ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は「シリア軍のみがシリア南部国境地帯に駐留すべきだ」と述べ、シリア南部(ダルアー県、占領下ゴラン高原一帯)で活動を続けるイラン・イスラーム革命防衛隊を撤退させたいとの意向を示した。
発言は、米主導の有志連合が違法占拠を続けるヒムス県のタンフ国境地帯一帯からの撤退を決定したとの報道が一部でなされたことを受けたもので、ロシア・シリア両軍がダルアー県の解放に向けた軍事攻勢の準備を進めているとされるなか、米国、ヨルダンは同地へのシリア軍の進攻に警戒感を示すとともに、イラン・イスラーム革命防衛隊やその支援を受けるヒズブッラーなどの同地での活動への批判を強めていた。
スプートニク・ニュース(5月28日付)が伝えた。
なお『ハアレツ』(5月28日付)は、ロシアが占領下ゴラン高原に面する地域からイラン・イスラーム革命防衛隊を撤退させようとしていると伝えた。
この動きは、シリア領内のイラン・イスラーム革命防衛隊拠点に対するイスラエル軍の再三にわたる爆撃・ミサイル攻撃を受けたものだという。
イスラエルは2017年半ば頃から、首都ダマスカスとスワイダー市を結ぶ幹線道路の西側(占領したゴラン高原から60~70キロ)からイラン・イスラーム革命防衛隊やその支援を受ける民兵を撤退させるようロシアに要請してきた。
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ロイター通信(5月28日付)は、ヨルダンの匿名高官の話として、米国、ロシア、そしてヨルダンの三カ国がシリア南部での緊張緩和地帯を維持することで合意したと伝えた。
この匿名高官は合意内容の詳細については言及しなかったが、これにより同地での停戦は維持されるという。
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反体制系のザマーン・ワスル(5月28日付)は、シリア空軍(アフマド・バッルール司令官)が、イラン・イスラーム革命防衛隊とヒズブッラーによるシリア軍航空基地内の格納庫の使用を禁止することを決定したと伝えた。
この決定は、ロシアの要請に応えるとともに、イスラエル軍戦闘機による爆撃を回避するための措置だという。
AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、Haaretz, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、Sputnik News, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018、Zaman al-Wasl, May 28, 2018などをもとに作成。
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