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『ハヤート』(4月13日付)など各紙は、アナン特使の停戦案の履行期限である4月12日午前6時以降、シリア各地が「不穏な静寂」を保ち、軍・治安部隊は依然として都市部に展開はしているもの、大きな停戦違反は発生していない、と報じた。
しかし在外の反体制人権団体・政治組織はさまざまなプロパガンダを通じて政府側が停戦案を履行していないと主張し、またアサド政権も武装テロ集団による攻撃があったことを明らかにした。
またフェイスブックなどでは、反体制活動家が「すべてのシリア人のための革命の金曜日」と銘打って、13日に反体制デモを行うよう呼びかけ、アサド政権への挑発を続けた。
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コフィ・アナン・シリア危機担当国連・アラブ連盟合同特使はシリア情勢に関して、「シリア情勢は総じて平静であり、戦闘行為停止は依然として維持されているようである」としつつ、「一部の都市での暴力が続いているとの報告がなされており…、暴力行為、誘拐、拷問が停止されねばならない」と述べた。
またアナン特使は安保理への報告で「現時点の状況はシリア政府が(停戦案を)完全に履行していることを意味せず…、シリア軍は依然として住宅地に駐留している。ただちに軍は兵舎に戻らねばならない」と付言した。
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シリア人権監視団(ラーミー・アブドゥッラフマーン所長)は、ハマー県、イドリブ県、ヒムス県で民間人5人が殺害されたほか、イドリブ県とダマスカス郊外県で行方不明者の遺体1体が発見された、と発表した。
アブドゥッラフマーン所長は、ハマー県、ヒムス県、イドリブ県、アレッポ県、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ダルアー県、ダイル・ザウル県が概ね「平静」を保っていると述べる一方、ダマスカス郊外県のザバダーニー市で複数の爆発音が聞こえたことを明らかにした。
また滞在先のロンドンから「戦車の撤退はまったく見られない」と付言した。
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シリア革命総合委員会によると、ハマー県、アレッポ県、イドリブ県、ダマスカス郊外県での軍・治安部隊の発砲により、少なくとも40人が死亡した。
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シリア国民評議会(バスマ・カドマーニー報道官)は、ハマー県などで、軍・治安部隊の発砲により3人が殺害されたほか、アレッポ県、ヒムス県、ダルアー県で数十人が逮捕された、と発表、また住宅地に依然として軍の車輌・重火器が展開を続けており、政府による和平案の履行が「部分的だ」と非難した。
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自由シリア軍在シリア共同指導部のカースィム・サアドッディーン大佐は、「我々は100%停戦を履行しており、挑発には乗っていない」とする一方、「政府は履行していない」と非難、国際社会に対して停戦監視団の派遣を求めた。
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ヒムス県のアブー・ラーミーを名のる活動家によると、ヒムス市では軍・治安部隊が発砲を停止したもの、県内の他の都市では政府が停戦案を履行した兆候はないと述べ、戦車、狙撃兵が依然として駐留・展開していると非難した。
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ハマー革命評議会広報局メンバーのアブー・ガーズィー・ハマウィーなる活動家によると、「現在までのところハマー市は平穏」だが、ガーブ平原の農村の一部では治安部隊が展開し、砲撃を続けている」という。
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『クッルナー・シュラカー』(4月12日付)は、ダマスカス県の人民議会議事堂前およびその周辺で若者数百人が「殺戮を止めろ」と書かれた赤い布を掲げてデモを行ったと報じた。
同報道によると、治安部隊やシャッビーハはラウダ広場での強制排除は行わなかったが、ユースフ・アズマ広場でのデモでは数十人を逮捕した。
このほか、ダマスカス郊外県ジャルマーナー市で大きな爆発音がしたほか、ダマスカス県マイダーン地区でアサド大統領の弔報を知らせるビラが貼られた、という。
Facebookなどによると、ジャルマーナー市での爆発で、ジャミール・ハサン空軍情報部長の友人のズハイル・ティーバ氏が暗殺された、という。
さらにダマスカス県内で、「シャッビーハに強姦された」という女性が焼身自殺したと報じた。
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「アフバール・シャルク」(4月12日付)は、アレッポ大学で反体制デモが行われ、治安部隊が催涙ガスと実弾を使用し強制排除したと報じた。
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トルコのアナトリア通信(4月12日付)によると、イドリブ県の対シリア国境では、キリス県に避難しようとしていた市民約15人にシリア軍は発砲した。
この発砲による死傷者はなかった。
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SANA(10月12日付)は、アレッポ市郊外のニーラーブ空港橋近くの街道で武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、大型バス(軍施設と住宅地を結ぶバス)に乗っていた大佐1人が死亡、士官24人が負傷したと報じ、反体制勢力による停戦違反を非難した。
またこの爆発で近くにいた民間人多数が巻き添えとなって負傷した。
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シリア人権連盟によると、ダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市で治安機関が活動家のアフマド・ムハンマド・マアトゥーク・ファルマリー氏(通称「アブー・ウライブ・バタル」、19歳)を逮捕・処刑した。
SANA(4月12日付)によると、シリアの内務省は「武装テロ集団の犯罪を避けて家を離れ、国内外への避難を余儀なくされてきた市民に対して、帰宅し、虚偽のプロパガンダや報道に惑わされない」よう呼びかけた。
また内務省は、「シリア人の血で自らの手を染めていない武装集団にその身柄と武器を最寄りの警察署に引き渡す」よう呼びかけた。
さらにフェイスブックなどでの反体制デモ呼びかけに対して、デモが「関係当局の認可」を得ねばならないと発表し、無許可でのデモ実施に対して警告を発した。
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シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、「我々はアナン特使の停戦案が定める軍撤退の要請を実行した」と述べた。
また反体制デモ呼びかけに関しては、「我々は今日、和平案を支持していると主張する者たち(の対応)を試している」と述べ、在外反体制勢力、カタール、サウジアラビア、トルコ、そして西側諸国の煽動を牽制した。
とりわけ、反体制(武装)勢力に活動拠点を提供しているトルコに対しては、アナン特使の和平案に違反している、と非難した。
シリア国家建設潮流は声明を出し、国防省による「任務完了」宣言に関して、シリア政府に対して「いかなる攻撃」に対しても応戦・報復しないよう求めるとともに、自由シリア軍に対しても停戦を遵守するよう求めた。
ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、バラク・オバマ米大統領とフランスのニコラ・サルコジ大統領の会談に関して、両国がシリア国民に対する野蛮な弾圧を最終的に停止させるために安保理の枠内で努力を強化することに合意したとしたうえで、「国際社会はダマスカスの言葉ではなく行動で判断するだろう」と述べた。
ヒラリー・クリントン米国務長官は、シリア政府に対して都市部からの軍撤退を改めて求める一方、「アサド大統領は自身が気に入っていないアナン特使の和平案(の完全履行)を選ぶことはあり得ない」と述べ、体制転換のプロセスの検討を始めると付言した。
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリアでの体制転換を改めて求めるとしたクリントン米国務長官の発言に関して、「感情的」と非難し、アサド大統領はシリア国民の大多数を代表している。いくつかのデータによると、過半数の住民を代表している。それゆえ、反体制派がシリア国民の正当な代表だという言説は誇張だ」と述べた。
そのうえで「重要なのは対話のテーブルにすべてのシリア人が着くことを求めることにあり、アサド大統領はその用意があると明言したが、彼以外に誰もそのようなことは言っていない」と述べ、反体制勢力を暗に批判した。
シリアでの停戦に関して、「挑発が発生しないことは否定できないがゆえ、監視団の派遣はきわめて重要」と述べた。
ロシアのヴィタリー・チュルキン国連代表は、フェイスブックでの反体制活動家によるデモの呼びかけに対して「すべての当事者が挑発を回避しなければならず、我々は挑発がなされていることを懸念している」と非難し、「すべての当事者に完全に暴力を停止する」よう呼びかけた。
また13日に国連安保理で審議予定のシリアへの国際監視団の派遣への指示を改めて示した。
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中国の李保東国連代表は、「シリア政府が停戦を発表したことを歓迎する。我々は同国政府が誓約を完全に履行し、停戦を実施し、アナン特使のミッションを支援し続けることを希望する」と発表した。
また「我々は武装集団が武器を引き渡し、殺戮を停止し、アナン特使のミッションを完全に受け入れることを希望する」と付言した。
一方、中国外交部報道官は、シリア政府による停戦履行の決定を「シリア国内の緊張緩和と危機の政治的解決に資する」として高く評価した。
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国連の潘基文事務総長は訪問先のジュネーブで、「言葉でなく行動」から判断すると述べ、「発砲停止は不安定なもので、世界は監視している」と警告した。
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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、シリア軍によるトルコ領内の避難民への発砲に関して「NATOはトルコ国境を守る責任がある」と述べ、NATO条約第5条に基づいた集団的自衛権行使を求める可能性があることを示唆した。
トルコ各紙が伝えた。
AFP, April 12, 2012、Akhbar al-Sharq, April 12, 2012, April 14, 2012、al-Hayat, April 13, 2012、Kull-na Shuraka’, April 12, 2012, April 13, 2012、Reuters, April 12, 2012、SANA, April 12, 2012などをもとに作成。
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