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シリア革命総合調整委員会、地元調整諸委員会などによると、各地で反体制デモが発生し、軍・治安部隊によって少なくとも33人が殺害された。
これらの反体制勢力によると、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ハサカ県(カーミシュリー市)、ヒムス県、イドリブ県、ハマー県、ダイル・ザウル県、ラタキア県でデモが発生したという。
これは、ハマー虐殺(1982年2月3日に掃討作戦開始)30周年に合わせて、シリア国民評議会、シリア革命総合委員会、地元調整諸委員会は共同声明を出し、「ハマーよ、済まない、我々を許してくれ」と銘打った反体制デモを呼びかけたことを受けた動きだと思われるが、デモの規模、継続時間などの事実確認はできず、ジャスィーラなどが煽動放送を通じて情報発信を続けたことなどから、反体制派のプロパガンダとみなすこともできる。
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シリア人権監視団によると、ダルアー県カフルシャムス町とナワー市で軍・治安部隊と離反兵が交戦し、前者の士官1人を含む8人が殺害された。
またジャースィム市でも、軍・治安部隊と離反兵が交戦し、前者の兵士1人が殺害された。
なお、シリア革命総合委員会によると、ダルアー県での死者数は4人。
一方、SANA(2月3日付)によると、ジャースィム市で武装テロ集団が敷設した地雷が爆発し、ジャースィム小学校の壁が破壊された。
またナワー市では、武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、後者の兵士5人が負傷した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バサーミス村で軍・治安部隊によって青年1人が射殺された。
またバルユーン村では2月1日に逮捕されていた青年の遺体が発見された。
なお、シリア革命総合委員会によると、イドリブ県での死者数は2人。
一方、SANA(2月3日付)によると、カフルタハーリーム町では武装テロ集団がしかけた爆弾が爆発し、子供2人が死亡した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団にようと、ダーライヤー市で軍・治安部隊によって、市民2人が殺害された。
またランクース市でも、未明に市民2人が殺害された。
なお、シリア革命総合委員会によると、ダマスカス郊外県での死者数は5人。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市南部で発生した反体制デモに、治安部隊が発砲し、1人が死亡した。
一方、SANA(2月3日付)によると、ダール・カビーラ村で治安維持部隊と武装テロ集団が交戦し、後者のメンバー3人を殺害した。
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ダマスカス県では、ダマスカス県および郊外県調整(委員会)報道官のウサーマ・シャーミー氏によると、複数カ所で金曜礼拝後に反体制デモが発生し、カフルスーサ区では1,500人が参加したという。
またマイダーン地区、マッザ区、アサーリー地区、カダム区でも比較的大規模なデモが発生し、インターネット上にビデオ映像が配信されたが、『ハヤート』(2月4日付)はデモの発生の事実確認ができない、と付言した。
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アレッポ県では、軍を離反したマアムーン・クルズィー大尉を名のる人物が「アレッポ自由人大隊」の発足を宣言し、自由シリア軍の傘下でアレッポ市および郊外での活動を行うことを明らかにした。
シリア革命総合委員会によると、同県で市民3人が殺害された。
一方、「アフバール・シャルク」(2月3日付)は、アフリーン市で反体制デモを行った反体制活動家たちが、PKK系のクルド民族主義政党、民主統一党のメンバーによって攻撃を受け、40人が負傷したと報じた。
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ラッカ県では、シリア革命総合委員会によると市民1人が殺害された。
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ハマー県では、シリア革命総合委員会によると、市民2人が殺害された。
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SANA(2月3日付)によると、スワイダー県クライヤー町で、アサド政権の改革支持、外国の干渉拒否を訴える大規模集会が開かれた。
AKI(2月3日付)は、バアス党が指導する連立与党の進歩国民戦線加盟政党のなかに、政党法に基づき結成が相次ぐ新党との連携を強めようとするバアス党との政治同盟の維持を疑問視し、バアス党との関係を再検討しようとする動きがある、と報じた。
同報道によると、バアス党と新党との連携関係においてもっとも顕著なのが、シリア共産主義者統一国民会議代表のカドリー・ジャミール氏やアリー・ハイダル氏が率いるシリア民族社会党(ハイダル派)の台頭で、カドリー氏はシリア・アラブ共和国憲法草案準備委員会のメンバーを務める一方、次期首相候補の筆頭と噂されている。
なお進歩国民戦線には、シリア共産党バクダーシュ派、同ファイサル派、シリア民族社会党マハーイリー派など、こうした新党を「反主流派」とみなす政党が参加している。
AKI(2月3日付)は、民主的変革諸勢力国民調整委員会が、ロシアのシリア情勢への対応に抗議し、予定していたロシア訪問を延期すると在ダマスカス・ロシア大使に通達した、と報じた。
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自由のためのシリア芸術家創作家連合は声明を出し、ロシア国民に対して、「殺人許可の拒否権」に抗し、対シリア国連安保理決議を採択させるよう呼びかけた。
ロシアのインテルファクス(2月3日付)は、修正された対シリア安保理決議案に関して、ゲンナジイ・ガティロフ外務次官が、モスクワが表明した懸念を考慮したかたちでの修正にもかかわらず、ロシアは安保理決議案を支持できないと述べた、と報じた。
同通信社によると、ガティロフ外務次官は「(決議案を)受け取った。我々の懸念が…考慮されている。しかし我々にとってこれでは不充分で、現状において支持できない」と述べたという。
AFP, February 3, 2012、AKI, February 3, 2012、Akhbar al-Sharq, February 3, 2012、Alarabia.net, February 3, 2012、al-Hayat, February 4, 2012、Kull-na Shuraka’, February 3, 2012、Reuters, February 3, 2012、SANA, February 3, 2012などをもとに作成。
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