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ヒムス県では、シリア人権監視団など複数の反体制活動家・目撃者によると、フーラ地域のカフルラーハー市で、シャッビーハが工場労働者11人(シリア人権委員会によると13人)を惨殺した。
シリア人権監視団によると、「武装集団が労働者に発砲した」という。またシリア人権委員会によると、彼らは後ろ手に縛られており、遺体は工場の外に放置されていたという。
複数の活動家らによると、虐殺は、ヒムス市近郊でアラウィー派宗徒9人が誘拐・殺害されたとの情報がSNSで広まった直後に発生したという。
これに対して、『ワタン』(11月2日付)は、ヒムス県で「武装テロリストがヒムス・ジュッブ・アッバース街道でバスを襲撃し、乗客をバスからおろし、市民11人を殺害した」と報じていた。
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シリア人権監視団によると、ヒムス市内各所で、軍・治安部隊の発砲により市民5人が殺害された。
またシャンマース地区では重傷を負っていた男性1人が死亡した。さらに同地区では女性1人の遺体が発見された。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、離反兵がしかけた爆弾が爆発し、治安部隊兵士7人が死亡した。また別の離反兵が治安要員を搬送するバスと車を襲撃し、8人を殺害した。
ヒムス県フーラ地域カフルラーハーでの虐殺に対する報復だという。
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『ザマーン・ワスル』(11月3日付)は、ダマスカス県にあるダマスカス大学医学部キャンパスで2日、学生が反体制デモを断行したが、多数の治安要員が展開し、強制排除されたと報じた。この際、男子学生5人、女子学生7人が身柄を拘束された、という。
国内で反体制活動を行うマルワーン・ハバシュ氏(元バアス党シリア地域指導部メンバー)は、AKI(11月1日付)に対して、バッシャール・アサド政権が国内と国外の反体制勢力の分断を試みているとしたうえで、それは大失敗を帰する」と断じるとともに、政権が「真の反体制勢力との対話のあらゆる機会を奪い続けている」と批判した。
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第三潮流は声明を出し、アサド政権がアラブ連盟外相会議のワーキングペーパーに同意したことを歓迎した。
また同潮流はシリア国内で反体制活動を行うムハンマド・ハバシュ人民議会議員の第三の道潮流とは異なる組織だと述べた。
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『ザマーン・ワスル』(11月4日付)は、在カイロ・シリア人報道官の話として、カイロで反体制活動を行うムハンマド・マアムーン・ヒムスィー元人民議会議員の弟ヤースィーン・ヒムスィー氏が2日にヒムス市で逮捕されたと報じた。
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変革解放人民戦線のカドリー・ジャミール代表は2日、『ハヤート』(11月3日付)に対して、自身がメンバーを務めるシリア・アラブ共和国憲法草案準備委員会の会合で、シリアを「多元的、民主的な共和制」と規定する条項が含まれていると語った。
ジャミール氏によると、1日の会合では、サリーム・ダッラ氏を報道官に任命した他、委員から具体的な意見が聴取され、その際に国営テレビで審議を放映し、国民に草案内容やそれに関する委員の意見を公開することを提案したという。
また憲法草案に関して、ジャミール氏は、民主主義、多元主義、領土保全、市民権を「憲法を越えた原則」とするよう提案したと述べた。
SANA(11月3日付)によると、ラッカ県ラッカ市とヒムス県サラミーヤ市でアサド大統領の改革支持と外国の内政干渉拒否を訴える大規模集会が開かれた。
カイロでアラブ連盟緊急外相会議(非公式)が開かれ、シリアのユースフ・アフマド代表は、事態収拾のためのワーキングペーパーに「漸進的に」同意した旨と正式に通達した。
会合後の記者会見で、カタールのハマド・ブン・ジャースィム・アール・サーニー首相兼外務大臣とアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、シリアの同意を歓迎しつつ、「実施されればよりうれしい…。ワーキングペーパー、とりわけ暴力、殺戮行為の停止と逮捕者釈放が真剣に実施されることを望む」と述べた。
シリアとアラブ連盟が合意に達したワーキングペーパーの内容は以下の通り:
1. シリア国民を保護するためのものであれ、すべての暴力行為の停止。
2. 最近の出来事における逮捕者の釈放。
3. 都市、住宅地区からのすべての武装デモの排除。
4. 真相究明および監視のため、関係するアラブ・国際機関、アラブ・国際メディアにシリア全土を開放。
なお上記4点とともに、ワーキングペーパーでは、シリア政府による誓約の履行、アラブ連盟外相委員会による国民対話大会開催準備に向けた反体制勢力と政府との連絡調整・折衝を求め、その期限を2週間としている。しかし開催地については明示していない。
シリアを「活断層」に例えたアサド大統領の発言に関して、フランス外務省報道官は、「バッシャール・アサドは議論をすり替え、国際世論の関心をそらそうとしている」と述べ国民の弾圧停止を改めて求めた。またアラブ連盟による事態収拾の試みを歓迎した。
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ドイツのギド・ウェスターウェレ外務大臣は、「国際社会はシリア政府にさらなる圧力をかける必要がある」と述べた。
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スーダンの首都ハルトゥームで、シリア国民救済人民委員会の活動家(スーダン人)2人がシリア大使館に反体制抗議運動弾圧に抗議する書簡を提出した。
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イランのハサン・フェイローズ・アーザーディー武装部隊参謀長はイラン学生通信(11月2日付)に対して、シリアが「シオニストの占領に対するレジスタンス・抵抗枢軸の前線をなす」と評価したうえで、アサド政権の崩壊した場合、「すべてのイスラーム教徒が蜂起し、米国、そしてシオニスト政体を倒すことになるだろう」と述べた。
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レバノンの3月14日勢力は定例の会合を開き、シリア軍によるレバノン領内での反体制勢力に追跡活動に関して、「シリア政府、ヒズブッラー、そして治安当局に責任がある」と非難する声明を出した。
AFP, November 2, 2011、Akhbar al-Sharq, November 2, 2011、AKI, November 2, 2011、AP, November 2, 2011、al-Hayat, November 3, 2011, November 4, 2011、Kull-na Shuraka’, November 2, 2011、Reuters, November 2, 2011、Naharnet, November 2, 2011、SANA, November 3, 2011、al-Watan, November 3, 2011、Zaman al-Waṣl, November 3, 2011, November 4, 2011などをもとに作成。
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