カザフスタンの首都アスタナで14日に開幕していたシリア政府と反体制武装集団の停戦協議「アスタナ9会議」が2日間の日程を終え、閉幕した。
閉幕に際して、会議保障国のロシア、トルコ、イランは共同声明を発表した。
声明の骨子は以下の通り:
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1. ソチでのシリア国民対話大会の提言実施を支援し、シリア問題担当国連特別代表およびシリアの当事者との協議を行うことで、国連安保理決議第2554号に基づく政治プロセス推進に向けた共同の取り組みを継続すること。
2. ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線(現シャーム解放機構)、アル=カーイダやダーイシュとつながりのある組織の根絶に向けた「テロとの戦い」を継続すること。
3. 緊張緩和地帯を、戦闘停止維持において「中軸的役割」を果たすものと位置づけ、設置にかかる覚書実行の重要性を確認すること。
4. 生活再建に向けてすべてのシリア人を支援するための取り組みを強化し、緊急人道支援の迅速且つ安全な配給を保障し、当事者間の信頼醸成に向けた取り組みを強化すること。
5. 逮捕者・捕虜の交換にかかる作業グループの会合を7月に開催すること。また、ロシアのソチでシリア情勢への対応を協議するための国際会議を7月に開催すること。
SANA(5月15日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(5月15日付)などが伝えた。
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ドゥラル・シャーミーヤ(5月15日付)によると、反体制派代表団(シリア軍事革命諸勢力代表団)は、共同声明に先立ってトルコの代表団と会談し、ヒムス県北部およびハマー県南部で現在推し進められている反体制武装集団戦闘員とその家族の退去、同地での停戦違反、イドリブ県におけるトルコ軍の監視所の設置などへの対応について協議した。
トルコ側は協議において、イドリブ県における停戦維持と安全の確保の必要を強調したという。
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アスタナ9会議に参加するロシア代表団を率いるアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使は記者会見を開き、米国の不参加を非難するとともに、反体制武装集団代表団の出席を高く評価した。
ラヴレンチエフ特使は「米国はアスタナ会議に常に(オブザーバーとして)参加していた。だが、今回はシリアでの問題解決に向けた国際社会の取り組みを支援するのを断念した。我々は遺憾の意を表明するとともに、交渉や対話を通じて問題解決に向けた複合的な手段を案出していきたい」と述べた。
ラヴレンチエフ特使はまた、シリアの反体制派が会議に参加したことに歓迎の意を示しつつ、ダマスカス郊外県東グータ地方、東カラムーン地方、ヒムス県北部・ハマー県南部での反体制武装集団の戦闘員と家族の退去に関して、この動きに対する反体制派からの異議申し立てへの「唯一の解決策は、殲滅だ」と述べた。
SANA(5月15日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(5月15日付)などが伝えた。
AFP, May 15, 2018、ANHA, May 15, 2018、AP, May 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 15, 2018、al-Hayat, May 16, 2018、Reuters, May 15, 2018、SANA, May 15, 2018、UPI, May 15, 2018などをもとに作成。
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