ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(3月3日付)によると、ムウダミーヤト・シャーム市住民が帰宅を開始した。
住民の帰宅は、バービッラー市一帯での「国民和解」(停戦)に伴う暴力の沈静化に伴う動きだという。
またバービッラー市では4日前から一時閉鎖となっていた市内への通行所が再開され、バービッラー市民、ヤルダー市民、バイト・サフム市民の市外への外出が許可されたという。
『ハヤート』によると、バービッラー市などでは「国民和解」以降、住民の市外への移動が制限されていたという。
これに関して、SANA(3月2日付)は、欧米諸国が「政治化」しようとしている国連の人道援助の受け入れをムウダミーヤト・シャーム市民が拒み、シリア政府とシリア赤新月社に対して「支援をめぐる義務の完全履行」を求めていると伝えた。
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同じくダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がヤブルード市を空爆・砲撃、同市周辺の対レバノン国境地帯では、軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。
一方、SANA(3月2日付)によると、ヤブルード市、ダーライヤー市、ザバダーニー市郊外の山岳地帯、ドゥーマー市、アルバイン市、ハラスター市、ムライハ市、リーマー農場、アッブ農場、アーリヤ農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
またジャルマーナー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾した。
他方、シリア革命ニュース(3月2日付)によると、クドスィーヤー市でアサド政権を支持するデモを行おうとしていた政権支持者と、反体制活動家が衝突し、ナジュムッディーン・アフマド法務大臣の随行者2人が殺害された。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区サラースィーン通り、ヤルムーク通りで、シャームの民のヌスラ戦線とPFLP-GCが交戦した。
戦闘はヤルムーク区に隣接するカダム区で発生、またジャウバル区、カーブーン区に対して軍が砲撃を加えた。
これに関して、シャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、シリア軍とPFLP-GCがダマスカス県ヤルムーク区での停戦合意に違反し、同地区の「中立化」を阻害していると発表した。
ヌスラ戦線の声明によると、軍とPFLP-GCの民兵は、合意に反して、指定地域からの撤退、武装解除を行っておらず、またUNRWAによる人道支援物資搬入に乗じて、「PFLP-GCのシャッビーハ集団」を送り込み、民間人数十人を逮捕しているのだという。
しかし、PFLP-GCのアンワル・ラジャー報道官は、ダマスカス県ヤルムーク区の停戦合意をめぐるシャームの民のヌスラ戦線の非難声明に関して「ヌスラ戦線、タクフィール主義者、ないしはいわゆる外国人(グラバー)がヤルムーク区のサラースィーン通り(など)に潜入し、占拠している」と反論した。
ラジャー報道官はまた、「パレスチナ人武装集団だけでは、平和的イニシアチブを実行するため停戦合意を遵守することはできず、パレスチナ民衆運動が必要になっている。占拠されているキャンプを救済するのにふさわしいすべての方法をもって、諸派レベルでこうした悪党とその支援者に対抗しなければならない」と付言した。
一方、SANA(3月2日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またアッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が負傷した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アトマーン村、シャイフ・マスキーン市を軍が砲撃、またヌアイマ村で軍と反体制武装集団が交戦した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルヌブーダ町近くの検問所で、軍と反体制武装集団が交戦、またフワイズ村で爆発が発生した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市郊外の検問所で軍と反体制武装集団が交戦した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市旧市街、アレッポ中央刑務所周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。
一方、SANA(3月2日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、マルジャ地区、ハルワーニーヤ地区、ハラク地区、ジャンドゥール交差点、サカン・シャバービー地区、マアスラーニーヤ地区、ハーウーズ交差点、カッラーサ地区、ジュダイダ地区、フライターン市、アルバイド村、クワイリス村、ヒーラーン村、ジュバイラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、SANA(3月2日付)によると、ハーリディーヤ村、ガジャル村、ブルジュ・カーイー村、ハーッジ・マスウード農場、ラスタン市東部、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・スィバーア地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
またヒムス市マイダーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が死亡した。
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ダイル・ザウル県では、SANA(3月2日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区、工業地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
また反体制武装集団は、ダイル・ザウル市南部のティーム地方を通るガス・パイプラインを破壊した。
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ラッカ県では、ARA News(3月2日付)によると、タッル・アブヤド市でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がクルド人青年(キンダール村出身)を殺害した。
またタッル・アブヤド市西部のベールカヌー村を民主統一党人民防衛隊が制圧したのを受け、同村周辺およびアブディークウィー村周辺で同部隊とダーイシュの戦闘が発生した。
AFP, March 2, 2014、Akhbar al-Thawra al-Suriya, March 2, 2014、AP, March 2, 2014、ARA News, March 2, 2014、Champress, March 2, 2014、al-Hayat, March 3, 2014、Iraqinews.com, March 2, 2014、Kull-na Shuraka’, March 2, 2014、Naharnet, March 2, 2014、NNA, March 2, 2014、Reuters, March 2, 2014、SANA, March 2, 2014、UPI, March 2, 2014などをもとに作成。
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