ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣はモスクワで外相会談を行い、シリア情勢、とりわけ5月半ばに予定されているアスタナ9会議の準備について意見を交わした。
会談後の共同声明では、国連安保理決議第2254号とアスタナ会議での諸合意に基づき、シリア危機の平和的解決に向けた取り組みを強化することが確認された。
また、ダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線(シャーム解放機構)といったテロ組織の完全殲滅に向けた協力を継続することの意義、シリアの主権、独立、領土統一の維持・尊重が強調された。
ラブロフ外務大臣は会談後の共同記者会見で、アスタナ会議保証国であるロシア、イラン、トルコの3カ国が、シリアでの治安と安定の回復に向けた集団的措置を講じることで合意したことを明らかにするとともに、国連安保理決議第2254号に向けた共同行動を阻止する試みに対抗すると表明した。
一方、14日の米英仏のシリア攻撃については、シリア危機の政治解決に向けた取り組みを後退させるものと非難、「シリア政府によるテロ撲滅を支援しなければならない」と強調した。
また、参加国が「西側がミサイル攻撃を行おうとも、シリアで和平プロセスを続ける必要があることを合意した」と付言した。
ザリーフ外務大臣は、シリアの主権、領土統一、外国の圧力を排除したかたちでのシリア人どうしの対話を通じた政治的解決に向け支援を継続すると強調した。
また、4月7日にダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市で発生した塩素ガス使用疑惑事件については、「中立的調査の実施」を呼びかけた。
チャヴシュオール外務大臣は、「シリアにおけるいかなる軍事的解決も違法であり、持続し得ない」とする一方、「別のアジェンダを掲げて、シリアでの問題解決を妨害しようとする者がいる」と述べ、西クルディスタン移行期民政局への支援を続ける欧米諸国を暗に批判した。
そのうえで、「我r割れはアスタナでの合意を実施しなければならない」と強調し、「トルコ、イラン、ロシアがともに行動し、(ソチでのシリア国民対話大会での合意に従い)制憲委員会を設置すれば、シリア国民を支援できる」と表明した。
SANA(4月28日付)、『ハヤート』(4月29日付)などが伝えた。
AFP, April 28, 2018、ANHA, April 28, 2018、AP, April 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2018、al-Hayat, April 29, 2018、Reuters, April 28, 2018、SANA, April 28, 2018、UPI, April 28, 2018などをもとに作成。
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