シリア政府が近日中にアナン特使による6項目調停案を履行する意向を同特使に通達、自由シリア軍報道官が仏紙に対しシリアの友連絡グループ第2回会合の内容に関する不満を表明(2012年4月2日)

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アサド政権の動き

シリア政府は、4月10日にアナン特使による6項目調停案を履行するかたちで、市街地からの撤退と発砲停止を行うと同特使に通達した。

安保理会合(非公式)でアナン特使が報告した。

Syrian Days April 2, 2012

ただしこの撤退・発砲停止は、反体制勢力がこの措置の48時間以内に発砲を停止することを前提としている。

スーザン・ライス米国連大使によると、同通達は4月1日、ワリード・ムアッリム外務大臣からなされた、という。

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シリアのバッシャール・ジャアファリー国連大使は、サウジアラビア、カタール、トルコが反体制勢力への武器供与を呼びかけていることを非難し、「アナン特使の計画に従わねばならない」と警告した。

ジャアファリー国連大使は、この警告がシリアによる撤退・発砲停止の条件ではないとしている。

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バアス党機関紙『バアス』(4月2日付)は社説で、シリアの友連絡グループ第2回会合が、現地の現実や真のパワーバランスではなく、参加国の願望を表明しただけの敗北した結果しかもたらしていない」と指摘し、会合が「破綻」していると非難した。

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SANA(4月2日付)は、選挙最高委員会のハルフ・アザーウィー委員長が、5月7日投票予定の第10期人民議会選挙の立候補者数が7,195人に達したと発表した、と報じた。

立候補は3月28日に締め切られていた。

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『シリアン・デイズ』(4月2日付)は、バアス党第10回シリア地域大会で採択予定の党内規案(2012年2月付)において、「民族指導部」の文言が完全に削除されるとともに、シリア地域を統括していたシリア地域指導部書記長(および2000年以降空席の民族指導部書記長)に代わって、「党首」(ライース・ヒズブ)が党の最高職として新設されることが規定されている、と報じた。

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サウジ政府寄りの立場をとる『シャルク・アウサト』(4月2日付)は、ダマスカス県・郊外県軍事評議会司令官のハーリド・ハッブーシュ大佐なる人物の情報として、イラン・イスラーム革命防衛隊の戦闘員がマイダーン地区の弾圧に投入されている、と報じた。

同大佐の証言によると、イラン・イスラーム革命防衛隊とレバノンのヒズブッラーは、シーア派を多く住むダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町やブハイラ・ザルザル地方にある軍事情報局のキャンプで弾圧のための教練を行っている、というが、真偽は定かでない。

国内の反体制勢力の動き

シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表は声明を出し、シリアの友連絡グループに関して、「いかなるかたちでもシリア人のためにならない」と酷評した。

国外の反体制勢力の動き

自由シリア軍報道官のカースィム・サアドッディーン大佐は、AFP(4月2日付)に対して、シリアの友連絡グループ第2回会合が「何もしてくれなかった」と非難、「アサド政権への圧力の遅れと現在まで自由シリア軍への武器供与を禁じていることでこれらの虐殺が生じたことに関して、国際社会の責任を非難する」と述べた。

ヒムス軍事評議会の司令官でもあるサアドッディーン大佐はまた、国際社会に対して「飛行禁止空域の設置、緩衝地帯の設置を武器供与とともに求める」と付言した。

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シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー氏は『ハヤート』(4月3日付)に対して、評議会をシリア政府の正統な代表として承認すべきとシリアの友連絡グループ第2回会合で表明したサウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣の姿勢を国際社会が支持するよう呼びかけた。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン会長は、AFP(4月2日付)に対して、軍・治安部隊が「反抗するほとんどの地域に対して焼き討ち政策を実行している」と非難した。

また2011年3月以降の死者数が10,108人に上ったと発表した。

同組織が発表する犠牲者数は国連などが基準として採用しているが、ロンドンに拠点を置く小規模なNPO団体がどのように犠牲者数を算出しているのかについては不明な点が多い。

国内の暴力

シリア人権監視団や地元調整諸委員会は、ヒムス県、イドリブ県など各地で軍・治安部隊と離反兵の戦闘によって24人(地元調整諸委員会発表)が死亡したと宣伝した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、対トルコ国境のイブリーン村や森林地帯で、軍・治安部隊と離反兵の戦闘により、民間人4人、離反兵5人、軍・治安部隊兵士1人が死亡した。

革命指導評議会なる組織の広報部メンバー(ヌールッディーン・アブドゥーを名のる人物)によると、ダイル・サンバル村、ファルキヤー村、ハーッス市などに対して、軍・治安部隊が掃討作戦を行い、家々を「焼き討ち」にし、活動家を逮捕した。

一方、SANA(4月2日付)は、国境警備隊がトルコ領内からのヒルバト・ジャウズ村に潜入を試みた武装集団と交戦し、テロリスト1人を殺害した。逃走したテロリストたちはトルコ領内から発砲を続けた、という。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市で軍・治安部隊の兵士2人が死亡した。

また地元調整諸委員会によると、ダーイル町で、軍・治安部隊が活動家の捜索・摘発を行った。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市で民間人3人が死亡した。

またヒムス市では軍・治安部隊と離反兵が交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市で民間人1人が死亡した。

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ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、ダマスカス郊外県革命指導評議会広報局のムルタダー・ラシードなる人物によると、ザバダーニー市郊外が軍・治安部隊の砲撃を受け、ムウダミーヤト・シャーム市では、軍・治安部隊が活動家に対する大規模な捜索・摘発を行った。

一方、SANA(4月2日付)やAFP(4月2日付)によると、ダマスカス県マルジャ地区に位置するカナダ・ホテル近く(マルジャ警察署近く)で爆弾が爆発し、4人が負傷した。

SANA(4月2日付)によると、このテロを受け、警察当局はドゥーマー市でテロリスト多数を逮捕し、大量の武器弾薬を押収した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊と離反兵が激しく交戦した。

レバノンの動き

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は党機関誌『アンバー』で、「レバノンのレジスタンスはシリアの政府に対する国民のレジスタンスに与せねばならない」と述べた。

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NNA(4月2日付)は、ベカーア県バアルベック郡カーアでシリア人6人とレバノン人1人が武器密輸容疑で軍事裁判所に起訴されたと報じた。

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ファタハの在レバノン司令官のムニール・マクダフ少将は、レバノン紙『ジュムフーリーヤ』(4月2日付)に対して、シリアでの反体制運動発生以来、レバノンでの武器取引が盛んになっている、と述べた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリアの友連絡グループが「紛争の平和的な正常化という諸目的に矛盾している」と非難し、「アサド政権を国民の代表の一つとしてすら承認しない一方的姿勢」に遺憾の意を示した。

ロシア外務省が声明として発表した。

同声明ではまた、アナン特使の6項目停戦案の履行に期限を求めるべきとしたシリアの友連絡グループ第2回会合の閉幕声明に関して、「警告や期限の設置が有効に作用することは稀だ」として、反対の意思を示した。

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シリア政府の発表を受け、スーザン・ライス米国連代表大使は、アナン特使の停戦案の履行に「前提条件はない」とし、反体制勢力の発砲停止を求めていることを非難するとともに、我々は過去にもさまざまな約束をしたが、ダマスカスはそれらの約束を破った」と述べ、懐疑的な姿勢を示した。

また6項目提案の他の項目への具体的な姿勢を明示するよう、アサド政権に求めた。

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サウジアラビア内閣は定例閣議でシリア情勢などを審議し、アラブ連盟行程表と国際法の枠組みに沿ったかたちでのシリアでの即時暴力停止を最優先事項とするべきとの姿勢を示した。

AFP, April 2, 2012、Akhbar al-Sharq, April 2, 2012、al-Hayat, April 3, 2012、Kull-na Shuraka’, April 2, 2012、Naharnet.com, April 2,
2012、NNA, April 2, 2012、Reuters, April 2, 2012、SANA, April 2, 2012、Syrian
Days April 2, 2012などをもとに作成。

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