ヒズブッラーのナスルッラー書記長「ロケットの夜」は、イスラエルが、報復、処罰に直面することなしにシリアを攻撃できないことを示した」(2018年5月14日)

レバノンのヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、ムスタファー・バドルッディーン暗殺3周年に合わせて、マナール・チャンネルを通じてテレビ演説を行い、5月10日未明のイラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団によるとされる占領下ゴラン高原のイスラエル軍前哨地へのロケット弾攻撃を「ロケットの夜」と名づけ、その成果を鼓舞した。

ナスルッラー書記長の主な発言は以下の通り。

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「占領下のゴラン高原にある占領者の陣地がこうした砲撃を受けたのはこれが初めてだ。イスラエルはロケット弾20発が発射され、一部は撃破したと主張している。だが、実際には大口径のロケット弾を含む55発が多数の軍事拠点に対して発射された。これにより大きな爆発が複数回発生し、ゴランの入植地の住民はパニックになり、シェルターへの避難を余儀なくされた」。

「これは、シリアに対するイスラエルの攻撃に対する報復の一形態に過ぎない。敵が受け取ったメッセージは…、「好きなように殺戮や爆撃を続けられるなどと考えることは間違えだ」というものだ」。

「イスラエルは今日以降、シリアを攻撃し続ければ、報復を免れない…。適切な時、場所、そして適切な方法で報復は行われるだろう。お前達はシリアの主権を侵略し続けることはもはやできない。報復、そして処罰に直面することなしに攻撃は行えない…。シリアでの事件でもっとも重要なのは、イスラエルの威信が失墜したことだ…。この画期的なロケット弾攻撃で、我々は新たな段階を迎えた」。

「イスラエルは(ロケット弾攻撃での)被害や標的となった地点について口をつぐんだままだ」。

「次の報復は、イスラエルのシリアへの反撃がレッドラインを越えれば、占領下パレスチナの心臓部に第2の砲撃が行われるだろう」。

「この事件においてもっとも重要な意味は、イスラエル国内の前線において戦争の準備ができていなかったということだ…。イスラエルはこの事件をウソで覆い隠そうとしている…。リーベルマン(イスラエルのアヴィグドール・リーベルマン外務大臣)は、シリア国内のイランの基地すべてを破壊したなどと言っているが、そんなことは起きていない」。

AFP, May 14, 2018、ANHA, May 14, 2018、AP, May 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2018、al-Hayat, May 15, 2018、Qanat al-Manar, May 15, 2018、Reuters, May 14, 2018、SANA, May 14, 2018、UPI, May 14, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

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