲載し、クルド人に謝罪するとともに、自らの前言を撤回した。
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AKI(10月29日付)は国民民主変革諸勢力国民調整諸委員会の指導者らが「中国がシリア国民の側につくだろう」との見方を示した。
同報道によると、中国の呉思科中東問題特使と同調整委員会との会談は「反体制勢力ではなくシリア政府の圧力によるもので、シリアの反体制勢力は特使との会談を求めておらず、特使がそれを求めた。反体制勢力は自らの見解を特使に示した」。
またこれに対して呉特使は、「シリアの危険な現状を解消し、民主的・代議的・多元的な体制へと移行させるための政治プロセスを開始するのに必要な雰囲気を醸成する活動」をとらねばならないと述べ、暴力・殺戮の即時停止、逮捕者の釈放、軍・治安部隊の撤退、平和的デモ権の保障、責任者の処罰などに理解を示したという。
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SANA(10月30日付)は、変革解放人民戦線が、ダマスカス県内で第1回大会を開催したと報じた。
約250人が参加した同大会は、行動閉幕声明を出し、外国の内政干渉拒否、暴力の停止、国民対話会合支持の姿勢を改めて確認した。
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シリア国民評議会が声明を出し、28日(金曜日)のアサド政権による弾圧を非難した。
SANA(10月29日付)は外務省高官筋の話として、ワリード・ムアッリム外務大臣がアラブ連盟外相使節団団長を務めるカタールのハマド・ブン・ジャースィム・アール・サーニー首相兼外務大臣から28日晩遅くにメッセージを受け取ったと報じた。
同報道によると、同高官は同メッセージが「シリアで起きていることに関して偏った扇動を行う放送局の偽りの情報に基本的に依拠している」としたうえで、「外相委員会委員長は、扇動放送局が広めている姿勢を発表するのではなく、真実に依拠すべきであった」と批判したという。
またムアッリム外務大臣は、「ドーハでシリア政府と外相委員会で日曜日に行われる予定の会合に先立ってこのような方法」がとられることに「違和感」を感じていると続けた。
この発言は、昨日、アラブ連盟外相委員会が、シリア政府に対して、「民間人への殺戮を停止するよう」厳しく批判するメッセージを送ったことに対する動きである。
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アラブ連盟事務局のハーリド・アル=ハッバース顧問は、連盟の使節団がシリア問題を協議するために中国を公式訪問すると発表した。
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エジプト作家連盟と在エジプト・シリア人有識者らが共同声明を出し、11月2日にシリアのアラブ連盟メンバーシップ凍結とシリアの作家連盟のアラブ作家連盟メンバーシップ凍結を求めるデモ行進を行うと発表し、参加を呼びかけた。
SANA(10月29日付)、Syria News(10月29日付)などは、シリア・アラブ共和国憲法草案準備国民委員会が10月31日に会合を開催すると報じた。
モスクワ、ロンドン、マドリード、ベルグラード、ブルノ(チェコ)、ブダペスト、ブラティスラバ、アンマン、で、ロシア在住のシリア人がアサド大統領の改革支持、外国の干渉拒否を訴える集会を開いた。
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ロンドンで約2,000人がアサド政権の弾圧に抗議し、シリアでの革命を支持する集会を開催した。
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国連の潘基文事務総長が、シリア政府に対して、「民間人に対する軍の攻撃の停止」、政治犯の釈放を改めて求めた。事務総長報道官が発表した。
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AKI(10月29日付)は、EUの複数の外交筋の話として、EU加盟諸国がアサド政権への抗議の意思表示の一環として、大使召還を検討していると報じた。
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AFP(10月30日付)、『アクス・サイル』(10月29日付)は、米国のブルーコートシステムズ社(本社カリフォルニア)は、自社がイラク通信省に売却したインターネット制御機器がシリアで、反体制勢力のウェブ上での活動を監視するために使用されている可能性があると発表した。
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レバノンの内務治安軍総局は声明を出し、シリアに武器を密輸しようとしたシリア人1人を逮捕したと発表した。
AFP, October 29, 2011, October 30, 2011、Akhbar al-Sharq, October 29, 2011, October 30, 2011、AKI, October 29, 2011、‘Aks al-Sayr, October 29, 2011、al-Hayat, October 30, 2011, October 31, 2011、Kull-na Shuraka’, October 29, 2011, October 29, 2011、Naharnet, October 30, 2011、NNA、Reuters, October 29, 2011、SANA, October 29, 2011, October 30, 2011、Syria News, October 29, 2011などをもとに作成。
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