米国が在ダマスカス大使を本国に召還する一方、ヒズブッラー書記長がアサド政権へと支持を改めて表明(2011年10月24日)

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諸外国の動き

米政府はバッシャール・アサド政権がロバート・フォード在ダマスカス米大使に対する「扇動キャンペーン」を行っているとの理由で、同大使を米本国に召還した。

Akhbar al-Sharq, October 24, 2011

『ハヤート』(10月25日付)は、米高官の話として、この召還は「正式な大使引き上げを意味しない」と報じた。

マーク・トナー米国務省副報道官は、フォート大使のシリアへの帰国は「シリア国内での体制による扇動や治安状況への我々の評価」に関わっており、「シリア政府がフォード大使への扇動キャンペーンを止めることを希望する」と述べた。

この動きに対抗して、シリア政府はイマード・ムスタファー在ワシントン大使を召還した。

米国務省報道官は記者会見で、「過去数週間にわたってシリア軍がレバノン領内に侵入している」と非難したうえで、レバノンの主権を尊重するよう警告を発した。

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アラン・ジュペ仏外務大臣は、ロバート・フォード在ダマスカス米大使の召還を受け、フランスにはシリアから外交官を引き上げる意思がないと述べた。

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レバノンのヒズブッラーが運営するヌール放送はHPで、トルコの高官が10月21日(金曜日)にダマスカスを極秘訪問し、「数日後に明らかになるであろう任務の結果について話し合った」と報じた。

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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長がマナール・チャンネルを通じてテレビ演説を行い、そのなかで「今日シリアで要求されていることは、改革や民主主義実現ではなく、米国の条件を拒否してレジスタンスと抵抗を行う体制の打倒と、レジスタンス運動支援の停止である」と述べ、アサド政権への支持を改めて表明した。http://www.youtube.com/watch?v=ThRTRe4dTLE

Naharnet, October 24, 2011

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アムネスティ・インターナショナルは報告書を発表し、そのなかでシリアの病院や医師の状況を伝えた。

同報告書によると、軍・治安部隊が病院や医療関係者を標的とすることで恐怖が蔓延し、病院が反体制勢力を追跡するための「弾圧装置」と化していると非難した。http://www.amnesty.org.uk/news_details.asp?NewsID=19770

アサド政権の動き

『ワタン』(10月24日付)は、アサド大統領が今月中に国民対話大会を主催するだろうと報じた。同報道によると、同大会は「国が苛まれている危機を解消することを目的」としており「近く、ファールーク・シャルア副大統領を議長とする準備委員会が発足し、拡大国民対話大会準備の任につく」という。

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ラーミー・マフルーフ氏の事務所は、『ダマス・ポスト』(10月24日付)に対して、同氏が暗殺未遂にあったとの情報を否定した。

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MTV(10月24日付)は、シリア軍部隊がレバノンの北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地域フナイディル村に侵入し、密輸業者と交戦したと報じた。

LBC(10月24日付)によると、これによってシリア軍部隊は2人を逮捕したという。

反体制運動掃討

ヒムス県では、複数の活動家・目撃者によると、軍・治安部隊による大規模な逮捕・掃討作戦が続き、シリア人権監視団によると、ヒムス市内各所で少なくとも5人が殺害された。

また複数の活動家・目撃者によると、ヒムス市ワアル地区にあるバッル病院にシャッビーハが突入し、バイヤーダ地区から搬送された負傷者を連行した。

人権監視団によると、フーラ地方のタッルドゥー市などでは、軍・治安部隊が重火器を用いて攻撃を行った。

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Akhbar al-Sharq, October 24, 2011

ダルアー県では、複数の活動家・目撃者によると、治安部隊がゼネストの行われている都市に突入し、ストを中止させ、多数を逮捕した。

シリア人権監視団によると、アトマーン村、ダーイル町、イブタア町、サナマイン市、タファス市、サフム・ジャウラーン村、タスィール町、アドワーン村、ナワー市、ブスラー・シャーム市、ブスル・ハリール市、イズラア市、フラーク市、ジーザ町、ヒルバト・ガザーラ町、サイダー町、タイバ町、スーラ町、カティーバ村、(東西)ムライハ村、インヒル市、ジャースィム市、ムサイフラ町、ナスィーブ村など県内85%の都市・村でゼネストが続けられているという。

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シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県では、ハラスター市などで治安部隊が大規模な逮捕・追跡活動を行った。またドゥーマー市では犠牲者の葬儀が反体制デモに発展した。

シリア人権監視団によると、ブロガーのフサイン・ガリール氏が逮捕された。同氏はガザ紛争でパレスチナ人との連帯を、レバノン紛争でレジスタンスとの連帯を求めていたほか、「占領地ゴランのためのシリア・ブロガー」と銘打った活動を指導していた。

反体制勢力の動き

シリア・キリスト教民主連合がレバノン・マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教に宛てた覚書を発表、そのなかでシリア軍・治安部隊による民間人への暴力の停止、活動家の殺戮・誘拐・拷問の責任者の処罰、シリア憲法改正、アラブ連盟および国際社会への民間人保護要請、政権議会選挙に向けてイニシアチブを発揮するよう求めた。

またこれと合わせて、新憲法において、アッシリア教徒とシリア政教徒のエスニシティとしてのすべての権利とアラブ語の公用語化を保障するよう求めた。

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国民調整委員会執行部は声明を出し、シリア国内での弾圧の停止を求めようとしているアラブ連盟のイニシアチブを支持する声明を出した。

AFP, October 24, 2011、Akhbar al-Sharq, October 24, 2011, October 25, 2011、AP, October 24, 2011、Damas Post, October 24, 2011、al-Hayat, October 25, 2011, October 28, 2011、Naharnet, October 24, 2011、Kull-na Shuraka’, October 24, 2011, October 26, 2011、Reuters, October 24, 2011、SANA, October 25, 2011、Syria News, October 24, 2011、al-Watan, October 24, 2011、などをもとに作成。

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